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「オーダーメイド殺人クラブ」

辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ」集英社

思春期の危険なゲームの行方は?

中二の四月、小林アンは、友達の芹香と倖に無視されるようになりました。
こういうのは突然始まり、また不意に終わるもの。
いぜんには、芹香と二人で、倖を無視したこともあります。
そうは思いつつも、息苦しく、なんとも間が悪い。
部活も同じバスケ部なのです。
気弱な倖からは、こっそり電話が入ってきたりもします。

芹香は気が強い女の子で、同じクラスで野球部の津島とつきあい始めたばかり。
彼氏や担任を巡っても、いざこざが続きます。
アンが一時つきあっていた河瀬はまだ気がある?
副担任でデブの佐方は、アンを気に入っているらしく、その発言がこじれることに。
音楽の先生で男子には人気のあるサクちゃんこと櫻田美代に、女子は反発し…?
中学なら、いかにもありそうな出来事。

母親が「赤毛のアン」の大ファンなために、アンという名を付けられたアン。ダサイと思っても、どうしようもありません。
母は美人なのに「他にプロポーズしてくれる人がいなかったから」という頼りない理由で結婚したという。
そんな母の選ぶ服が、趣味に合わなくなってきていました。
アンは暗いものに惹かれる少女で、猟奇殺人事件の新聞記事を切り抜いたり、本屋の奥にある人形の写真集「臨床少女」を何度も見に行ったりしていました。
周りに理解者がいない分だけ余計に、密かに傾斜して行きつつあるのです。

ある日、去年のコンクールで入選した絵が、掛けられているのに見とれる。
タイトルは「魔界の晩餐」
描いたのは美術部の徳川勝利。クラスで「昆虫系」とあだ名していたオタク系男子の一人。単に地味なのではなく変わっている子達でした。
徳川先生の息子で、ショーグンJr.というあだ名もある、ひょろっとした男子。

その徳川が、河原で血のにじんでいる袋を持っている所を見かけ、少年Aのような危険な匂いを感じるアン。
アンを「リア充(リアル充実)」「彼氏いるヤツはみんなビッチ」とばかにしながらも、澁澤達彦の本をアンに持ってくる徳川。
「私を殺してくれない?」と持ちかけたら、「いいの?」と…

どんなふうに殺されたいか、相談するようになります。
すぐ忘れ去られるような事件ではないものにしようと。
「これは、悲劇の記憶である」とノートに書いて…

思春期の動揺や憤懣が、痛々しいほど鮮烈。
しかし、この書き方でこのままって事はないよね~ではどうなるの?とハラハラさせられました。
まあ…ネタばれしたら面白くないし…ミステリでもホラーでもないってことで。
2009年~小説すばる連載。
2011年5月単行本発行。

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