フォト

おすすめ本

« いつもの窓辺で | トップページ | 「コンビニたそがれ堂 星に願いを」 »

「ペルシアの彼方へ」

ノア・ゴードン「ペルシアの彼方へ ―千年医師物語1」角川文庫

再読。
面白い!すばらしいです!
千年医師物語、三部作の一作目。
これが一番濃い。
珍しい中世のイギリスが舞台。
しかもこの職業というのが…医師の仕事の進歩と変遷を描いていくのです。
2作目、3作目は同じ家系の医師が主人公で、時代がずっと進みます。

貧しい一家のけなげな長男が主人公。
両親が亡くなって、子供達はばらばらになります。
長男のロブ・Jは、外科医兼理髪師の弟子に。
当時は外科医、内科医の下に、こういう存在が成り立ったのです。
医学というほどのものでなく、鋏をふるう職業として共通したとは。
しかも、旅回り。
医者などいないような町の広場に箱を置いて立ち、なんと手品など芸をして客の気をひいてから、仕事をとっていたんですね。
誰にでもそう呼ばれているからと、弟子のロブ・Jにも名前ではなく職業で「床屋さん(バーバー)」と呼ばせます。

ヴァイキングに襲われると、なすすべもなかったイギリスの民。
ついにデーン人の王クヌートを戴くことにもなった、そんな時代。
このクヌート王は意外に善政をしいて、人気だったとか。

いつか兄弟に再会することを夢見ながら、成長していくロブ・J。
当時のイギリスは決して先進国ではなく、医療は遅れていました。
はるか東方へ学びに出ることを決意するロブ。
キリスト教徒としてはとてもペルシアに入れないので、ユダヤ人のふりをすることにするとは。

東方へ向かうキャラバンで、スコットランドから羊の買い付けに来ているという農場主の父娘と出会う。
娘のメアリ・カレンと惹かれ合いますが…?!
情熱と努力の物語。異国情緒も溢れ、冒険旅行記としても迫力。
時代は荒っぽいけれど~
料理が意外に充実していて、床屋さんの手料理がまた美味しそう。

ロブ・Jは、はるばるペルシアの都イスファハンにたどり着き、一度は投獄されますが、アラー王の助けを受けることが出来ました。
進んだ医学を学びたい一心で、高名な医師イブン・シーナの教えを受けられる病院付属の医学校に入ります。
医学だけでなく哲学や法律、イスラムの戒律なども覚えなければならない厳しい課程でした。
ロブはユダヤ人エッサイ・ベン・ベンジャミンと名乗り、ユダヤ人街に暮らします。
勉学では苦心しますが治療では腕が立ち、すぐに助手として重宝されるように。

ペルシアのシャー(王)アラーは、陽気で傲慢な野心家。
優秀な医師を側に置くことを好み、ロブのことも度々呼び寄せ、共に乗馬や、シャーの遊戯(チェス)をします。
カリムとミルディンという医学研修生仲間の親友も出来ます。
シラズの都で黒死病が発生し、8人の医療派遣隊の中に彼ら3人もいました。
絶望的な旅の途中で逃げ出してしまう者もいましたが、3人は苦労を乗り越えて生還します。
誠実で行動的なロブは何とも、いい男ですね~。

ペルシアに来る途中で知り合ったメアリー・カレンが窮地にあると知ったロブは馬をとばして駆けつけ、イスファハンに連れ帰り、結婚。
長身で赤毛の個性的な女性メアリー。
異教徒と結婚したとユダヤ人街では背教者と非難を浴び、ロブは親友のミルディンにだけは真実を明かします。
ミルディンの妻ファラとメアリーは、言葉は通じないのに親友となるのでした。

イブン・シーナと助手は、実在の人物。
この名前の王はいたが詳しいことがわかっていないので、幾人かの事績を合わせたという。

作者はもと医学関係の記者で、ベストセラー作家。
農場に子ども夫婦と住み、ボランティアで救急医療技師も。

« いつもの窓辺で | トップページ | 「コンビニたそがれ堂 星に願いを」 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ペルシアの彼方へ」:

« いつもの窓辺で | トップページ | 「コンビニたそがれ堂 星に願いを」 »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック