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2012年7月

「星やどりの声」

朝井リョウ「星やどりの声」角川書店

朝井リョウの家族小説。

「星やどり」という喫茶店の名は、父が名付けたもの。
父の星則は建築家で、リフォームも多く手がけていました。
天井に星形の天窓を開けてあり、雨宿りのように星を受け止めるという。
父亡き後、母が一人で頑張って続けています。
手作りのビーフシチューやデザートの評判が良いのです。
常連さんはいるけれど、連ヶ浜駅前の商店街からは少し離れた所にあるため、ひっそりした店でした。

母は早く起きてお弁当を三つ作り、仕込みのために店に行きます。
早坂家の長女の琴美は、宝石店に勤める26歳のしっかり者。
警官の孝史と結婚していますが、休みの日には弟妹の朝ご飯を作りに来ます。6人きょうだいで大騒ぎの朝食。

長男の光彦は就活中ですが、7月になってもいっこうに決まらない。
二男・凌馬の同級生のあおいの家庭教師もしています。
いささか頼りない光彦は、15歳のあおいに慰められる始末。あおいの部屋は父がリフォームした物で、光彦にとっては父のすごさを感じる場所でした。
あおいは出来が良くて、家庭教師の必要なんかないのではと思うほどでしたが、実は…

小春とるりは、高校3年生の双子。
顔はそっくりだけど、性格は正反対。
小春は髪を染めてスカートを短くし、サンダルで学校に行っています。
店の手伝いに良く行くのは、るり。
父の墓参りに帰り道、母が男性と会っているのを見かけた小春は、ショックを受けて怒りますが…?

二男の凌馬は、母に怒る小春の声を聞きつけて悩みます。
元気いっぱいの高校1年で、テニス部だけど、さぼりがち。
同級生のあおいが時々お腹を空かせている様子を心配して、お弁当を作ってやろうとしたり。

末っ子の真歩は、小学生の男の子。いつもカメラをぶらさげて歩いています。
卒業文集の委員に推薦されてしまいます。卒業アルバムの撮影でも笑顔を見せなかったのですが、転校生にくっついてこられて写真を撮って歩くことになりました。
写真屋の大和に、こつを教えて貰ううちに、笑顔に。

弟妹の色々なことを見抜いているかのような琴美。
さりげない助言や苦言に、エスパーかと驚く弟妹。
琴美は疲れた様子の母を心配し、じつは自分のことでも悩んでいました。
家の事情に気づいた弟妹は…?

にぎやかな暮らしの中に、それぞれの悩み、亡き父を思う気持ち、揺れ動く寂しさや不安。
緩やかな成長と、家族の暖かい雰囲気が伝わります。

「トゥルーブラッド2」

シャーレイン・ハリス「トゥルーブラッド2 歪んだ儀式」ソフトバンククリエイティブ

ヴァンパイア物2作目。

アメリカ南部ボン・タンの街で、バーのウエイトレスをしているスーキーは25歳。
ある日、店の外で、同僚が殺されているのを発見してしまう。
それも、前夜酔いつぶれた刑事アンディの車の中で。

スーキーは金髪で日に焼けて胸があってスタイルが良く、当然のように頭は弱いとみなされていました。
実はテレパスで人の考えが読めるのですが、それで得をしたことはなかったのです。
ヴァンパイアのビルと出会い、彼の考えは読めないことに気づいて、安らぎを感じました。
濃い茶色の髪で蒼白だががっしりして、南北戦争の前に生まれたビル。
それは能力だとビルに励まされ、以前よりもコントロールが出来るようになります。

ヴァンパイアが人工血液を飲んで人間を襲わなくてもいいようになったため、存在を認められているという設定。
しかし、偏見は根強い。
ヴァンパイアからスーキーを守るため、ボスのエリックと取り引きをしたビルは、ヴァンパイアの組織の役員となり、必要なときにはスーキーの能力を活用して協力するという契約をしていました。

ヴァンパイア撲滅をめざす狂信的な財団が、ヴァンパイアを捉えたらしい。
心を読んで行方を捜すため、ビルと二人でダラスに飛ぶことに。
ダラスのヴァンパイアのボスの弟が行方不明になり、<太陽教団>に拉致されていたのです。
教団に乗り込んだスーキーは、自ら教団に加わっているヴァンパイアに出会います。人を殺してきた自分に絶望しているゴドフリーは儀式で死のうとしていた…
潜入したスーキーの正体がばれて…?!

二つの事件の謎を追って、活躍。
ビルと共に、時には独立して、時にはケンカしながら。
ヴァンパイア以外の変身者として、獰猛な女性メナードのカリストーも登場。
この世界には、様々な存在が、実はいるらしい。
ロマンスもかなり濃淡取り混ぜてあり、スリル満点。暴力を受けるシーンも多いが、スーキーは果敢でたくましい。
「エクレアのように見えるのに中身は闘犬」と称されるのもわかる!?

著者は1951年ミシシッピ州生まれ。1980年代から作家活動。
この作品は2009年からテレビドラマ化されて、大ヒット。

「ワーキング・ホリデー」

坂木司「ワーキング・ホリデー」文春文庫

沖田大和がヤマトという源氏名でホストをやっている仕事の現場に、小学生の男の子が現れます。
「初めまして、お父さん」と。
死んだと聞かされていた父親が生きていたと知り、夏休みに訪ねてきたのです。
ヤマトには、子供がいることも寝耳に水でしたが、確かに身に覚えはあるのです。
ヤンキーだった頃の恋人・由希子。

妙にしっかりしている男の子・進に家事を指示されながら、共同生活が始まります。
進は口うるさく細かすぎて、小学校でのあだ名はなんと「お母さん」だという。
ヤマトは客をひっぱたいて、ホストは首になってしまいます。恋人のつもりで男の食い物になっている女性客を見かねたのでした。

ちょうどオーナーのジャスミンさんが始めた宅配便の仕事に就くことに。
「ハニービー・エクスプレス」通称「ハチさん便」。
運転の腕が生きると張り切るが、担当は何とリヤカー。
児童館に通う息子に目撃されないように気をつけながら、街を移動する羽目に。
届け先では、何かとホスト時代の癖も出てしまう。

大和の新しい暮らしに、ホスト仲間で王子様タイプの雪夜や、その客のナナなども出入りします。
宅急便を配達した客の、ちょっとした謎も解いたりしつつ。
何度もちょっとした物を配達することを頼んでは、クレームを付ける客。
何か目的が?

配達の途中、道ばたでケンカしているカップルの会話を聞いて。
忙しいからとメールの返事すらしなかった彼に怒っている彼女はついに「私と仕事とどっちが大事なの」と言ってしまう。
「本当はそういうとき「ごめんね」と抱きしめて欲しかっただけなのに」と言っていた女性のことを思い出すヤマト。

料理上手な進は、お昼ご飯を差し入れに来たり。
進が児童館で出会った子供らの危ないゲームに巻き込まれそうになり、ヤマトは初めて強く叱ります。
片側三車線の幹線道路で、走ってくる自動車の前を横切って渡るという遊びだったから。

リヤカーで働くヤマトを子供らはダサイと思いますが、そこはホスト出身、女の子にもてる技を伝授してやろうと持ちかけたり。
母親が様子を全く見に来ないのが不思議だったけど、今は携帯もあるしね。毎日連絡していたと後になって書いてありました。そりゃそーか。
元ヤンの語り口で乗りが軽いせいか、いつもの坂木さんとちょっとだけ雰囲気が違うけど。
ほぼ予想できる心地よさを味わえます。
2007年6月単行本発行。

猫の病気の経過

120711_230337うちの猫・みゅんは、おかげさまで元気になりました!
ご心配かけました~。
回復を祈って下さって、ありがとうございます。

6月末からちょっと調子が良くなくて、いつになく下痢をすることが間を置いて3回ありました。
次の日には治ったんですけどね。
7月に入ってから家のあちこちでしゃがみ、トイレしにくい様子だったのです。
8日にまったく尿が出ないようだったので、これはいよいよ結石かと9日に動物病院へ連れて行き、FLUTD(猫下部尿路疾患)で入院。
膀胱の入り口に何か詰まっていると。
鎮静剤をうって、膀胱に注射して中にたまっている物を吸い出し、それから全身麻酔でカテーテルを尿道に入れて尿が出るようにしながら、詰まっている物が出てくるか見るという治療。
検査も色々しました。
意外に腎臓の状態は良くて、慢性的な物ではなく、特発性だそうです。
詰まっていたのは結石が少しだけ、あとは腎臓や膀胱の分泌物と血の塊でした。
むしろ若い猫に多い症状だそうです。
分泌物が多いのは太った猫に多いので、ダイエットするようにと。
経過は良好で、一日半で帰宅しました。(8まん、とびました…)

