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「猫鳴り」

沼田まほかる「猫鳴り」双葉文庫

猫鳴りとは、猫が喉を鳴らすことを~主人公の一人が思うもの。
モンという猫を巡って、三つの章からなる1冊。

第一部は、子猫が外で鳴いているのをうっとうしく思う主婦・信枝。
見かけても拾わず、一度思わず持ち帰った後でも何度も捨てようとするのでしたが、何故か戻ってきてしまう。
夫の藤治は、大工。
結婚して17年で思いがけなく妊娠したのだが、半年で失い、呆然としていた夫婦。
代わりのように、子猫を拾うのは、いやだったのです…

第二部は、父子家庭の13歳の男の子・行雄。
昼間は父に貰う800円で何かを買って食べ、学校では一人で過ごす。
ある時、テレビで見たペンギンの番組で奇妙な感覚を覚えます。
そして、公園で幼い子供の醜い表情を見たときから、凶暴な衝動に襲われるようになってしまう。
時々公園に顔を出す大きな猫。その猫をモンと呼んで一緒にいるクラスメイトの有山アヤメに話しかけられますが…

第三部は、第一部の夫・藤治が飼い猫の一生を看取る話。
他の猫とはケンカするだけの関わりしか持たないモン。
獣医にもすごい勢いで噛みついて、注射針もはねとばしたという。
懐いた相手には、信頼を寄せる甘えん坊。
家族の不幸で一週間家を空けたとき、餌やりは頼んであったのですが、帰宅したら、猫は目を疑うように呆然としていました。
飼い主はもう戻ってこないと絶望させてしまったらしい。
藤治の腕の中で、モンが初めてよだれを垂らすのが切ない。
20歳まで長生きし、病気になってからの飼い主の迷いと奮闘。
ゆっくりと別れを告げていく猫の大往生。

暗いモードで、はらはらさせる展開。
嫌~な雰囲気を漂わせます。
よく考えると、人間の気持ちには暗さがあるけど…
猫については、長く飼っていれば経験するようなエピソードがほとんど。
それも、悪い想像を膨らませるような描き方になっているんです。
これが妙に興味を惹くのが~特色らしい!?

著者は1948年大阪生まれ。
主婦、僧侶、会社経営という異色の経歴を経て、2004年「九月が永遠に続けば」でデビュー。
これは第三作。2007年8月発行。

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