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「ジェノサイド」

高野和明「ジェノサイド」角川グループパブリッシング

感心しました。
スリリングで面白い!
推理小説ではないですが、広義のミステリ。

外国を視野に入れたどころではなく、人類の成り立ちと未来まで視野に入れた壮大なスケール。
ジェノサイドといえば大量殺戮。
世界各地で内戦が行われているが、すべてが報道されてはいないという。
しんどくなりそうな所も手際よく描いていて、こんな人どこにいたのと思うぐらい。
うまく人間的な興味で引っ張り、身近な設定も取り入れています。

アメリカ大統領のバーンズは、今日の予定の中の、ある情報に驚きます。
アフリカに新種の生物が出現!
人類絶滅の可能性…
対応してプロジェクトが動き出していくのです。

古賀研人は、日本の大学院生。
父の誠治を急な病気で亡くしたばかりでした。
不審な人物に接近されます。
ウィルス学者で大学教授だった父はひがみっぽい性格の男で、研人は尊敬出来ないでいましたが、薬学部に入り、創薬化学を選んだのは父の影響もあります。
あの父が、何に関わっていたというのか…
父が遺した手がかりを追って、古いアパートの一室にたどり着きます。
そこには、本格的な装置や実験用の動物までが隠されていました。
「いつか、一人のアメリカ人が訪ねてくる」という遺言の意味は?

友人のつてをたどり、天才的な韓国人留学生・李正勲(イジョンフン)を紹介され、先輩にも協力を依頼します。
なかなか開かなかったパソコンの中には、GIFTというプログラムが入っていました。
置かれていた携帯からは、コンピュータ音声で、ある指示が…
本当に味方なのか?その指示の目的は?

一方、バグダッドで要人警護に当たっていた傭兵ホーク・イエーガー。
正義があるとは思えない戦争にうんざりしつつも、3ヶ月の任務を終えて、リスボンに行く予定でした。
息子が難病で、あとどれぐらい持つかわからないという状況。
妻はその治療のために、幼い息子とリスボンにいるのです。
治療費がもっとかかるため、イエーガーは息子に会いに行くのを諦め、続いてさらに危険な仕事を引き受けることに。

アメリカでは、大統領に進言する面々が。
アフリカの奥地で起きた出来事にどう対処するか、無情な決定が下されます。
日本での動きも気づかれていますが、コガ・ケントの無防備な素人っぽさに首を捻っている専門家がいたり。

李正勲の協力を得て、研人はGIFTを使い、難病の治療薬つくりに挑戦します。
大学病院で見た女の子は、難病で余命一ヶ月ほどしか見込めない。
それはイエーガーの息子も同じだった…

イエーガーら特殊部隊に任命された4人の男が、訓練期間を経て出します。
報酬は高額で、危険で汚い任務なのは当然予想される所…
しかし4人のメンバーの選び方にはやや謎が。
治療出来ない伝染病が出たピグミーの集落を殲滅せよとの指令でした。
そして、「見たことのない生き物をみたらすぐに殺せ」と。
だが、現地に着いたイエーガーは、不審なものを感じます。
ピグミーの村にはナイジェル・ピアース博士がいて、誰も病気の兆候は示していない。
ピアース博士は、事情をすべて知っている、と呼びかけてくるのです。
そして、見たものは…

ピグミーの抱いている子どもの姿。
博士らを守る決意をしたイエーガー達を追いつめる罠が、四方八方から襲いかかってきます。
うち続く内戦で、戦闘部隊は各所にいるのです。
話がものすごくなっていくと、これでハッピーエンドになり得るかなあとはらはらしますが…

何と、この設定で、これほどハッピー感あふれる終わり方とは。
読後感の良さに、苦労が報われた?心地に。
なるほど、好評なわけです。
2011年3月発行。
「このミステリーがすごい!」1位。文春でも1位。
本屋大賞2位。
直木賞候補にも。

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コメント

おもしろかったですねえ!
この先どうなるのか、まったく展開が読めず、ハラハラドキドキ…… こんなに本を読むのが楽しかったのは久しぶりです。
いろいろな要素が一つにつながっていく過程もなかなかの手練れぶりでした。

marieさん、
これは本当に面白かったですね!
そうそう、先が読めなかったし、はらはらさせられつつ、意外な展開が出てきて‥
ばらばらな要素が繋がっていって‥
こんな作品が読めるとは!嬉しかったです~~☆

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