最初の日はグッタリもしていたし、鎮静剤が効いて、お医者さんも撫でられたのですが。翌日は朝から怒っていて、夕方にはもうお医者さんが薬を飲ませられない状態。
検査結果も良かったので、自宅でということになりました。
一週間分の薬(抗生物質と鎮痛剤)と、療法食が一袋と缶詰2つ貰いました。

カテーテルを入れると、膀胱の内壁に当たって、僅かながら出血するそうです。
そのための炎症と、尿道の腫れやゆるみなどから、2日ほどは漏れやすくなると。
確かに~家中にしゃがんで、少しずつだけどあらゆる所に、しまくりました…
それでも出るならオッケー!
ただほんの少ししか食べないし…
その夜は寝ていても時々、うめき声を上げるので、こちらもはらはらして、よく眠れませんでした。

金曜日の午前中に一度奇声を発し、その後何時間も出ない様子。
また詰まった?!と青くなりました。
お医者さんに電話した所、危険な兆候を教えてくれて、これがなければ大丈夫だから様子をみるようにと。
それは、1、尿が全く出ない
2、触ると膀胱がぱんぱんに張っている
3、ペニスが出ていて、赤くなっている
4、触っただけで、熱があるとわかる
5、鼻が乾いている
6、すごくグッタリしている等。
やや鼻が乾いているだけで、他の兆候はなかったので、様子を見ていたら、夜に開通して、その後はまあ…奇声を発することはなくなり、大丈夫でした。

食事のとり方が極端に少なくて、療法食をほとんど拒否。
一日おきに一食の三分の一ぐらい、間の日は飲まず食わずという状態。
一週間で1日分ぐらいしか食べませんでした。
このまま死んじゃうのではと心配に。
食べないために具合が悪いのではと思えるぐらいになったので、お医者さんに聞いてみたところ、少しずつ色々な物を出してみるようにと。
以後は、好きなフード(11歳以上用なのでFLUTDにも対応はしています)を主にあげています。
療法食も出すけど、ほとんど食べませんね。
少しずつ元気が戻ったかと思ったら、便秘がちになり、食欲が出たと思ったら、とたんにその後は下痢。わ~やっぱりダメ?!とがっくり。

120711_230418でも様子を見ながら少しずつあげていたら、その後は下痢もなく、だんだん普通になってきました。
食後1~2時間が結石が出来やすいのだそうで、だから食事は朝晩にして間を開けた方が良いと。
知らなかった~うちの猫は、捨てられていた時期があったせいか、お皿が空っぽになると猛抗議する子なんですよ。
のべつ幕無しに食べられる状態でした。あれがよくなかったのね~。
朝晩2食はとても無理だけど、お昼と夜に間を開けるように、工夫しています。
今は、お腹がへこんでスタイルよくなってますよ。
顔つきも元気になりました~。

120714_170501今のうちは、腎臓は悪くないので、この程度の食事でも大丈夫かと思います。
ただ今後、もっと年を取ったときに、食べさせられるか…
あるいは他に何か出来ることがあるのか??
考えていきたいと思います。

「水晶玉は嘘をつく?」

アラン・ブラッドリー「水晶玉は嘘をつく?」創元推理文庫

11歳の女の子フレーヴィアが活躍するミステリ。
シリーズ3作目。

フレーヴィア・ド・ルースは、村から離れた歴史ある館に住む三姉妹の末っ子。
家では、大伯父が遺した化学実験室で、研究に励む早熟な少女です。
自転車のグラディスを駆使して、近辺を走り回る情報通でもあります。

お祭りの日、ジプシーに占って貰っているときに蝋燭を倒してしまい、テントが炎上。
責任を感じて、ジプシーの老婆フェネラの馬車を、館の敷地内に案内します。
ジプシーの馬車の内部は意外にきちんとしていて、心地良く過ごせるようになっていました。
ところが、案内した場所は、何やら因縁がある土地だったらしい。

翌朝、フェネラが頭から血を流して倒れている所を発見、病院に通報。
のちにフェネラの孫の少女ポーセリンがやって来たのを、こんな所にいては危ないと、自分の部屋に連れ帰ります。
化学実験室では、料理も出来るのでした。
孤独がちなフレーヴィアは内心、友達になりたいんですね。その気持ちが切ない。

母を早くなくし、父はそれ以来、趣味の切手蒐集の世界に閉じこもりがち。
家庭教師さえ来なくなった今、家は無法地帯と化しているのです。
17歳の長姉フィーリーは、美容に夢中。13歳の次姉ダフィは、本の虫。
フレーヴィアとは姉たちは何かとやり合っていて、フレーヴィアは時にはショックを受けることも。
フレーヴィアの視点からすると、横暴な姉たちですが…
フレーヴィアがあっさり2行ほどで書いているイタズラや復讐が原因らしいのに苦笑。
はしっこい妹を何とか押さえつけようと、頭を捻ってるのでしょう。

フレーヴィアの聞き込みの過程で、母親が頼んだままになっていた肖像画が登場するのも印象的です。
11歳のまま、殺人事件に3度も遭遇するとはいかがなものかと思わないでもないけど、思春期前の11歳だからの面白さもあるしねえ…
どのへんで、まとめるつもりなのかなあ。

夏着物の帯を替えて

120629_225118momokoのオリオン座のソナタさん。
ペーズリー柄の着物を着て貰っています。

120629_225441帯を、大人っぽいお太鼓に替えました。

帯揚げは、オレンジ系で柔らかく。

120629_225218帯締めは、なかなかピッタリのがなくて~2本取りで。
2色を同時に持って結びました。

涼しげな色でしょう?

120629_230007なかなかこういう布を見つけるの難しいんです。

な~んて、これは、百均の手ぬぐい!なんです~。

120629_230153お太鼓なので~
帯締めをちゃんと後ろに通してみました。
この髪型、帯も引き立ちますね。

さまになってるかしら☆

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

岩崎夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」ダイヤモンド社

今さらですが、図書館で借りて、読んでみました。
ドラッカーを読むのが面倒な人には、便利?
クラブ活動や、似たようなことの改善方法についても、ヒントになると思います。

野球が嫌いな主人公・川島みなみが、入院した友達・夕紀の代わりに、突然マネージャーをすることになりました。
高校2年生の7月も半ば。
野球部を甲子園に連れて行くという~一大決心をします。

都立程久保高校は、進学校で、野球部としては一度ベスト16に入ったことがあるだけの弱小。
監督と部員の意思の疎通も、上手くいっていないのです。
部員は練習をさぼりがちで、さぼっても誰も何も言わない現状に、呆れるみなみ。

マネージャー向けの本を探して、ドラッカーの著作に出会います。
もともとマネジャーとは、野球でもアメリカでは監督を意味するそう。
日本の女子マネージャーは、記録や洗濯などの世話をする雑用係に近い場合も多いとか。
ドラッカーの場合のマネージャーとは、企業の管理者のことなのですが…

マネージャーに必要な資質とは、真摯さである。という一文に衝撃を受けるみなみ。
我々の事業とは何かという定義がだいじといわれても、野球部とは何かも答えられない。
野球をすること、という分かり切った答えではいけないということなので。

1年生の女子マネージャー文乃を問いただそうとしたら、なんと走って逃げてしまう。
優等生だが内気な文乃。その頭の良さを、やがて生かすことに成功していくのです。

まずは練習を観察することから始めたみなみですが、部員が心を開いてくれていないと感じます。
マーケティングをするにも、どうしたらいいのか…?
夕紀と話をしていて、監督が就任したときの事情を知ることに。
部員に信頼されている夕紀のお見舞いに来て貰う形で、聞き取りをすることを思いつきます。
みなみは奥に座り、部員それぞれの思いや希望を聞いていくことに。

キャプテンの星出にも、実は複雑な思いがあったのです。
プロになるほどの力はないと高校では進学校を選びましたが、もし野球の強い私立に行っていたらどうだったろうと自分の力を見極めたくなったのだという。
しかし、キャプテンをするのは、重荷に感じていた…
そういった個々の思いや、向き不向きをいかに生かしていくか。

