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「野兎を悼む春」

アン・クリーヴス「野兎を悼む春」創元推理文庫

シェトランド四重奏の3作目。
独特な雰囲気が魅力的。
日本紹介は最近だけど、実はベテランの実力派。

スコットランド最北端の島で起きる事件が、綿密に描かれます。
ペレス警部はスペイン人が漂着した子孫で、浅黒い肌とスペイン系の名前を持っています。
今回は、若い部下サンディ刑事が故郷ウォルセイ島に帰っているときに事件が起きて…
霧の深い夜、いつになく農場に出ていた祖母ミマが射殺されたのです。

兎を狩りに出ていた隣人の誤射らしいということにはなりますが、それにしても不自然。
その隣人も、サンディにとっては親戚で、子供の頃からの友達でもある一家なのです。
祖母ミマは個性的で奔放、若いときに何か事件があったという噂もありました。
ミマの息子であるサンディの父親はミマと仲が良く、母の死を深く悼みます。
サンディの母親は主婦ながらやり手で面倒見が良く、ミマとは対照的な性格でした。

ペレス警部も、捜査に訪れます。
島の古代遺跡は何度か調査され、今はミマの農場の一隅を発掘するために、村には考古学を学ぶ大学生らが滞在していました。
骨が発見され、考古学的な発見かと色めき立っていたのですが。
研究に打ち込んでいる女性も、いきいきと描かれています。

長年にわたる村の人間関係が濃密。
狭いけれど、互いによくよく知っているようで、どこかすれ違ってしまう所もあって。
のんきな若者が身近な事実に直面して、成長する話でもあります。

ペレス警部は今回は恋人にあまり会うこともなく、一人で捜査に当たる時間が長いのですが。
その間に思いを募らせて、それなりに進展が…?
単純でない読み応えを楽しめるシリーズです。

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