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「呪われた首環の物語」

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「呪われた首環の物語」徳間書店

ケルトの雰囲気たっぷり。
みごとな細工を施された黄金の首環をめぐって。
古代ケルトの伝承のような物語かと思っていると、意外に現代的な要素が入ってきます。
子供扱いされていた少年達が異なる人種と出会い、勇気と誠意を持って、行動していく物語。

緑の丘に囲まれた霧にかすむ湿原。
「人間」と「巨人」、そして水の中に棲み不思議な変身能力のある「ドリグ」が住んでいました。
人間の幼い兄妹オーバンとアダーラ。
二人だけで湿原を渡っているとき、ドリグに出くわして、なりゆきでオーバンはドリグの首環を奪ってしまう。
見たこともない凝った細工のされた緑金の首環。
ドリグは首輪に死に際の呪いをかけ、その呪いが長い間、湿原で生き続けることになるのでした。

長じてアダーラは、賢女と呼ばれる美しく賢い娘に育ちます。
なんとか呪いを解こうと勉学に励んだせいもありました。
兄妹の住むオト塚は、呪いのために不運に見舞われ、オーバンは不機嫌な大人となってしまったのですが。
ガー塚で英雄と呼ばれる若者ゲストは、アダーラに恋をして、三つの難行に挑んで成功し、さらうようにして結婚します。
そして、3人の子供達に恵まれました。

長女のエイナは先見の能があり、正しい質問をされれば予言することが出来ます。
しかも弟のセリには遠見の能があり、質問されれば物がどこにあるかを教えられる。
長男のゲイアにはそういう才能がなく、自分には何の取り柄もないと思いこんでしまいます。
出来ることは一生懸命やったので、いつしかそれが認められているのに、そのことにも気づかないままでいました。
あまり似ていない父親と理解し合えないでいる少年の気持ちが、丁寧に描かれていて、共感できます。

オト塚がドリグに襲われ、オーバンら一族がガー塚に転がり込んできて、住み込むことになります。
一体、何が起こったのか?
巨人の住む家を時々覗きに行っていたゲイアは、二人の子供と知り合います。
湿原はまもなく水に沈む、という話に驚愕することに。
その近くの川にはドリグの子供も来ていて、しだいに助け合うようになります。
種族の違いを乗り越えて、湿原を覆う呪いを解けるのか?

著者は、1934年イギリス生まれ。
オックスフォード大学では、トールキンに師事。
結婚後、3人の子育てをしながら小説を書き始める。
40冊以上の作品があり、英国ファンタジーの女王とよばれる。
この作品は、1976年発表の初期作品。
そのせいかストレートな内容で、わかりやすい方だと思います。
書き込みは堅実で、さすが力量を感じさせます。
惜しくも亡くなられました。

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