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「吊るされた女」

キャロル・オコンネル「吊るされた女」創元推理文庫

刑事マロリーのシリーズ第6弾。

キャシー・マロリーは、ニューヨーク市警ソーホー署の巡査部長。
金髪に緑の目の誰もが一目見たら忘れない美貌ですが、本人は全く意識していない。
組織には馴染まない天才ハッカーで、市警のコンピュータも担当しているため、独自の行動を半ば黙認されていました。

女性が部屋で吊されているのが発見されます。
元娼婦のスパロー。マロリーの相棒ライカー刑事の情報屋でした。
たまたま駆けつけた元警官の消防士が現場をぐちゃぐちゃにし、新米警官が蘇生しないようにという指示を無視して、植物人間にしてしまう有様。

ライカーが現場で何かを拾い上げて隠したのを見て驚くマロリー。
ライカーは妻には逃げられ服装はだらしないが、正しい事しかしないと信頼されている男なのです。
スパローのことは、マロリーも子どもの頃によく知っていたという因縁がありました。

マロリーは9歳の頃はストリートで生きていた浮浪児で、その悲惨な体験から人間を信じず、ほとんど表情も動かない。
ルイ・マーコヴィッツ警部に引き取られ、その妻ヘレンだけを実母のように愛しました。
ヘレンは若くして死に、マーコヴィッツも近年亡くなってしまったため、大きな歯止めがなくなっています。

ライカーが隠したのは、とある古い雑誌。
マロリーが子どもの頃に、続きを読むのを楽しみにしていたらしい奇想天外な冒険小説シリーズの最終巻でした。
そこには、マーコヴィッツの書き込みが…?

女性が吊された事件は、20年前にもあったことがわかります。
当時の捜査に当たった警官は、引退後もこだわりを抱いていました。
娼婦を蘇生したドジな警官も送り込まれ、仕事が出来ないのを呆れられますが、実は事情があるらしい。
様々の思惑を抱えた警官が入り乱れることに。

マロリーが副業にしている会社の仲間チャーリーは、本物の天才。
怖がられるほどの大男だが、笑うと間の抜けた顔になるお人よし。
マロリーに片思いのチャーリーも、捜査に協力します。
スパローのことをマロリーが恨んでいるのではと心配する周囲ですが…そこはマロリーもそれほど単純ではないのでした。

幼かったマロリーの孤独がしだいに浮き彫りになって、切なくなります。
何かを感じ取ったヘレンに初めて会うシーンは、胸が痛くなりました。
2002年の作品。

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