練習に来て貰うには、どうしたらいいのか?
それには、やりたくなるような練習にすること。
やりたくなるような、とは…
単調な練習や言われるままのことを続けるのは、面倒になってしまう。
グループに分けて、練習試合を取り入れたり、成果を競わせたり。
グループの中での自分の役割や、効果を実感できるように持って行く。

主人公は小学生時代に野球経験があり、その過去故に嫌いになっていただけなので、ある程度知識もあるという設定。
ちょっと成功しすぎな感もあるけど、そうでなきゃ面白くないし。
次々行動に移していく前向きな元気さは、良いですね。

この作品、ジャンルは何だろう…?
小説としてはちょっと、あらすじだけっぽいけど。
そのシンプルさが、わかりやすさを増しているとも言えますね。
この作品の成功の一因でもあるかと。

2009年12月発行。
作者は1968年生まれ。芸大建築科卒。
秋元康に師事、放送作家となる。AKB48のプロデュースにも関わった人なんですね。

「夜明けのパトロール」

ドン・ウィンズロウ「夜明けのパトロール」角川文庫

サーファーが主人公。
ポップな乗りで、最近のウィンズロウにしては軽快な話。

ブーン・ダニエルズは、凄腕のサーファー。
(ブーンは、あだ名が通称になったもの)
カリフォルニア州最南端、サンディエゴのパシフィックビーチに住んでいます。
警官を辞めた後、私立探偵の仕事をしていますが、仕事には身が入らない。
毎朝、サーフィンのために集まる仲間は、5人。「ドーン(夜明けの)・パトロール」と称していました。

水難救助員のデイヴ・ザ・ラブゴッドは、彫刻のようにたくましいハンサムで女性にモテモテ。
ジョニー・バンザイは、血気盛んな日系の警官。
ハイ・タイドは、公共事業課作業監督。サモア生まれで160キロの巨漢なため、満潮という意味のあだ名。
ハング・トゥエルブは、サーフショップの店員でドレッドヘア。
もう一人は、ブーンを上回るほどのサーファーの美女サニー。

サニーが現れたとき、ブーンと当然のように恋仲になったが、今は別れています。
ウエイトレスをしているサニーは、大きな波が来て脚光を浴びるチャンスを待っていました。
折しも、20年ぶりの大きな波が訪れようとしている…

公判で証言する予定だったストリッパーのタミーが行方不明になり、捜索の依頼に若い女性弁護士ペトラが、ブーンを訪れます。
イギリス人で育ちのいいペトラは、サーファー・ショップの2階の雑然とした部屋が事務所なのに呆れますが。
その頃、タミーという名前の女性は、ホテルから飛び降りていた…
人違いで殺されたらしく、ブーンは次第に本気で助けようと奮戦することに。

大きな波が来る前に、事件を解決する事が出来るのか?
タミーが働いていた店や付き合っていた男を捜すうちに、麻薬組織のボス、レッド・エディーが関わっていることがわかってきます。
ブーンとは、旧知の仲でした。
タミーは、猫のような眼をした美女。
なぜか事件現場に子供がいたらしい。その理由とは…?

警官を辞めたいきさつは、哀しい。
過去の無念が、似た事件の渦中に新たな行動を呼び覚ますことに。
弾むような文章で、明るい日ざしの中、個性的な人物がかっこよく登場。
予想外の展開で、面白く読ませます。
今の仲間達の心意気が良いですね。

著者は1953年生まれ。
サンディエゴ在住。それほど上手くはないがサーフィンもするそうです。
ニューヨークを始めとする全米各地やロンドンで私立探偵として働き、保険会社のコンサルタントもした経験があるそう。
1991年「ストリート・キッズ」でデビュー。
これは2008年の作品。2011年7月翻訳発行。
「犬の力」は、2010年度「このミステリーがすごい!」で1位。

7月の花

120623_0136076月前半に生けた花は、薄紫と水色だったんですが~
ちゃんと撮る前に色が悪くなってしまいました。
それで、6月は不動尊の紫陽花ということにしたの。
6月は紫や青というのも、もともと紫陽花のイメージなので。

120623_0139447月はやはり青を使いたい…
撮れなかったお花のイメージも少し残っていて。
左右に細く広がった形で、涼しげに。
夏らしく、より鮮やかなブルーを効かせて。
それだけじゃきついので~
やや薄い色のも合わせています。

120624_002112長く生ける形は難しくて、何度も出直ししました。
それでも持ちが悪いので~
お花が可哀相だから、2日後には短めに。

120624_002224洋花の中では出来るだけ持ちがいいお花にしています。
キンセンカとひまわりの中間みたいな花。
茎からして、ひまわりの仲間だと思います。

120624_002231薄緑がかった白も好きな色。
トルコキキョウも好きです~☆

「冬姫」

葉室麟「冬姫」集英社

直木賞候補に何度か挙がり、先頃受賞もした葉室さん。
こちらは、織田信長の娘の冬姫を描いた作品です。

冬姫は1557年頃の生まれ。
信長の大勢いる子供の一人で、母を早く亡くしたため後ろ盾もなく、あまり有名ではありませんが。
信長に似た気性で、夫・蒲生忠三郎(のちの氏郷)も見所があると信長に見込まれていた?という想定。
章ごとに作者が物語を発想した理由もわかるような書き方で、資料や後の出来事に触れ、歴史好きの心をそそります。

しかし信長のネーミングセンスって。
長男に奇妙丸、側室に鍋の方、娘に五徳…
冬姫は良い方ですね。
正妻の帰蝶は子供もなく、美濃を滅ぼされてから信長との間が冷えている様子でした。
鍋の方は側室ですが、信長が最も愛した亡き吉乃に似た美貌で、勢力がありました。
先夫を亡くして子供を取り返すために信長を頼ってきたのですが、のちに冬姫の夫となった相手は、先夫の仇の孫。
蒲生家に怨みがあるため、冬姫のことも快く思いません。
そして、冬姫の身に起こる怪しい出来事は…?

家康の長男・信康に嫁いだのが、五徳。
信長が最も愛した吉乃の娘で、冬姫から見れば別格な扱いを受けていました。
元亀3年、五徳が三月も寝込んだというので毒でも盛られているのではと疑った信長が、15歳になった冬姫を見舞いに差し向けます。
護衛代わりに、相撲取りをつけて。
築山殿が姑で、蜘蛛合戦を強いるという~五徳が受けていた妙な意地悪が冬姫にも回ってきます。
築山殿の心中も、案外寂しいものだった様子が描かれます。
この7年後に起きた築山殿の事件も、この頃のことが遠因では、と。

信長の正妻・帰蝶も意外な存在感。
冬姫には、出生の秘密が…?

天正十年(1582年)六月、安土城そっくりの細工物が届けられます。
安土城を設計した者の弟子が作った物で、城の正確な構造は軍事機密になるため、うかつな所には置けないと冬姫のもとに来たのです。
安土城にいるかのような幻覚を見て、父・信長の声を聞く冬姫に、異変の知らせが。
秀吉は、悪い秀吉と良い秀吉の二人いるかのような二面性があると感じていた冬姫ですが、秀吉の側につくと宣言します。

北庄の落城の際には、三姉妹を城から連れ出す役割を担う冬姫。
淀君のライバル意識というのも~わかるような不思議なような。
信長の姪であることが誇りなら、信長の娘がいては目障り…?

冬姫の夫は見た目も良く、利休の高弟の一人でもあり、キリシタンになったという。
冬姫は戦国時代には珍しく幸せな妻だったみたいな…だからこれまであまり描かれていなかった?!
秀吉は高山右近を追放したのちに後悔したのか、他のキリシタン大名については厳密な棄教を強いなかったので、助かったとか。
キリシタン故に、細川ガラシャとも関わりが出来ていきます。

忍びでもある侍女のもずと、護衛の大男・又蔵を従えて、危機をかいくぐりながら生きのびていく冬姫。
朝鮮出兵する秀吉に諌言しようとした氏郷は、毒を盛られたらしく病に倒れます。
醍醐の花見が、ラストの盛り上がり。

蒲生家は息子が跡を継ぎ、冬姫は長生きしますが、蒲生家はどうも早死にの家系で、冬姫が生きているうちに1634年大名家としては絶えてしまうのですが。
そうだったのか…
会津の親戚が住む土地に蒲生っていう所があったわ、そういえば。

きつい女性が多い印象だけど、戦国時代ならやむを得ないかも。
姫君それぞれの鮮烈な印象が残りました。

著者は、1951年北九州小倉市生まれ。
地方紙記者などを経て、2005年作家デビュー。
この作品は、2010年から連載、2011年12月単行本発行。
これまでとは少し違った印象で、新境地だったのでしょう。

小紋の単のオリオンさん

120629_000525momokoの「オリオン座のソナタ」さんです。

ペーズリー柄の小紋の単(ひとえ)で、
夏らしく装って貰いましょう。

120629_000644うちでの名前は、琴音さん。

この髪型と雰囲気、
着物は似合いますよね~。

120629_000950帯を、なでしこ柄のにしてみました。

歌舞伎座で買った~和風ハンカチの生地を使っています。


120629_001638大人っぽい着物ですが~
老けないように?
ピンク系の帯で可愛く。

120629_001705黄色の細い帯締めで、
軽やかに~☆
いかがでしょう?
あ、ちょっと帯締めが歪んでる~coldsweats01

「凍てついた墓碑銘」

ナンシー・ピカード「凍てついた墓碑銘」ハヤカワ・ミステリ文庫

ナンシー・ピカードのシリーズ外作品。
力作です。
猛暑なのに季節感真逆ですが~一瞬、寒い気分を味わって?

