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「エミリ・ディキンスン家のネズミ」

エリザベス・スパイアーズ「エミリ・ディキンスン家のネズミ」みすず書房

絵本ですが、詩人が題材になっていて、詩人が文を書いています。

19世紀アメリカの詩人エミリ・ディキンスン。
その家に引っ越してきた白ネズミのエマラインとのお話です。
エミリの部屋の壁の奥に、ちょうど同じような小さな小さな部屋があったのでした。
エミリの部屋は、明るくて、風通しがいい。
家具は、シングルベッドと、整理ダンスと、書き物机と、椅子が、一つずつ。
エマラインの部屋も、家具は同じです。
ある日、落ちてきた紙切れに書かれた詩を、エマラインが拾って読んで…
質素な生活の中の、ひそやかな魂のふれあい。

エミリ・ディキンスンは、独身で親の家に妹とひっそりと暮らし、人と会うことも少なかったそうです。
(隣には、兄が結婚して住んでいました)
詩はたくさん書いていましたが、生前は少し投稿してはいたものの、ほとんど知られることもなかったのでした。
エマラインの目を通して描かれる詩人エミリの、内気だけれど端正で優しく、情熱を秘めた生き方に胸を打たれます。

何しろネズミなので~家事を取り仕切っているエミリの妹には敵視され、猫をけしかけられたり、駆除の話が出たりするのですが。
エマラインに気づいていたエミリが、撃退してくれます。

これ以外無いと思われる優しくあっさりしたペンタッチで、さりげなく。
字が読める小さな白ネズミは、詩を書くようになり…
交流が始まるのでした。
「私は誰でもない!――あなたは誰?」と書くエミリ。
とても素敵です。

エミリの詩12編は、長田弘の新訳。
エマラインの詩7編も、デビュー?
絵を描いたクレア・A・ニヴォラは、自宅にエマラインそっくりの賢い白ネズミが住んでいたことがあるそうです。
1999年の作品。

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