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「仮想の騎士」

斉藤直子「仮装の騎士」新潮社

第12回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
18世紀フランスに実在した~女装もした騎士デオン・ド・ボーモンを描いた作品。
とにかく美貌~といっても本人には、たまたまのこと?
子供の頃は、少女としか思われない。
男の服を着ていても、乗馬のためかと思われるほど。

ルイ14世亡き後、幼いルイ15世にかわって実権を握ったのは、ドルレアン公。
ドルレアン公が起用したジョン・ロウの政策で、経済は破綻してしまいます。
ルイ15世は大柄で役者のような美男、最愛王と呼ばれていました。
美男だったことしか歴史に残っていないという王…

デオンは、国王の従兄コンティ親王に仕え、いわばスパイのような仕事をすることになります。
騎士(シュバリエ)とは、貴族ではあるけれど一番身分が低いんですね。
身分違いの幼なじみ、ロゼクロワ侯爵の娘クリスティーヌに、恋文を送ることが生き甲斐でした。

デオンは、国交のないロシアに、密使として乗り込むために女装するのでしたが。
スコットランドからフランスに亡命した外交官ダグラス・マッケンジー師は毛皮商人に化け、ボディガードのデオンは、その姪のリア・ド・ボーモンとして同行します。
ところが刺客に襲われ、ダグラスは脅えて国境まで逃げ帰ってしまう。

デオンは単身、都に乗り込むことに。
女帝エリザヴェーダのフランス語の読書講師となることに成功しますが、女帝はいっこうに講義を受けようとはしない。
ピョートル大帝の娘でロシア第一の美貌を誇る女帝は、美人が嫌いだったのです。
実は男性だと明かし、若い美男なら好きな女帝の機嫌を取ることに成功するのでした。

カザノヴァやルイ15世、ポンパドゥール夫人、ロシアのエリザベーダ女帝、同じ時代の大物をどんどん登場させ、歴史のおさらいにも?
ヴェネツィア出身の大男ジャック・カザノヴァが大阪弁を喋るのも妙に板についていて、おかしい。

後半は、ファンタジー色が強くなります。
またたくまに宮廷で人気を博すようになったサン・ジェルマン伯爵は、謎の人物。
彼に病気を治して貰うと~不死になってしまう!という噂が立つ。
実はデオンの家庭教師だったこともあり、まったく老けていない様子に驚くデオン。
サン・ジェルマン伯爵は、錬金術師だった…
サン・ジェルマン伯爵がいるところへ、王や寵姫、カザノヴァまで、一堂に集めたあたりは圧巻!

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