「ホテルジューシー」
坂木司「ホテルジューシー」角川文庫
お仕事ものというか~沖縄でのバイト体験の話。
大学2年の夏休み。
年の離れた弟妹のいる大家族の長女・柿生浩美ことヒロ。
長い休みを自由にしていいと言われて持てあましたヒロちゃんは、沖縄で長期バイトをすることを思いつきます。
最初はリゾート地の民宿で、きちんとしたスタッフに囲まれ、慣れている家事をやって心地良く働いていました。
急に、那覇のホテルで人手が足りなくなったので、救援に行ってくれと頼まれます。
そこは、ホテル・ジューシーというゲストハウス。
裏通りのビルの一部で、目立つ看板もないような所に違和感を覚えつつ。
受付の女性は何と客で、一時的にやっていただけでした。
オーナーは現れず、オーナー代理は長髪にアロハ姿で、隣の居酒屋兼喫茶店で、昼間は寝ているという。
掃除をする係の双子のおばあちゃんが、元気でいかにも沖縄らしい。
料理は、とても美味しそう。
観光客が犯罪に利用されたり、沖縄で仕事をしようとした人が借金を抱えたり。
観光地のダークな一面も、意外に強く出ています。
頼りなげなオーナー代理が時々、別人のように働くことがあり、日常の謎的な問題の解決を見ます。
まじめな性格だけれど世間知らずなヒロちゃんが、お節介したくなって、失敗したり。
恋愛要素は少ないけど~ほのかに。
坂木さんは読みやすいですね。
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