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「コンビニたそがれ堂 星に願いを」

村山早紀「コンビニたそがれ堂 星に願いを」ポプラ文庫ピュアフル

シリーズ3作目。
短編集で、1話ごとに独立しているので、この本から読んでも大丈夫です。

海辺にある風早町の駅前商店街の外れ。
赤い鳥居が並ぶあたり。
たそがれ時に、不思議なコンビニが現れる…
大事な探し物がある人は、そこで見つけられるという。

「星に願いを」
素敵なお弁当箱を飼いたくて探し歩く少女・愛。
ダッフルコートが大きすぎる小学6年生。
真夜中に、お隣のお兄ちゃんの家の庭で流星群を見る約束をしていました。
お隣はもう引っ越してしまうので、4歳年上のお兄ちゃんと一緒に過ごせるのもこれが最後。
お弁当を作って、告白しようと思ったのです。
でも、お料理は大苦戦!
不思議なコンビニで買ったお弁当箱と万年筆が見かねてガタガタ言い出します。それぞれに、つくも神がついていて…
お弁当作りに協力するために、思いがけない登場もあります。

「喫茶店コスモス」
宗一郎さんがある朝目覚めると、奥さんの鳩子さんは喫茶店を開ける準備もせず、口もききません。
毎年、一緒に海辺のコスモス畑を見に行っていたのに、今年は宗一郎さんがゴルフなどの予定を入れてしまい、時季を逃したのです。
一面に広がったコスモスの群れは、実は二人が若いときに何度も種をまいたもの。
ちょっと喧嘩してしまったのを反省しつつ、宗一郎さんが気づいたことは…
そして、たそがれ堂での買い物は、鳩子さんに届きます。

「本物の変身ベルト」
新入社員の良太は、8月の暑い日、失恋してしまいます。
急に何もかもが空しくなり、会社を休んでしまう。
アパートの人間関係はゆるいけど快適でしたが、一人暮らしなので、落ち込むときりがありません。
ネットでツイッターをやるのが楽しみだったのに、「失恋しました」と書き込んだきり。
パソコンの画面には、子どもの頃考えた正義の味方「ヒラタマン」の画像があります。
同じアパートの隣の部屋に住む女の子・ののちゃんにはヒラタマンの話をしてあげたこともありました。
風早三郎神社の大祭が行われるという日。
神社といっても小さいのですが、それには理由がありました。
事件を起こそうとしているネットの書き込みを見た良太は、駆けつけます。
そして…

ごく普通の会社員の良太が見本だからと貰った「本物の変身ベルト」
これがなかなか面白いお話でした。
特殊じゃない人だから、良かったのかな。
風早町の戦後の復興の話までが出てきて、宗一郎さんの思い出から繋がりますね。

宗一郎さんを出迎えてくれたシェパードには、もう…
泣きました。

どこまでも優しい雰囲気に包まれた作品です。
何気ない日常生活や可愛らしいモチーフの奥にある、響きあう心と心は熱いのです。
急いで読まないで。
ゆっくりしたペースで、読み終わったら目を閉じて、お茶を飲むように、味わってみて下さい。

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