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「麒麟の翼」

東野圭吾「麒麟の翼」講談社

「新参者」の加賀恭一郎のシリーズ。
映画化されましたね。
テレビ放映もあるようです。

明治44年に架けられた日本橋で、事件が起きます。
(今は無粋な高速道路の下になっていますが)
刺された男が何故か日本橋の中程まで歩いて行って、麒麟像の装飾柱の所にもたれていたのです。
酔っぱらいかと思った巡査は、驚きます。
男性は、青柳武明。

その夜、交通事故で意識不明になった若者がいました。
八島冬樹は26歳。失職中で、いぜん青柳の勤めるカネセキ金属で派遣社員として働いていたという。
その八島が青柳の財布を持っていました。強盗か、遺恨か?
同棲中の恋人・香織は、実は電話を受けています。
「えらいことやっちまった」という…

リストラされた八島は、会社の不正の犠牲になっていた?
青柳は、不正を隠そうとしていた責任者とされてしまいます。
思わぬ報道に、青柳の妻子は苦しむことに。
父親と上手くいっていなかった高校生の悠人は…

青柳がそもそも、なぜ、日本橋を歩いていたのか?
地道な聞き込みを続ける加賀。
半信半疑で同行し、思いがけない結果に舌を巻く松宮。
青柳は、近くにお参りをしていたことがわかってきます。
信心深い方でもなかったのに?

登場人物の様子が、丁寧に描かれて、心地良い。
父を殺された息子と娘。
恋人が事故に遭い、殺人の疑いをかけられてしまった女性。
その背景には…

穏やかだけど、正しいことをキッチリ言う加賀が頼もしい。
苦しいことがあったとしても、それを受け入れていくことが出来そうな感覚を覚えます。

一方では加賀が、うまくいっていなかった父親の一周忌もしないままで、ようやく三回忌はやろうかという、そういう流れもあります。
意外なこだわりと弱み?
父と息子の関係は、難しくなりがちなのか。これも変わっていくのでしょうか…

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