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「偉大なる、しゅららぼん」

万城目学「偉大なる、しゅららぼん」集英社

琵琶湖が舞台の和風ファンタジー。
高校に入ったばかりの男の子を主人公に、万城目ワールドが展開します。

ある秘密を持った家系の日出涼介は、本当のことを人に話すわけにはいかないために、しょっちゅう小さなほらを吹いている子になります。
兄は一家の能力を生かして、マジシャンになっているという。

湖西で育った涼介は、高校は本家から通うことになりました。
岩走七万石の城下町。日出家が住んでいるのは、今は目立たない作りにはなっていますが、実は正真正銘のお城。
堀を渡し船で渡るという。
最初に出会った白い馬に乗った女性は長女の清子で、敷地を出ないで暮らしているらしい。

その弟が淡十郎で、同学年の従兄弟。太めだが傲慢な態度で、とりつくしまもない。
当主のことは淡九郎おじさんと呼びますが、正確には遠い親戚。
涼介には淡十郎と同じ、真っ赤な制服が用意されます。
学校へ行ってみてわかったのは、赤い服など着ているのは彼らだけだったということ。赤が好きだからという理由で、それを通している。この町でも高校でも、日出家はそんなことが出来る存在だったのです。

「パタ子さん」と従姉弟らに呼ばれているのは、長身でぱたぱた走り回って何かと家事をやっている女性。親戚で、実は次代の師範なのでした。
パタ子さんの指導のもと、不念堂で涼介の訓練が始まるが、なかなか上手くいきません。

同じクラスに棗広海という男子がいて、初日に涼介に殴りかかってきました。
涼介はそのとき、異様で不快な音を聞く。
長身でカッコイイ棗広海は、校長の娘にも好意を持たれている様子で、モテぶりが気にくわないと思う涼介。
棗の言うことが涼介には意味不明でしたが、日出家と棗家とは違う超能力を持ち、代々対立していたとわかります。
相殺してしまうため、不毛な争いになりがちだったのですが…

校長の速瀬は、岩走城のもともとの城主と同じ由緒ある名字。実は子孫だったのです。
ある日突然、校長が日出家に乗り込んできて、当主を昏倒させ、この城を明け渡して一族全員が県外に出て行くように言い渡します。
なぜか、校長はどちらの家系の能力も持ち合わせている様子。
パタ子さんは親族一同と相談し、引っ越しの準備も進めます。
これまで対立していた一派と協力すれば、あるいは…?
タイプの違う3人の男の子、それを上回る力を持つ姉。
姉の指導を受けつつ、琵琶湖の主に語りかければ…

面白かったです。
最初は性格悪いとしか思えない淡十郎も色々な面があって、なんか可愛くなってくるし。
行ってみたいような気になってきましたが、岩走は架空の町だそう。

万城目さんの作り上げるほら話空間は、好きですね~。
とぼけたテンポと、奇想天外さと。
登場人物はそんなに出来が良いわけではないんだけど、危機となれば力を合わせて、それなりに頑張る。
歴史を感じさせて、どことなく描写に品があるというか。
2010年から連載。2011年4月発行。

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