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「殿下と騎手」

ピーター・ラヴゼイ「殿下と騎手」ハヤカワ・ミステリ文庫

ヴィクトリア女王の皇太子バーティが探偵役。
ピーター・ラヴゼイの歴史ミステリ。
ヴィクトリア女王の本を読んだので~手持ちの本の再読です。

1886年11月、皇太子はすでに45歳。
ヴィクトリア女王は68歳で即位50周年を前にしていました。
25年前に夫が亡くなった後は喪服姿で閉じこもり気味なのですが、皇太子には政治に参画させない。
バーティことアルバート・エドワード(後のエドワード7世)は遊び上手で明るく、国民には人気がないでもないが~尊敬はされていないかも。
ダービー優勝馬を3度も出しているというのは、たいした遊び上手!

名騎手のフレッド・アーチャーが自殺。
前月のレースで、本命視されながら、穴馬に敗れていました。
腸チフスでの一時的錯乱という評決に疑問を抱いたバーティが、周辺を探ります。
(この自殺事件は実際にあったことだそう)
アーチャーは天才肌で、その性格描写は全く良い所なしで1ページも続くのだけど、自殺するようなタイプではないということ。

莫大な物と思われた財産は、その何分の一しかなかった。
一体、何に使ったのか?
賭け事説、恐喝説も出るが…
お忍びで、アーチャーと親しかったバックファスト大佐を引き連れて街へ出て証拠を探し、容疑者のライバル騎手アビントン・ベアードの愛人マートルの話を聞きに、場末の劇場へも出かける。
マートルは、オウムを使う手品師でした。
ベアードはアマチュア騎手だが柄が悪く、何をするかわからない男。アーチャーに憧れて近づいていたが、共同事業を断られたという。
馬主のキャリー・モントローズ公爵夫人は、68歳だが、アーチャーとの結婚を考えていたらしい。
(この女性も実在して、70歳で別な男性と三度目の結婚)

捜査の渦中で手に入れたオウムを、王妃の誕生日プレゼントにちゃっかり流用するバーティ。
これが「プリンス・オブ・ウェールズ万歳!」と叫ぶため、長いこと練習させたのは愛情の証しと、王妃を感激させることに。
(これも実在したオウム!長生きしたそうです)

気むずかしいヴィクトリア女王の機嫌取りに苦労するバーティ。
信頼されない理由もあったんですけどね。しかし、次弟の方がまだ少しは権限を与えられていたとは。
バーティの長男にはやや問題があり、新聞にも悪評が出ていて、憤慨したり。(この長男は切り裂きジャック事件の犯人説も出た人)
けっこう苦労してるんですね。

最初に読んだときには、王妃のアリックスとの間にはまったく愛情がない印象でした。
大人になってから読むと違いますねえ。ちょっと困った旦那さんだけど、夫婦愛はある様子。王妃の方に恋人がいるというのには驚き。プラトニックなので気にしないと皇太子。

皇太子の性格から来るのか?軽やかな雰囲気で~ユーモラスな冒険物になっていて、史実を程よくちりばめていく着実さで、安定した読み心地。
時代的には、まさしくホームズもの最初の作品発表(1887年)直前。この時代に興味があれば、なお面白いです。

著者は1936年生まれ。
「死の競歩」「マダム・タッソーがお待ちかね」とヴィクトリア朝を舞台にした作品からスタートしたラヴゼイ。
歴史ミステリが多く、ほかに後のダイヤモンド警視シリーズでも知られます。

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コメント

このシリーズ大好き!
続編もたくさん出てて、なかでもどこかの邸宅に招かれたら連続殺人事件が…というのが好きでした。

バーティって憎めない性格で、おもしろいんですが、ちょっと英明な君主という感じではない…と、英国の人は思っていたんですね。あれれ?、英国王のスピーチの主人公は彼の息子なのかな?孫なのかな?

王妃と国王ってうまくいかないものなんでしょうか? アリックスのことは何かの本に絶世の美人と書いてあって、それでも、夫は浮気するのものなのね~と。

marieさん、
このシリーズお好きでしたか~!
続編も前に読んだんだけど‥また読み直したいです☆
連続というと~「殿下と七つの死体」かな?

バーティは評判の遊び人。
ヴィクトリア女王があまり真面目でお堅いので、バーティはそれなりに好かれてはいたみたいな印象があります。後にエドワード朝は気楽な~古きよき時代とされているし。
すごくいかれているとか、政治的に問題があるというのではなかったし‥

英国王のスピーチの王様は孫ですね。
子も孫もジョージなので、ややこしいけど。
兄エドワード8世がシンプソン夫人と結婚するために退位したから、即位した人だから。

アリックスとはそう悪い仲でもなかったみたいですよ。
浮気はしていたけど‥
バーティは真面目な両親の期待にそぐわず、信じてもらえなかったという状況もあるし。
もっとひどい王と王妃はざらにいるから

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