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「魔法の声」

コルネーリア・フンケ「魔法の声」WAVE出版

さすがコルネーリア・フンケ!
ドイツの著名な人気作家の作品です。
本好きのハートを鷲づかみにする内容。
児童文学ですが、子どもだけに読ませておくのはもったいない!

少女メギーは、父親のモー(モルティマ)と二人暮らし。
母は幼い頃に遠くへ行ったと聞かされています。
大好きなモーとすばらしい本と一緒なので、メギーは寂しくはありません。
色々なお話をしてくれる優しいモーですが、本の読み聞かせだけはしてくれたことがない。
モーは本の修復が仕事で、小型バスに乗って各地へ移動。
まるで何かに追われるかのように、突然、転校することも度々でした。

ある日、「ホコリ指」と名乗る火を操る大道芸人が訪れます。
それが恐ろしい事件の始まりでした。
モーはすぐにメギーを連れて、メギーの母の叔母だというエリノアの邸に向います。
古い大きな建物には本がいっぱい。一人暮らしのエリノアは、ちょっとブルドッグに似た気難しいおばさんでした。
ところが、落ちつく間もなく、モーが何者かにさらわれてしまいます。

カプリコーンという悪者が欲しがっている貴重な本。
「闇の心(インクハート)」は一緒に持って行かれたはずが、実はエリノアがすり替えていたのです。
メギーとエリノアは、ホコリ指と共に、モーを助けるため、カプリコーンの住む村へ。
カプリコーンは山賊の首領のようなもので、一味以外には住む人もいない寂れた砦に暮らしていました。

ところが、見るからに冷酷なこのカプリコーンは、もともと問題の本の中の登場人物。
9年前のある日。モーがその本を読んだときに、あまりにも臨場感たっぷりに読んだためか、登場人物を呼び出してしまい、その代わりに、メギーの母が本の中に入ってしまったらしいのです。
モーのことを魔法舌と呼び、魔法使いと信じる一味。
カプリコーンの要求は、もっと役に立つ存在を呼び出すこと…
モーの代わりに少し力のあるダリウスという男を見つけていたのですが、大した物は呼び出せずにいたのでした。
カプリコーンの狙いは、人ならぬ恐ろしい物を呼び出すこと。
決して、やりたくはない。
しかも、モーには自由自在に出来るわけではないのです。
カプリコーンはメギーを人質に、脅しにかかります。

二転三転する冒険の中で、試される勇気と機知。
子どもなりに、父親を助けようと必死のメギー。
一度は逃げ出しますが…
何とか打開する方法を見つけようと、本の作者フェノグリオを訪ねるモー。
フェノグリオは孫が3人いるおじいさん。
一味は作者のことなど大昔の人としか思わず、まさか近くに住んでいるとは考えていなかったというのも面白い。

いい加減そうなホコリ指が信頼していた砦の下女レサ。
舞い戻ったホコリ指の頼みで動いたのを、カプリコーンに見つかってしまいます。
5年前に本の中から出てきたという女性の正体は…?!

ホコリ指がいつも連れて歩いている角の生えた毛むくじゃらのグィン。いたちと言われていますが~挿絵だとちょっと違う感じ。もともと本の中の生き物なのですが、猫のようにつかず離れず、時々甘えるのが可愛い。
「千夜一夜物語」の中から呼び出され、ホコリ指に懐く少年ファリッドも泣かせます。

作者の愛する有名な本がいろいろ登場して話題になり、印象的な引用が各章ごとに。
懐かしい本もつぎつぎに。どれもすぐ読んでみたくなります。
はらはらの展開で、リーダビリティがあり、親子の愛情は心にしみいるよう。
面白かったです!

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