カンザス州の田舎町スモール・プレインズ。
17年前の雪の夜、若い娘の全裸死体が発見されました。
身元は不明のまま、名前のない墓だけが作られます。

アビー、ミッチ、レックスは、仲の良い幼なじみでした。
この事件で、3人の人生が変わってしまうのです。
アビー・レイノルズは16歳になり、恋人のミッチと一夜を明かそうとしていましたが、思いも寄らぬ展開に。
アビーの父は医師で、家に死体が運び込まれたのです。
レックスとその父、兄のパトリックの3人が牧場の見回りに出て、死体を発見したのでした。
大学を退学になって自宅に戻っていたパトリックは、家にいたことを隠していました。

アビーといたことがばれたミッチもまた、両親によって強引に別な街の高校に転校させられ、アビーとは二度と会えないまま、時が過ぎます。
ミッチの父は堅物の判事。
母ナディーンはきつい女性で、ミッチにアビーはふさわしくないと言い、妊娠してすぐ結婚しようとする娘とは付き合わせてはおけないと言ってのけたのでした。
アビーの母マージーは怒りますが、小さな町での近所付き合いはそう角を立てられない。
人気者のミッチをアビーが町から追い出した?という~妙な噂になってしまう。

あまりのことにアビーは納得がいかないまま、ミッチの飼っていた鸚鵡のJ・Dを盗んで、密かに飼います。
やがて園芸の仕事を始めますが、結婚はしないまま。
昔より少しはマシになったパトリックと、時折付き合うようになっていました。
パトリックに結婚を言い出されたのには驚き、姉にも反対されるのですが。

名前もない墓はいつしか伝説となり、聖処女として願いを叶えてくれるという噂が広がっていました。
アビーは根拠がないと憤り、身元を調べようと思いつくのですが。
今は保安官になっているレックスは、妹のように可愛いアビーを気遣います。
実は、死んだ女性の名前を知っている人物はいた…

ミッチの母ナディーンは、60過ぎて認知症になり、吹雪の夜に家をさまよい出ます。
よその世界で成功した噂も聞こえるミッチですが、両親に追い出されたと感じていました。
5月になって墓参りだけはとメモリアル・デーの祝日に町を訪れ、実家のランチハウスにとりあえず泊まります。
すぐには、父親と養子の弟と顔を合わせづらかったのです。
おりしも、嵐がこの地方を襲ってくる…

過去の出来事が、どう絡み合っていたのか?
痛ましくも不運なすれ違い。
人生が変わってしまった人々が、どう生きたか。
スリリングだがロマンスもあり、読み応えのある内容でした。
アガサ賞とマカヴィティ賞をダブル受賞しただけのことはある作品。

著者はミズーリ州生まれ、カンザス州在住。
1984年「死者は惜しまない」で作家デビュー。ジェニー・ケインのシリーズは10作を数える。2000年からは別シリーズを発表。
「結婚は命がけ」でマカヴィティ賞、「虹の彼方に」「悲しみにさよなら」でアガサ賞連続受賞。「悲しみにさよなら」ではマカヴィティ賞もダブル受賞。
本作は2006年発表、翻訳発行は2009年。初のシリーズ外作品。

太陽さんとミルクティーさん

120520_141532momokoの「海と太陽」さん、着せ替え中です。
そこへ、「ミルクティーパーティー」さんがやって来ました。
「こんにちはぁ」
「初めまして、瑛美です」
「有紗です~よろしくね」

120520_141839「何となく、色調合うかしら?」
「髪の色、近いかもですね」
「季節は真逆だけどね」
「この時季だし~少し、軽くしてみる~?」

120520_121825ワンピだけにしてみました。

ブーツとソックスも脱いで~
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白のウエッジソールパンプスで☆

ぐっとお嬢様風?

「でもこの靴、有紗さんのほうが似合うかも!」
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「え、いいのぉ?」

瑛美ちゃん、また別な靴で。

120520_151032「白と黒、ゴージャス~」
「瑛美ちゃん、ワンピ可愛いわよ~初夏バージョンね」
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瑛美ちゃんの靴は10ホールブーツというようです。
新しい靴、どうでしょう?

「太陽のパスタ、豆のスープ」

宮下奈都「太陽のパスタ、豆のスープ」集英社

結婚2ヶ月前にふられてしまった若い女性がしだいに立ち直り、成長する様子をナチュラルに描いた話。

あすわ(明日羽)は、ベビー服の会社の事務をしています。
結婚の二ヶ月前になって、婚約者の譲さんに「僕たち、合わないみたいだね」とふられてしまう。
いつ頃から別れを考えていたのかと、苦しむことに。

10歳年上の叔母ロッカ(六花)さんは変わり者で、ひょうひょうとしているが、何かと気に掛けてくれます。
ロッカさんの前でわんわん泣いてしまった後、何をやりたいかを全部書き出すドリフターズ・ノートを作るように勧められるのでした。
「食べたいものを好きなだけ、食べる、髪を切る、ひっこし、おみこし」などと最初は書きます。
お祭りが好きらしい。

髪をベリーショートにしたら、会社では誰も触れない。それほど痛々しいのかと思うあすわ。
引っ越しはすぐしようとロッカさんにリードされ、近くの1DKに越します。良く一緒に食事するようになるのでした。
ロッカさんの作った「太陽のパスタ」はトマトが入っていて、アイデアは良いけれど、伸びきったまずい物だったというのが、面白い。
ジュリーのコンサートに行ったロッカさんは「がんばれなくても、ええんちゃう」とジュリーの真似をしてくれる。

「鍋を買う、毎日使う」などとリストは増えていく。
ル・クルーゼの鍋を買うのです。料理の本に載っているものをすべて作ろうとしたのは挫折しますが。
「エステに行く」と書いて、リンパドレナージュ初体験。

会社で一番仲の良い女の子・郁ちゃん(渡邊郁未)とも、微妙な距離感がありました。
週に一度、金曜日には二人だけでランチに行くことにしていたのですが。
楚々として可愛らしい郁ちゃん。
叔母に誘われて出かけた青空市場で、郁ちゃんが豆の店を出しているのに驚きます。とても美味しい豆スープに感心するのでした。
郁ちゃんはどうやって豆を見つけたのだろう。自分にとっての豆はあるのだろうか。

学生時代からの大事な友達・京は美容師で忙しく、気軽には呼び出せない。
本名は京介なのですが、スカートをはいて生きている京です。
とても綺麗で何でも出来るのですが、家族とは上手くいっていない様子。

一人暮らしに慣れ、料理のレパートリーが増えていったり。
家に戻ったときに、有り難みを実感したり。
仕事に新鮮さを感じたり。
あらすじだけでは何ということもなくなってしまいますが、ちょっとしたユーモアをまじえていく具体的なエピソードのつなげ方がうまくて、細部のリアリティがよく出ているのね。
いじいじしたり、駄目さを再認識したり、内心はそう明るくはいられないけれども。
そうそう…生きていく感覚ってこうなんだよね…と納得。
応援したくなります。

初出2008年「青春と読書」
2010年1月単行本発行。
著者は1967年福井県生まれ。2004年デビュー。

はつゆき服の太陽さん

120520_122738momokoの「海と太陽」さんです。
「はつゆきふわり」さんのお洋服を着て貰いました。

120520_123229似合うと思うんですよ…

季節は真逆ですけど~ね!

