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「つばさものがたり」

雫井修介「つばさものがたり」小学館

パティシエとして一本立ちしようとする若い女性を襲う病魔。
家族の暖かさに支えられ、店を出しますが…

君川小麦は、故郷に戻って店を出すことにしました。
人気店「ハルタ」で修行してきた小麦。
都心でスーシェフになる道もあったのですが、3年前に乳ガンを発症し、健康上の不安を抱えていたのです。

母と小さなお菓子屋でも出そうというのが亡き父の夢でした。
母が元気なうちに、一緒に店をやろうと決意。
兄の代二郎の妻・道恵も協力してくれることになります。
幼い子がいる道恵は販売の手伝いをするぐらいの軽い気持ちでいたので、真剣にケーキ作りを仕込まれることになって驚くのですが。

賃料が割安だった店は次々に代替わりしていて、実は場所が良くないらしかった。
師匠の春田は店を覗きに来て、これでは売れ行きが伸びないだろうと厳しく忠告をして帰ります。
ハルタのレシピで得意なケーキを作っても良いと許されたのですが。
小麦は体調を崩していて、味覚も厳密ではなくなっていました。
一度は諦めて閉店しようとし、気落ちしてしまいますが…

店を出す具体的な努力と苦闘。
お菓子作りのアイデアや苦心も面白いですが、もう一つファンタジックな要素があり、不思議な味わいを醸し出しています。

兄夫婦の一人息子・叶夢はいささか変わっていて、友達が出来ない。
天使が見えると幼い頃から口にしていて、天使のレイが唯一の友達。話が次第に具体性を帯びてくるのです。
レイがこの店の場所は良くないと言っているという話を信じるようになる小麦。
新しい場所を探すことに。
天使のお気に入りという意味の「ファボリ・ダンジュ」という店にして、その名前の新作ケーキを考案するのです。

レイはまだ天使になるか妖精になるかわからない、テストで飛ぶ成績によって道が分かれるのだという…
最初はとても信じられずに困惑していた代二郎でしたが、いつの間にか目には見えない天使のレイに、飛ぶ指導をすることに。

ひらがなのタイトルどおりの優しい雰囲気。
ちょっと哀しいけれど、読後感も良いです。

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