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「ちょちょら」

畠中恵「ちょちょら」新潮社

時代小説。
妖怪は出てきません。江戸時代のお仕事もの?

軽い題名の割に~深刻な状況から始まります。
江戸留守居役という特殊な立場の仕事をしてきた一家。
聞番、御城使などとも呼ばれ、中程度の藩士がなるそうです。
藩の外交面を引き受ける役で、接待に金を使うために、贅沢をしているという白い目で見られることもあるとか。
けれどそれは、もっと巨額の金が動く行方を見定めるために必要な出資だったのでした。
江戸城でさっそく道に迷う主人公は人が良く、のほほんとした雰囲気も時々漂うけど。

文政6年。
播磨の国、多々良木藩で、間野家の優秀な長男・千太郎が自決。
遺書もなく、理由はわかりませんでした。
その前に、同役の入江貞勝は突然一家を上げて藩を出てしまっていたのです。入江の娘の千穂は千太郎の許嫁だったのに。
頼りない次男・新之介に、重要な仕事が回ってきます。

慣れない仕事を一人で抱え、藩に無理難題を押しつけられないよう、江戸城内できちんと挨拶をしては人脈を作り、情報を集めて、根回しをしていかなければならない。
多々良木藩では予算が足りず、根回しが不足していたこともわかってきました。
幕府では大きな普請がある度に、お手伝い普請といって、幾つかの藩に少しずつ分担させるのです。
数百両を惜しんで数千両という、小さな藩には無理がある大きな負担を押しつけられたのでした。
そのあたりに、兄の死の理由も…?

情報を集めるために、知恵を絞る新之介。
「甘露の集」という甘いもの好きの会があることを知り、料理上手は妹が手作りした菓子を差し入れることに。
折しも、次の普請が決まりそうだという噂が…

藩主の浅山日向守隆正はまだ35歳。藩主になって3年足らず。
優しい人のようですが、まだ江戸城に慣れてはいません。
藩主を案内するのも、留守居役の仕事の一つ。

料亭に呼び出された新之介は、幼なじみの千穂と思いがけなく再会。
千穂に事情を聞きたいと思って探していたら、千穂のほうも事情を知りたがっていたのです。
急に藩を出た後に千穂の父は亡くなり、母と二人で長屋暮らしとなり、やむなく働きに出て万八楼の仲居となっていました。
そこで大金持ちの札差に見初められ、妾に望まれたのですが、なぜ人生が根底から覆ったのかわからないままでは、決心がつかないと。

「ちょちょら」とは、調子が良いこと。
主人公のことではなく、留守居役組合の仲間の一人・久居藩の岩崎を見て思う言葉。
岩崎は、役者のように見場が良いところが、亡き兄を思わせる男。
口は悪いが有能で、新之介を鍛えるつもりか、何かと引き回してくれるのです。
大規模な普請をしなくて済むように、前例を調べて、藩全体で協力すればいいと思いつく新之介。
大規模な動きが、起き始める…
人のいい新米の大活躍となります。

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