120520_122802ほら、ナチュラルでしょ。

民俗調でフリルもあるけど~ちょっとボーイッシュでもあって。




120520_122954
薄手の白いワンピは、春夏服としても、いけますよね~。

120520_123414後ろ姿です。

るん♪

「エミリ・ディキンスン家のネズミ」

エリザベス・スパイアーズ「エミリ・ディキンスン家のネズミ」みすず書房

絵本ですが、詩人が題材になっていて、詩人が文を書いています。

19世紀アメリカの詩人エミリ・ディキンスン。
その家に引っ越してきた白ネズミのエマラインとのお話です。
エミリの部屋の壁の奥に、ちょうど同じような小さな小さな部屋があったのでした。
エミリの部屋は、明るくて、風通しがいい。
家具は、シングルベッドと、整理ダンスと、書き物机と、椅子が、一つずつ。
エマラインの部屋も、家具は同じです。
ある日、落ちてきた紙切れに書かれた詩を、エマラインが拾って読んで…
質素な生活の中の、ひそやかな魂のふれあい。

エミリ・ディキンスンは、独身で親の家に妹とひっそりと暮らし、人と会うことも少なかったそうです。
(隣には、兄が結婚して住んでいました)
詩はたくさん書いていましたが、生前は少し投稿してはいたものの、ほとんど知られることもなかったのでした。
エマラインの目を通して描かれる詩人エミリの、内気だけれど端正で優しく、情熱を秘めた生き方に胸を打たれます。

何しろネズミなので~家事を取り仕切っているエミリの妹には敵視され、猫をけしかけられたり、駆除の話が出たりするのですが。
エマラインに気づいていたエミリが、撃退してくれます。

これ以外無いと思われる優しくあっさりしたペンタッチで、さりげなく。
字が読める小さな白ネズミは、詩を書くようになり…
交流が始まるのでした。
「私は誰でもない!――あなたは誰?」と書くエミリ。
とても素敵です。

エミリの詩12編は、長田弘の新訳。
エマラインの詩7編も、デビュー?
絵を描いたクレア・A・ニヴォラは、自宅にエマラインそっくりの賢い白ネズミが住んでいたことがあるそうです。
1999年の作品。

「仮想の騎士」

斉藤直子「仮装の騎士」新潮社

第12回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
18世紀フランスに実在した~女装もした騎士デオン・ド・ボーモンを描いた作品。
とにかく美貌~といっても本人には、たまたまのこと?
子供の頃は、少女としか思われない。
男の服を着ていても、乗馬のためかと思われるほど。

ルイ14世亡き後、幼いルイ15世にかわって実権を握ったのは、ドルレアン公。
ドルレアン公が起用したジョン・ロウの政策で、経済は破綻してしまいます。
ルイ15世は大柄で役者のような美男、最愛王と呼ばれていました。
美男だったことしか歴史に残っていないという王…

デオンは、国王の従兄コンティ親王に仕え、いわばスパイのような仕事をすることになります。
騎士(シュバリエ)とは、貴族ではあるけれど一番身分が低いんですね。
身分違いの幼なじみ、ロゼクロワ侯爵の娘クリスティーヌに、恋文を送ることが生き甲斐でした。

デオンは、国交のないロシアに、密使として乗り込むために女装するのでしたが。
スコットランドからフランスに亡命した外交官ダグラス・マッケンジー師は毛皮商人に化け、ボディガードのデオンは、その姪のリア・ド・ボーモンとして同行します。
ところが刺客に襲われ、ダグラスは脅えて国境まで逃げ帰ってしまう。

デオンは単身、都に乗り込むことに。
女帝エリザヴェーダのフランス語の読書講師となることに成功しますが、女帝はいっこうに講義を受けようとはしない。
ピョートル大帝の娘でロシア第一の美貌を誇る女帝は、美人が嫌いだったのです。
実は男性だと明かし、若い美男なら好きな女帝の機嫌を取ることに成功するのでした。

カザノヴァやルイ15世、ポンパドゥール夫人、ロシアのエリザベーダ女帝、同じ時代の大物をどんどん登場させ、歴史のおさらいにも?
ヴェネツィア出身の大男ジャック・カザノヴァが大阪弁を喋るのも妙に板についていて、おかしい。

後半は、ファンタジー色が強くなります。
またたくまに宮廷で人気を博すようになったサン・ジェルマン伯爵は、謎の人物。
彼に病気を治して貰うと~不死になってしまう!という噂が立つ。
実はデオンの家庭教師だったこともあり、まったく老けていない様子に驚くデオン。
サン・ジェルマン伯爵は、錬金術師だった…
サン・ジェルマン伯爵がいるところへ、王や寵姫、カザノヴァまで、一堂に集めたあたりは圧巻!

「警視の死角」

デボラ・クロンビー「警視の死角」講談社

シリーズ5作目。
恋人同士になった警視ダンカン・キンケイドと、部下の巡査部長ジェマ・ジェイムズ。
もともと仕事仲間として名コンビでお似合いなのですが、同僚であることと離婚経験から~お互いに慎重な面もあります。
ジェマには、幼い子供もいるしね。

キンケイドの方は、一方的に妻に去られて11年。
突然、別れた妻ヴィクから連絡が来ます。
警官としての彼に、相談したいことがあるというのです。
ジェマは内心、面白くないのですが…

大学で研究をしているヴィクは生き生きしていましたが、再婚した夫イアンは出奔中。なんと教え子の女子大生とハワイにいるらしい。
研究対象の詩人リディアの草稿や手紙が、巧みに書かれています。
ちょっとヴァージニア・ウルフを思わせる女性詩人で、もっと若くウルフを崇敬していたという設定。何度も自殺を試みて、ついに死んでしまったという。
なぜか遺産は、ずっと前に離婚した夫に残していました。
その夫モーガンや、若い頃からの友人が大学近くに住んでいるため、ヴィクはインタビューを重ねていきます。
未発見の詩の草稿を見つけ、その内容と前後のいきさつから、自殺ではないのではと疑い始めたのでした。

ダンカンは当時の調査資料を見せて貰い、確かに不審な点もあると感じます。
大学町の美しい風景など、しっとりした描写も多い。
大学仲間の登場人物も、個性的。
知的な女性が、これほど何人も出てくる小説も珍しいでしょう。
そして、それらが吹っ飛ぶほどの大事件。
ヴィクが突然心臓発作でなくなり、毒殺も疑われることに。

そして、遺された11歳の息子キットは、実はダンカンの子供だったのです。
葬儀に訪れたダンカンの母は、一目でそれを見抜きます。
ヴィクの母ユージニアは気むずかしく性格に問題があり、さらにひどくなっている様子。
祖父母に引き取られたキットが、ダンカンは心配でなりません。
案の定、キットは家出してしまい…

ブログを始める前に読んだので、メモがありませんでした。
ここからとても良くなったので、再読してのご紹介です。

著者はテキサス州ダラス生まれ。
イギリスに渡って魅了され、最初の夫と共にイギリス各地に住む。
後に故郷に戻り、家業を手伝いつつ娘を育てながら、1993年から作家活動。
1997年発表のこの作品で、マカヴィティ賞最優秀長編賞を受賞。2009年にも受賞しています。

「ふむふむ―おしえてお仕事!」

三浦しをん「ふむふむ―おしえてお仕事!」新潮社

インタビュー集。
技能を生かして仕事をしている女性が対象です。
インタビューする方もされる方も、楽しそう。
いろんな仕事があるもんですねー!

取り上げられているのは~
靴職人、ビール職人、染織家、活版技師、女流義太夫三味線、漫画アシスタント、フラワーデザイナー、コーディネーター、動物園飼育係、大学研究員、フィギュア企画開発、現場監督、ウエイトリフティング選手、お土産屋、編集者。

夫婦で履きやすい靴を追求している靴職人さん。
ここの靴、ほ、欲しい~。

化学工学を専攻して工場の設備を作る方面から入り、製造の方へ回ったビ-ル職人さん。
人間が味を見てもう少し置いておくとか、あの工場の水は違うとか、あの人が造るビールは美味しいとか、色々あるって初めて知りました。

ひたすらペンギンが好きな飼育係さん。
天職ですね!

