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「甦る男」

イアン・ランキン「甦る男―リーバス警部シリーズ」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

スコットランドの警察物。
シリーズ13作目。
初期の物をずっと前に読んで以来、久しぶり。
MWA賞受賞作だということで。

ジョン・リーバス警部はいつもマイペースで、規則ギリギリの仕事ぶり。
今回は捜査会議中に女性上司ジル・テンプラーにカップを投げつけるという規則を越える事をやらかし、警察学校の再教育コースに送り込まれました。
そこには、上司に反抗的だったり、チームの仕事で問題を起こした警官が各地から数人集められていたのです。
平均して勤続20年は越える~古強者ばかり。
中でもグラスゴーのフランシス・グレイ警部は、大柄でいつも座の中心になるような人物。

授業の一環で、協力して再捜査をするというコースがあり、取り上げられた古い事件にリーバスは驚きます。
暗黒街の殺し屋リコが殺され、証人が失踪した事件。リーバスが浅からぬ関わりを持った事件、忘れたい悪夢だったのです。
リーバスがここに送り込まれた真の理由とは…?

上司にも再捜査のチームにも疑心暗鬼となりながら、孤独な葛藤を続けるリーバス。
交際中の女性には、最悪のタイミングで鉢合わせ。
何かと頼りになるのは、部下の女性シボーンでした。

セント・リバーズ署では、リーバスの相棒のシボーン・クラークが部長刑事に昇進。
リーバスの留守中は、年下の新人ハインズと組まされています。
さらに、リーバスの代わりにと送り込まれてきたのが、デレク・リンフォード。
短い期間シボーンが付き合ったことがあるのですが、いささか勘違い男。
いまだに気がある様子で、何かと緊張が漂うことに。

美術商マーバーが自宅前で殺された事件が起きていました。
関連して、エジンバラの陰のボス、ビッグ・ジェルことカファティが、浮かび上がってきます。
リーバスにとっては宿敵なのですが、リーバスがカファティに取り込まれているのではないかという黒い噂を立てられている人物でもありました。
シボーンが聞き込みを続けるうちに、保護したいと見張っていた女性ローラが目の前で前夫に刺されてしまう。
そのとき聞いた、ドアが閉まる音を一生忘れられないだろうと思うシボーン。
かなりしっかりしてきた様子で、頑張ってますね。
リーバスに似てきたと言われて、複雑な心境?

平行して起きる事件や多彩な登場人物が重層的に書き込まれ、剛腕ぶりが発揮されています。
ちょっとした滑稽さや情けなさも交えながら。
読み応えがありました。

著者は1960年、スコットランドのファイフ生まれ。
86年に作家デビュー、リーバス警部シリーズで人気を集め、97年に「黒と青」でCWA賞ゴールド・ダガー受賞。
この作品は2001年発表。

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