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「困ってるひと」

大野更紗「困ってるひと」ポプラ社

闘病記だけど、ただの闘病記ではない。
ただものではない病人の体験記。
ホントにもの凄く大変そうだけど…
励まされます。

福島県ののんびりした所で育った女の子が、フランスに憧れて上智大学へ。
それがアジア難民に興味を持つことになり、ミャンマーの人のために奔走する生活に。タイやビルマにも何度も足を運ぶほどでした。
大学院に入ったばかりの2008年の夏、突然、身体に異変が!

自分が難民ならぬ~苦難にあう人になってしまったのです。
病院へ行くことも大変な体調。
検査すること自体、また大変という。
病名がわかるまでに、病院を点々とする1年。

(…こんなものすごい症状ではないけれど、病院へ行くことも出来ない体調というのは経験あります。
待たされて具合悪くなったり、結局治す手だてもはっきりしなかったりね。やはり自己免疫疾患で難病の端くれだったうちの母にも付き添いました。)

著者の病名は、筋膜炎脂肪織炎症候群。プラス皮膚筋炎。
難病専門の病院に入院して9ヶ月、本格的な治療がまた大変。
麻酔をかけると組織が変わってしまうので、麻酔なしの検査…げげっ。
最初は、他の入院患者の様子にもショックを受けた著者。
難病を抱えて生きてきた先輩を尊敬するようになるのでした。
活気のある文章でテンポ良く描かれるので、ただ暗いということはありませんよ。

故郷はムーミン谷のような山間ののどかな田舎で、原発の避難区域ギリギリという。
一番近いコンビニに行くにも15分。
ムーミンパパママのようだという両親に、ほっこり。
でも故郷から病院へ行ったり、一時退院したりするのは何と大変な事か。
お医者さんは素晴らしい人たちなのですが、やや浮世離れもしているので、そういう具体的な大変さは理解の他という面もありました。

難病の男性と思いがけなく、ほのかな恋が芽生えます。
重病人同士では諦めなければならない、思い出を一つ作るだけにしようと、ただ庭で桜の花を見上げたひととき。
ところが、恋のパワー恐るべし。

病気とは、長く付き合わなければならないと覚悟します。
しかるべく援助を受けるために、ややこしい書類の山と格闘。
自立をめざして、ずっとほったらかしだった遠い小平の自分のアパートから、病院に近い所に部屋を探すのです。
引っ越し手続きを出来るだけ速やかに終わらせるための、決死の準備。
そして、友達を総動員しての引っ越しの日が来ます。
彼の人は実はDIYが得意で、いろいろ手配も手伝ってくれました。

やったね!
それでもまだまだ大変そうだけど…
どうしていらっしゃるでしょうか。
少しは楽でしょうか。

著者は1984生まれ。
2010年にこの本の執筆を始める。
ウェブマガジン「ポプラビーチ」に連載されていたそう。
こんなに大変でも大丈夫だよ!と伝えたいそうです。

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