バンダイのフィギュア企画開発。
あの小さな…ひょえ~当然ながら、ものすごく絵が上手いそう。

高校時代から雑誌編集部に入り浸っていて、コーディネーターになった人も。
グラビア撮影の現場は楽しいとか、考えたこともなかったけど。言われてみれば楽しそう。
土産物屋さんっていうのも、いろんな展開があるんだなあ。
編集さんもこれがまた、名物編集者らしい。

合う仕事をしている人の輝きが、何ともさわやか。
こういうのを若い人は目指したくなるよね。
でも最初からこの道と決めていた人ばかりではないし、何が向いているかというのも実に色々な要素があるのよね…
そのへんにまた感慨が。

みゅん、退院

120522_221507うちの猫が昨日入院しました。
写真は前に撮ったものです。

120522_221558尿道に塊があって栓になり、膀胱がぱんぱんになっていたのです。
みゅんも11年目で人間で言えば60歳相当。(換算法は説によって違うので、もっと高齢と見るのもあります)
いよいよ中高年のため腎臓が悪くなって結石かと思いましたら、結石は意外に小さく、血の塊や分泌物が絡まった物だそう。
特発性というんだとか。
原因は特定出来ないそうで、若い猫に多く、ストレスで出血することもあるとか。
それでも、これまでよりも厳格に療法食に限らなくてはならないそう。
どちらかといえば太った子に多いので、体重にも気をつけるようにと。

120522_220251今日の夕方、見舞いに行く前に電話したら、
今日帰った方が良いでしょうということで、迎えに行きました。
昨日はグッタリしていたのと、鎮静剤の効果で、お医者さんも撫でられていたけど。
今日は朝から怒っていて、夕方にはもう薬も飲ませられない勢い。
別な猫のようだそうで。
いや、元々人見知りで、家族以外の人は小さい頃以外触ったことないぐらいだから…
それに、痛かったりしたんでしょう。
治して貰おうねとは言って聞かせたんだけど。

連れて行くときは、タクシーの中で鳴いていたけど、昨日は待合室でも診察室でも私とだけいるときは鳴かなかったのに。
今日は、私が迎えに行っても興奮状態はおさまらず。
家に連れ戻っても唸っているので、ちょっと落ちつくまで時間をおきました。
様子を見てケージを開いたら、するっと出てきて、一回り。
私の足元を2回通り、2回目には抱っこしたら、そうして欲しかった様子。
挨拶みたいな感じで、ちょっとしたら降りました。

舌をちょっと出してはあはあ言うような感じがあるので、病院に比べて暑いのかな?と冷房を入れました。
水分を取った方が良いかもと療法食の缶詰を開けたら、3分の1ほど食べました。
ふだん全く缶詰を食べない子なので、やはり水分が欲しかったのかな?

問題は、今もオシッコが出来ない様子でいること!
カテーテルを外したときには、ちゃんと出たのに。
そんなことってあるの…?
どこかで最初に少し漏らしたのかも知れないけれど…
興奮状態でろくに水を飲もうとしないから、そのせいかもしれない?
あるいは興奮のあまりまた出血してしまった…??
飲ませている薬の効果で何とかおさまってくれればいいんですが…
明日ずっと観察していないと。

薬も最初は上手く飲ませられなかったのよねえ。
口を押さえて歯の間からスポイトで入れるんだけど、口元を押さえたら、身体が逃げませんか?

療法食を嫌がるので、根比べになって大変だろうと思っていたけど。
まだ全然その前の段階です。

[追記]トイレで上手くできない様子で夜中に何度か苦しそうな声をあげたので、こちらもはらはらしてよく眠れず。
あの興奮状態じゃ、病院へ駆け込もうにも、つかまえられないかも知れないし。
でも、何だかあちこちで匂いはするので、他のところで漏らしてはいるみたい。
カテーテルを抜いた後は漏らしやすくなるとは言われてました。
今朝になったら、奇声は止み、少しトイレにもしてありました。
ろくに飲み食いしないのが心配ですけど。

猫のストレスって何だろうと考えてみると…
気温の乱高下とか、影響したのかな。
私が真剣に悩むと、猫に響くかも知れないので、だいじょうぶ絶対治ると念じています!

[さらに追記]
木曜日は家中のあちこちにしゃがんで、オシッコしてました。
奇声は発しないし、出るならもうオッケー。
ところが金曜日の午後、数時間出ない様子なので、ハラハラ。
でも病院に電話して、聞いてみたら、さほど危険な兆候はないということに。
土曜日は、少量ですがコンスタントにしているので、まあ…
でも食事量はすごく少ないです。

「凍りつく骨」

メアリ・W.ウォーカー「凍りつく骨」講談社文庫

実力派のデビュー作。
スリリングで引きこまれます。
じつに達者なものです。

キャサリン・ドリスコルは、テキサス州の田舎町で、犬の訓練士として地道に成功してきました。
ところが不景気で経済的に追いつめられ、11年払い続けたローンが払えなくなり、22日後には牧場と家が競売に付されるという危機に。
ゴールデン・レトリーバーの愛犬ラーまでも、優秀な資産として売られてしまうという。
ラーは優秀な血統ではありますが特に訓練もせず、ペットとして可愛がっているかけがえのない愛犬なのに。

折りもおり、5歳の時から31年間音信不通の父親から突然、会いに来るようにという手紙が。
頼みを聞いてくれれば、財政的には心配要らなくなるというのです。
迷いましたが、テキサス州の州都オースチンへ出向きます。
父親レスターは、オースチン動物園のベテラン飼育係でした。
ところが、父親はその朝、虎に噛み殺されていたのです。
何者かが、虎が出られないようにするワイヤーをカッターで切っていたのでした。

母親リーンと共に町を出て、その後は父だけでなく親族とは一切連絡を取らなかった生い立ち。
結婚に反対していた祖母は、今は高齢ですが動物園の支援者とわかります。
叔父クーパーが財団の総帥となり、その娘である従妹ソフィーも動物園で働いていました。
祖母は病気で面会謝絶、なかなか会わせて貰えない。
何もかも遅かった気がするキャサリンですが…

父が連絡を寄越したのは何故なのか?
父の家には、大人になったキャサリンを撮った写真がありました。連絡も寄越さなかった父だけど、名乗らずに見守ってはいたのです。
財産らしい物はないのに、倉庫には妙な写真や手紙が。その意味は…
事情を探ろうと、爬虫類館でバイトを始めたキャサリン。
難しい仕事ですが、動物の扱いは慣れています。

同僚で獣医のヴィック・ジャメールと親しくなり、相談を持ちかけます。
しかし…?
動物園を舞台に、ヒロインに危機が迫る!?

翻訳されているのは傑作ばかりの作家。
ブログを始める前に読んだので、ご紹介はしていませんでした。
どれも読んだはずなのに?これは思い出せないので再読。
…だんだん思い出してきました!
作者も、ゴールデン・レトリーバーを飼っているそうです。

1991年の作品。1992年のアガサ賞とマカヴィティ賞で新人賞をダブル受賞している作品です。
作者は1944年生まれ。全部は翻訳されていないけど、寡作のようです。どの作品も高い評価を受けています。

みゅん、病院へ

120516_223437うちの猫・みゅんです。
気持ちよさそうに寝ている所。
今ほど暑くなる前ですね。

120516_230046目が覚めたら、まず顔を洗わないとね。

顔だけじゃなくて~
120516_230233足を頭の上に引っかけてます。
器用?つーか!

120516_230319実は今日、病院へ連れて行きました。
昨日から具合が悪くて、これは大変と。
ここ2週間ぐらい、あまり良くはなかったんですよ。
時々調子悪そうで、でも次の日には元気になっているという感じ。
はらはらしながら、様子を見ていましたが。
昨日の午後から、オシッコがほとんど出なくて、苦労している様子だったの。

去年は細かい結石だったので、水を大量に入れて、流してしまう治療で済んだんだけど。
今回は、塊が詰まってるっぽい。
「ふぉっ」とか奇声を発するんですよ…

去年病院へ連れて行ったときのやり方で。
バスタオルでくるんじゃうのが有効なのよね。
それと、狭い部屋に連れて行くこと。逃げ出しちゃった場合につかまえられるように。
病院に電話して確認してから、タクシーを呼びました。
猫は一階で寝ていて、去年のように二階まで連れて行くのは難しそうだったので、洗面所にケースを置き、腕にバスタオルを掛けて、抱っこして連れて行きました。
洗面所のドアを背中で閉めてから、バスタオルを頭にかぶせて、前足を揃えて握り、ケースの中へ。
わりとすんなり出来ましたよ。

尿道に何か異物があって出なくなっていて、膀胱がぱんぱんになっているそうで、その影響が腎臓に来ている可能性もあるとか。膀胱が荒れていて、サイアク破裂することもあると脅かされました。
検査の結果、腎臓や肝臓は大丈夫だそうです。
麻酔をして尿を抜き、カテーテルで異物を取り除き、膀胱炎が治まるのを待つので二三日は入院が必要とのこと。

猫には多い病気だけど、最近は療法食が行き渡っているので、減っているとか。
ずきっ…
うちのは野生っぽくて、人見知りだし、元気すぎるぐらいの子なんでねえ…
療法食を拒否するから、健康管理も難しいの。
まあそれで去年体重が増えすぎといわれたのが少しは痩せたみたいだけど。
今まではあまり医費もかからなかったけど。
今後が大変そう。
とりあえず、今の治療が順調に進むことを祈っています。
みゅん、パニックにならないで、よく治して貰ってね☆

「たまさか人形堂物語」

津原泰水「たまさか人形堂物語」文春文庫

お仕事小説というか~人形小説?

