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「光」

道尾秀介「光」光文社

道尾さんの最近作。
ちょっと丸くなった…?

少年達が過ごした日々の話。
直木賞受賞の「月と蟹」ほどガッチリ構成されてはいませんが、その緩さが心地良い。
後半は波乱の冒険物です。
初期作品ほど暗くない…あの怖さが好きだったら、やや甘く感じるかも?

都会から少し離れた山間の町。
夏休みに入り、女恋湖(めごいこ)で、夏の花火が始まります。
小学4年生の利一、慎司、宏樹、清孝。
大人しい利一は、いつもの仲間達と今日も遊び回り、身近に起きることに興味津々で、小さな謎を追うことに。
慎司の姉で6年生の悦子は真っ黒に日焼けしていて、一緒に遊びます。利一みたいな弟の方が良かったという悦子を、ほのかに異性として意識しているのでした。
お金持ちの家の子・宏樹は、よく無神経な発言をして、呆れられています。

祖母と暮らしている清孝は貧乏ですが、それだけに考え深い強さも持っていました。
清孝の祖母のことはキュウリー夫人とあだ名して、皆が畏れています。
(顔が胡瓜に似ているからで、キュリー夫人に似ているからではない)
強烈な性格で、犬と本気でやり合うキュウリー夫人。
子ども達は、雑木林に住み着いて色々な人から餌を貰っているこの犬ワンダ(もとはワン太)と仲良しになります。
ワンダもなかなか良い味出してます。

開発に反対している良心的な議員が引っ越してきて、その息子・劉生が近所の仲間になりかけます。
弱々しい外見の子だが、頭は良いらしい。
家は桁違いの金持ちなのですが、実は両親が忙しすぎて孤独。
劉生を狙った誘拐事件に、利一たちも巻き込まれてしまい…?

秘密の場所を巡って、教頭先生が教えてくれた伝説。
女恋湖で人魚が殺されたという…子ども達は探検しているときに、それらしい場所を発見します。
怖い存在だった先生が、「子どもの頃は友達がいなかった」と話してくれたのも印象的。

子ども達の見ている世界がさわやか。
どこまでも歩いていけるような気がしていた。
何かに包まれているような気がしていた…
子どもの体温や汗、きらきら輝く目や泥に汚れた服など、くっきり目に浮かぶよう。
時には力なさを感じ、子どもなりに内心苦しむのだが。
これだけ思いっきり行動できたら良いよねえ。

どことなくトム・ソーヤーに似た所があります。
少年が主人公の児童冒険物日本版として、意識してるんじゃないかしら?

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