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「快適生活研究」

金井美恵子「快適生活研究」朝日文庫

手紙や饒舌なお喋りなどで、いきいきと語られる~おかしな人間達。
そんとく問答、よゆう通信、『古都』、隣の娘、地下室のメロディー、快適生活研究という章立て。

母親に頼まれて、純江という女性の様子を見に行かなくてはならないと姉に愚痴る娘。
純江さんとは、母親の桃代が16歳で肋膜炎になったときに、家に手伝いに来たネエヤ。夜学に通うお手伝いさんだったのです。
後に資産家の後妻に入り、目白に夫婦で住んでいましたが未亡人に。

祖母が夫を亡くした後に、生涯の友である二つ年下の純江さんと一緒に住みたいと言いだして、実際にしばらく目白に住みましたが、祖母が入院してしまい、退院後はマンションに引き取ることになったのです。
ゴチャゴチャした話に思われるかも知れないけど、こんなんは序の口。
実人生にあり得そうな~こまごまとした描写の味わいが、何とも面白いの。

「よゆう通信」なるものを知り合い何人かに送りつける建築家のE氏。
自己満足しているタイプで、まわりには割を食う人間がいるのですが。

超オールドミスなどと他の人には表現される手紙魔のアキコさん。
Gという男性と結婚した真理子という女性に手紙を書き続けます。
学校の時の友達で、若い頃にも文通していたという関係はいかにもありそう。
H・Aという女性が暮らしていたマンションを、真理子の紹介で買ったのでした。
荷物がトランクルームに残っているのをどうするかという相談のための手紙で、ついでに延々と日常生活が語られます。

H・Aさんにやっと連絡が付いたかと思ったら切れられたといういきさつ。離婚のためにマンションを手放したので、夫の愛人かの電話かと勘違いしたためでした。
アキコさんはお嬢様育ちで独身でしたが、ここへ来て一変!Kという男性と結婚したのです。
このアキコの手紙が長々と自分のことを喋り続け、あまり悪気はなさそうだが時にはちょっと意地悪。だんだん友達が減りそうだけど、妙に面白くて。
ぎゃあ、もうやめてーってぐらい、笑っちゃうのです。
そして、この登場人物達が、お寿司屋で遭遇したりと交錯します。

後書きも傑作。
「小春日和」「彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄」「文章教室」「道化師の恋」と輪舞のように登場人物がかぶっているそう。
2006年単行本発行。

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