3年前に広告代理店をリストラされた澪は、30代後半で独身。
入院した祖父に、世田谷区の玉阪人形店を生前贈与されました。
祖母が市松人形を作る店の跡継ぎで、祖父は職人の入り婿だったのです。
祖母に可愛がられた澪は、思い出のある店をやっていこうと思いますが、特に人形に詳しいわけではありません。

社員第一号の富永くんは、人形マニア。
気楽な勤めぶりですが、その代わり給料は安くていいという~お金持ちのぼんぼんらしい。
富永くん作のテディベアも人気を博すようになります。
「あらゆる人形を修復できる方」という募集に応じた職人・師村に助けられて、次第に良いコンビになっていきますが…?

修理をメインにやっていくことにしたため、持ち込まれる人形にまつわるエピソードは多彩。
昭和初期、アメリカから親善のために贈られたという、いわゆる青い眼のお人形。
実は「青い眼の人形」の歌は、親善使節を送る企画よりも前に作られたので、キューピーのことだったんだそうです。
親善のために贈られたのは、アメリカで募金により購入された一万数千体にのぼる色々な人形だから、青い眼には限らなかったそう。
といった豆知識もあれこれ。

「毀す理由」
顔だけがひどく毀れた人形を持参した若い女性。元の写真と、持ち主の顔はそっくりだった…
30年ぐらい前の古い人形なのに、何故?
しかも、毀したのは本人らしい。どのように修復すべきなのかという難題の答えは?

「村上迷想」
村上市での雛祭りを、一度は見なくてはといわれて出かけた澪。
旧暦の雛祭りの日まで一ヶ月飾られている伝統ある雛人形をめぐって。
旧家のミステリ。

「最終公演」
チェコの人形芝居の名人の話。
大国に支配された時代でも、人形芝居は母国語での上演が許されたので盛んだったとか。
パラフ劇団を主催するパラフ氏は奔放な想像力を駆使して、自由な公演を行っていました。その最終公演とは?

「ガブ」
人形浄瑠璃の人形の頭をめぐって、師村の過去が…?!
ああいう人形って、着物の下には身体がないんですね…
彫刻と人形との違いといった話題で、たとえば彫刻家は耳を量感で捉えるので耳には穴がない。人形作家は耳を生身に似せるので耳の穴を作る、とか。師村氏の語る仲の良い人形作家!の弁なのですが。

「恋は恋」
富永くんが友人から預かったのは、ラヴドールという等身大のドール麗美。
ウェブサイトで一目惚れして、貯金して買ったそうなのです。
友人はカメラが趣味で、ちゃんと恋人もいるという。
亀裂の修理を依頼したところ、メーカーのキャプチュアから束前という社長がやって来ましたが、この型は基本姿勢を誤った失敗作なので直せないという。
この世界は、まだ開発途上なのですね。

かなりトーンの違う話が入っています。
気分が変わっていいけど、期待と違うと感じる人もいるのかな?
お人形にかける熱意は、一貫していますね。誰がどこに力点を置くかの違いかな。
なぜ、人は魅せられるのか…
お人形は広く大好きなので、面白かったです。
私が特に好きなタイプの人形の話は全く出てきませんけど~確かに普通すぎて小説にはなりにくいと思うけど。
続編もあるそうなので、楽しみ。

この作品は2009年1月発行。
著者は1964年、広島市生まれ。89年、津原やすみ名義で少女小説作家としてデビュー。
97年、現名義で「妖都」を上梓。幻想小説の旗手として注目される。
2006年、自身の高校時代に材をとった「ブラバン」が話題となる。

猫耳服のナチュラルさん

120428_184243黒いチュールスカートを着ているナチュラルデイズさん。
こんなトップスを見つけたので~

120428_184405ピンクと黒だし、ショートヘアだし、
イメージ変わるかな~どうかな?と…

可愛い?

120428_184650リカちゃんの服なんですけどね。
身長は21センチのリカちゃんより27センチのmomokoさん、
6センチも高いのに。
(人間サイズに直せば36センチ差!)
momokoさん、細いから入っちゃう~♪
120428_185345
フードをかぶってみました。
ほら、ショートヘアだし、頭小さいから。
似合うんじゃない?

120428_185235真横から。

ちょっと新鮮?heart04cat

「甦る男」

イアン・ランキン「甦る男―リーバス警部シリーズ」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

スコットランドの警察物。
シリーズ13作目。
初期の物をずっと前に読んで以来、久しぶり。
MWA賞受賞作だということで。

ジョン・リーバス警部はいつもマイペースで、規則ギリギリの仕事ぶり。
今回は捜査会議中に女性上司ジル・テンプラーにカップを投げつけるという規則を越える事をやらかし、警察学校の再教育コースに送り込まれました。
そこには、上司に反抗的だったり、チームの仕事で問題を起こした警官が各地から数人集められていたのです。
平均して勤続20年は越える~古強者ばかり。
中でもグラスゴーのフランシス・グレイ警部は、大柄でいつも座の中心になるような人物。

授業の一環で、協力して再捜査をするというコースがあり、取り上げられた古い事件にリーバスは驚きます。
暗黒街の殺し屋リコが殺され、証人が失踪した事件。リーバスが浅からぬ関わりを持った事件、忘れたい悪夢だったのです。
リーバスがここに送り込まれた真の理由とは…?

上司にも再捜査のチームにも疑心暗鬼となりながら、孤独な葛藤を続けるリーバス。
交際中の女性には、最悪のタイミングで鉢合わせ。
何かと頼りになるのは、部下の女性シボーンでした。

セント・リバーズ署では、リーバスの相棒のシボーン・クラークが部長刑事に昇進。
リーバスの留守中は、年下の新人ハインズと組まされています。
さらに、リーバスの代わりにと送り込まれてきたのが、デレク・リンフォード。
短い期間シボーンが付き合ったことがあるのですが、いささか勘違い男。
いまだに気がある様子で、何かと緊張が漂うことに。

美術商マーバーが自宅前で殺された事件が起きていました。
関連して、エジンバラの陰のボス、ビッグ・ジェルことカファティが、浮かび上がってきます。
リーバスにとっては宿敵なのですが、リーバスがカファティに取り込まれているのではないかという黒い噂を立てられている人物でもありました。
シボーンが聞き込みを続けるうちに、保護したいと見張っていた女性ローラが目の前で前夫に刺されてしまう。
そのとき聞いた、ドアが閉まる音を一生忘れられないだろうと思うシボーン。
かなりしっかりしてきた様子で、頑張ってますね。
リーバスに似てきたと言われて、複雑な心境?

