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「ビブリア古書堂の事件手帖」

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」メディアワークス文庫

ベストセラーとなったビブリア古書堂一作目。
古書堂の女主人が、本にまつわる謎を解いていきます。
これが面白い!

五浦大輔は、就職活動中の23歳。
北鎌倉で、高校の頃に、よく通った道にある古書店で、印象的な若い女性を見かけたことがありました。

ある本を持って、そのビブリア古書堂を訪ねたところ、店番をしていた女の子に、入院先に持って行ってくれればと教えられます。
怪我をして入院している新しい店長こそ、あの女性でした。父親が亡くなり、跡を継いでいたのです。
ほっそりして色が白くきゃしゃで、細い声で話す内気な篠川栞子さん。接客が出来るのかと心配になるほど。
ところが古書の知識は半端ない。本の話になると急にいきいきとして、人が変わったようになるのでした。

古書堂でバイトを始めた大輔。
様々な謎に出くわして、栞子さんが謎を解くのを目の当たりにすることになります。
出てくる本は、かなり渋くてマニアック。
第一話は、夏目漱石「漱石全集・新書版」岩波書店

第二話は、小山清「落ち穂拾ひ・聖アンデルセン」新潮文庫
せどり屋の志田と初めて会う大輔。
(せどり屋というのは、売れそうな古本を見つけて売る職業のことで、本の背表紙を見て買うことから)
志田が道でぶつかった女の子に、なぜか本を一冊だけ盗まれたという。
売るつもりではなく持っていたその本を探して欲しいと頼まれ、女の子が盗った理由を推理する栞子さん。

第三話は、ヴィノグラードフ・クジミン「論理学入門」青木文庫
本を売りに来た男性の後から、その妻が取り返しに来る。
男性の事情を推理すると…夫婦の愛が微笑ましい。

第四話は、太宰治「晩年」砂子屋書房
サイン入りの貴重な本は、古書堂の大事な宝でしたが、一度だけ公開したことが。
この本をめぐって、スリリングな展開に。

大輔が持ち込んだ祖母の本にも、思いがけなく絡み合った秘密がありました。
じつは、大輔は本を読むことが出来ないという事情があったのですが。
本が嫌いなわけではなく、おそらく子どもの頃のトラウマのせいで、長い間読むと気分が悪くなってくるのです。
人に相談しても、本気に受け取って貰えない。大輔は長身でたくましく、いかにも体育会系に見えて、本好きには見えないせいもありました。
柔道もやっていたため、警官か自衛官になったらと勧められたりしますが、「戦うことが好きではないと感じていた」っていうのが、いいですね。

背表紙を見るのは好きで、本を運ぶのも苦にならないため、図書委員も何度もやったという。
なかなか読めない分だけ、本の話をして貰うのは好きで、いくら聞いても飽きません。
本の話に熱中しすぎる栞子さんと、名コンビが誕生します。

2011年3月発行。
ちなみに、北鎌倉駅の近くに古書店はないそうです。
高校の頃に、こんな古書店があったら常連になっていただろうというイメージで書いたとのこと。

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コメント

これ、ライトノベル系なんでしょうが、なかなか侮れませんね。謎解きもおもしろいし、古書のうんちくも楽しいし……
昔はアマゾンなんてなかったから、欲しい本は古書店めぐりをするほかなくて、そうしてめぐりあった時のうれしさったらなかったですね。本にも運命ってあるんでしょうね。いろいろ考えさせられます。

marieさん、
ほんと、ほんと☆
侮れませんね~!
本の選択も渋いし、着眼点がなかなか。
古本屋…
近所にあった頃にはよく見て回ったけど、もう、全部なくなってしまいました。
ネットが便利だからかなあ?

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