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「どろぼうの神さま」

コルネーリア・フンケ「どろぼうの神さま」WAVE出版

ドイツの有名作家(初めて読みました)による児童文学。
ファンタジックな名品です。

ヴェネツィアに住む探偵ヴィクトールは、行方不明の甥を捜す依頼を受けます。
プロスパーとボーの兄弟が、ヴェネツィアに来ているらしいというのです。
母亡き後、母の姉のエスターが5歳のボーだけを引き取ろうとしたため、二人で家出したらしい。
金髪で丸い顔の無邪気なボーを守ろうとする真面目な兄のプロスパー。でも、まだ12歳。
人の良いヴィクトールは、この寒空の下に子どもだけでいるのかと胸を痛めます。

彼らは、本当にヴェネツィアにいました。
困っているときに、女の子ヴェスペに声をかけられて、仲間の住む所に連れて行って貰ったのです。
「どろぼうの神さま」を名乗る10代の男の子スキピオに援助されつつ、子供らだけでこっそり、暮らしていました。
もう使われていない古い映画館の奥で。

スキピオは、黒い仮面に黒いロングコート、大きな黒いブーツ姿で、大人びて見せていましたが、年齢は大して違わない。
孤児と称していたスキピオは本当は貧しくはなかったのですが、大人との葛藤を抱えた少年でした。

ある日、骨董屋バルバロッサから「どろぼうの神さま」を見込んでの依頼があり、夜中に伯爵と名乗る男に会います。
狙いは、とある邸の中にある金色に塗られた羽。
報酬は高額でした。
追っ手を逃れる資金作りに、危険な依頼を引き受けます。
邸の女主人イダの語った話は、ふしぎな回転木馬についていた羽だという…

ヴィクトールは、サンマルコ広場でプロスパーを見かけますが…
大人から逃げてきた子供達。
早く大人になりたい子供、子供に戻りたい大人との出会いは…?
テンポ良く展開し、飽きさせずに予想外の方向へどんどん展開して、何ともスリリング。読みでがあります。
現実の苦みと共に、心温まる要素もしっかり。

作者は1958年、ドイツのドレスデンに生まれる。
ハンブルグ大学卒業後、子供の本のイラストレーターとして出発。
ドイツで最も有名な児童文学作家の一人。
1999年、長編2作目の本書で数々の児童文学賞を受賞。ハンブルグ在住。

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