平行して起きる事件や多彩な登場人物が重層的に書き込まれ、剛腕ぶりが発揮されています。
ちょっとした滑稽さや情けなさも交えながら。
読み応えがありました。

著者は1960年、スコットランドのファイフ生まれ。
86年に作家デビュー、リーバス警部シリーズで人気を集め、97年に「黒と青」でCWA賞ゴールド・ダガー受賞。
この作品は2001年発表。

揚州商人のワンタンメン

120323_211600立川の「揚州商人」にて。
3回行きましたが、最初はシンプルな正油ラーメン。
これは2回目。
120323_211634
醤油味のしみた細い麺がすっごく好みだったんです。
青菜も入ってるし!
でも全く同じってのもね、ってわけで。
120323_212026今回はワンタンメン。
これも好き~☆
ちゃんとお肉が入っているお味。
ワンタンもつるつるして美味しかったですよ~。

120323_211643これは兄が頼んだギョウザ。
しっかり作ってある家庭的なお味~

わけっこして、食べます。

120323_212911それと~この店自慢の杏仁豆腐。
きめ細かくて、クリーミー。
ほのかな香りがあって、超美味しい!
シンプルなのと、バナナとマンゴーがあります。
これはバナナ。
シンプルな杏仁豆腐が一番かな。
クーポンがあるときだと、一品頼めばプラス100円になるのが嬉しい。

切り落とすタイプの平たい麺もあるんだけど、
普段行かない方角にあるお店なので、たまにだとなかなかそこまで…
いつか挑戦してみたいです☆

「こいわすれ」

畠中恵「こいわすれ」文藝春秋

「まんまこと」の麻之助シリーズ3冊目。

高橋麻之助は、神田町名主・高橋宗右衛門の跡取り息子。
幼なじみの八木清十郎は、同じ町名主の家で、既に跡を継いでいます。女にもてるいい男。
やはり幼なじみの相馬吉五郎は侍で、堅物の見習い同心。両国橋界隈の若い者から慕われています。

今でも何かと集まっている3人組。
頼りないと思われていた麻之助でしたが、事あれば事件解決の腕を見せます。
今は、お寿ずという可愛い妻も得た身。

「おさかなばなし」
置いてけ堀に、河童が出た、という噂が広まります。
清十郎までが堀に落ちたので、麻之助も乗り出します。

「お江戸の一番」
江戸では、番付が流行っていました。
書画の朱雀連と狂歌の花橘連という~本来は違うジャンルの物が、番付で比べられたことから、もめ事に。
麻之助は、人気のある茶屋の看板娘おれんを持ち出して、お祭り騒ぎを企てます。

「御身の名は」
麻之助を呼び出す妙な手紙が舞い込み…?

「おとこだて」
武家の妻女が、男に貢いだと噂になります。
そこには、思わぬ結婚事情が?

「鬼神のお告げ」
湯島天満宮での富くじ。
当たった駒吉は、お告げで知ったというのですが…?

「こいわすれ」
麻之助が助けたのは、北国屋のお千夜。
暦で縁談が壊れたという~意外な顛末は…?

いつもながら読みやすく優しい風合い。
ちょっと哀しい所もありますが。
2011年9月発行。

アリスさんととっかえっこ

Sbsh0007衣装をとっかえっこした二人一緒の撮影です。

ジェイドールのコーニングスレインさんと、
プーリップのロマンティック・アリスさん☆
「どうぉ?」
「わあ!」
Sbsh0008「アリスさん、色も雰囲気もピッタリじゃない」
「シャルロッテちゃん、ボンネットも良いわね~」

Sbsh0011同じような色のレースだから、相性良いですよね♪

顔を寄せれば、こう…
…そんなに不自然じゃないかも?

Sbsh0015……ホントは、こうだけどね?!

「呪われた首環の物語」

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「呪われた首環の物語」徳間書店

ケルトの雰囲気たっぷり。
みごとな細工を施された黄金の首環をめぐって。
古代ケルトの伝承のような物語かと思っていると、意外に現代的な要素が入ってきます。
子供扱いされていた少年達が異なる人種と出会い、勇気と誠意を持って、行動していく物語。

緑の丘に囲まれた霧にかすむ湿原。
「人間」と「巨人」、そして水の中に棲み不思議な変身能力のある「ドリグ」が住んでいました。
人間の幼い兄妹オーバンとアダーラ。
二人だけで湿原を渡っているとき、ドリグに出くわして、なりゆきでオーバンはドリグの首環を奪ってしまう。
見たこともない凝った細工のされた緑金の首環。
ドリグは首輪に死に際の呪いをかけ、その呪いが長い間、湿原で生き続けることになるのでした。

長じてアダーラは、賢女と呼ばれる美しく賢い娘に育ちます。
なんとか呪いを解こうと勉学に励んだせいもありました。
兄妹の住むオト塚は、呪いのために不運に見舞われ、オーバンは不機嫌な大人となってしまったのですが。
ガー塚で英雄と呼ばれる若者ゲストは、アダーラに恋をして、三つの難行に挑んで成功し、さらうようにして結婚します。
そして、3人の子供達に恵まれました。

長女のエイナは先見の能があり、正しい質問をされれば予言することが出来ます。
しかも弟のセリには遠見の能があり、質問されれば物がどこにあるかを教えられる。
長男のゲイアにはそういう才能がなく、自分には何の取り柄もないと思いこんでしまいます。
出来ることは一生懸命やったので、いつしかそれが認められているのに、そのことにも気づかないままでいました。
あまり似ていない父親と理解し合えないでいる少年の気持ちが、丁寧に描かれていて、共感できます。

オト塚がドリグに襲われ、オーバンら一族がガー塚に転がり込んできて、住み込むことになります。
一体、何が起こったのか?
巨人の住む家を時々覗きに行っていたゲイアは、二人の子供と知り合います。
湿原はまもなく水に沈む、という話に驚愕することに。
その近くの川にはドリグの子供も来ていて、しだいに助け合うようになります。
種族の違いを乗り越えて、湿原を覆う呪いを解けるのか?

著者は、1934年イギリス生まれ。
オックスフォード大学では、トールキンに師事。
結婚後、3人の子育てをしながら小説を書き始める。
40冊以上の作品があり、英国ファンタジーの女王とよばれる。
この作品は、1976年発表の初期作品。
そのせいかストレートな内容で、わかりやすい方だと思います。
書き込みは堅実で、さすが力量を感じさせます。
惜しくも亡くなられました。

アリス服のジェイドール

120325_002702_2今度は、ジェイドールのコーニングスレインさんに~
ロマンティック・アリスさんの衣装を着て貰いましょう。
どうなるかな…?
まだ靴下は自前のレースのを履いています。
これでも、似合いますね。
120325_002724_2
サイズは問題ないようです。
ボディは、ほとんど同じですからね!

120325_002916_2ローズピンクの髪が、ちょっと不思議ですが~
縦ロールは雰囲気合ってる?

120325_003451_2しましまの靴下に、セットの靴で~
少女っぽくなるみたい?

120325_003344_2きちんとお座りしてみましょうか。

髪がどうしても被さってきちゃうし、
細いのでほつれやすいんですが~
手は、たいていのお人形よりも可動性が高くて器用なので、
こんな風に押さえることも出来ますけどね♪
[写真はクリックしていただくと、大きくなります]

「交換殺人には向かない夜」

東川篤哉「交換殺人には向かない夜」光文社文庫

「謎解きはディナーの後で」の作家のユーモアミステリ。
烏賊川市シリーズで長篇が5冊出ているうちの4冊目だそうです。

烏賊川市(いかがわし)の小さな探偵事務所をやっている鵜飼杜夫のところに、依頼人が登場。
裕福で品の良い女性・善通寺咲子が、夫の浮気調査の依頼に来ます。

高名な画家の息子で、自分も画家である夫・春彦。
夫婦は新婚1年で、盆蔵山の中腹の豪華な屋敷に住んでいます。
烏賊川市に隣接する閑静な山村は、別荘地にもなっていました。
住み込みの運転手と家政婦という触れ込みで、泊まり込みで夫を見張って欲しいという…
妻の留守に、若い女と一緒に過ごすかどうか?
ビルのオーナー朱美まで、成り行きで家政婦役に駆り出されます。

折しも、雪が激しくなりそうな日。
夫の春彦の元へは不審な電話があり、春彦は夜中に家を抜け出します。

雪の夜、警察には品の良い女性が刺殺されたという通報が!
はたして…?

一方、探偵事務所の助手・戸村流平は、前の事件で知り合ったお金持ちのお嬢様・十条寺さくらから思わぬ誘いを受けて、白熊郡猪鹿村へ出かけます。
そこで出会ったのは、水樹彩子(みずきさいこ)という、さくらの年上の友人。
さっそうとした美女だが男っぽく、女優というだけあってややエキセントリック。
彩子の山荘近くの権藤家の別荘では、父息子の口論が殴り合いにまでなり、3人はやむなく止めに入ります。
近くの温泉に入りに行くと、そこには権藤家の父親が。
夜遅く、3人でビデオを見ていると、外で怪しい物音がして…?

あっちでもこっちでもどたばたしているうちに、出来事がどう絡み合っていくか?
面白おかしく描きながら、似たようなシーンが繰り返され、ん?ちょっと怪しいぞ~??と楽しく読めました。
前に「完全犯罪に猫は何匹必要か」を読んでますが、シリーズ3作目。
今作のほうが、まとまっている印象です。

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