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「大地の翼」

菅野雪虫「天山の巫女ソニン―大地の翼」講談社

お気に入りのシリーズ、これで完結です。
もったいなくて~読むのを延ばしていました。
この後に番外編も出ています。

巨山(コザン)、沙維(サイ)、江南(カンナム)という三つの国が並び立つ、古代朝鮮半島を思わせる異世界。
沙維に生まれたソニンは、赤子の時に才を見込まれて天山に迎えられましたが、巫女としては落ちこぼれ、12歳の時に実家に帰されます。
末の王子イウォルと出会って侍女となり、宮廷に上がりました。
これまでのあらすじは、「はじめに」に書いてあります。

沙維には7人も王子がいて、末のイウォルは影の薄い存在。
江南の第二王子クワンに心酔して江南に留学、ソニンも同行しました。
クワンは大胆な性格で庶民に人気がありましたが、イウォルを呼んだのはソニンを個人的に利用しようという意図があってのこと。
それでも、イウォルは手紙のやりとりを続けます。

巨山は野心的な王に支配されていて、侵出の機会を狙っています。
江南と組んで沙維を征服しようという意図のもとに、江南と条約を結ぶ運びに。
巨山のイェラ王女は、一人娘で気丈ですが、父王に面と向かっては逆らえない。
ソニンが最初に会ったときには、孤独で傲慢なおてんば娘でした。

江南を訪問したときにも美しくなっていましたが、この作品では沙維を訪問。
さらに華やかになっていて、沙維で人気を集めます。
ところが巨山の王は、翌年、やはり兵を進めてきます…
イェラ王女は帰国間際にそれを予言するような発言をソニンにしていて、その真意は?
ソニンの誠意が出会った人に通じて、それぞれの良さが、きらっと輝きます。

かって陰謀をたくらんだレンヒが書き残した手帳を葬るために、天山へ行くことを願い出るソニン。
もとは巫女だったレンヒが悪用した知識を持ったままでいることが辛くなったのです。
巫女たちは、才能はなくとも素直に育ったソニンに再会し、対照的なレンヒを思い出して、その意味を語り合うのでした。

こんな少年少女達が、三国の争いの要になることは、現実には少ないでしょう。
作品のなかでも立場や出来ることに制約はありますが、国の内外の争いを自分のこととして受け止め、出来ることを精いっぱい模索する。
大きなうねりの中で、人の心が通い合い、苦しみの後にその先へ行く道が見えてくる。
そんな希望を感じられる作品です。

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