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「二流小説家」

デイヴィッド・ゴードン「二流小説家」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

主人公は、いくつものペンネームを使い分けてきた二流小説家ハリー・ブロック。
温暖な気候の惑星で肌もあらわな女達が登場するSFシリーズで人気があったなどと、笑わせてくれます。

今は母親の名前を美化したペンネームを使って、ヴァンパイアものを書いています。
吸血鬼物は皆女性の一人称で書かれ、作家はそこそこ綺麗だが年齢はいっていて痩せすぎでない女性に限るなどと、皮肉混じりの面白おかしい書き方で、ぐいぐい読ませます。

収入を補うためにやっていた家庭教師の仕事で、大金持ちの女子高生クレアと知り合い、退屈していたクレアの意外な才能に助けられて、変わった仕事を増やしていきます。
ある日、連続殺人犯から手紙が届くという事件が。
すべてを話しても良いというのです。
12年前に4人を殺したダリアン・クレイ。死刑執行まで3ヶ月。
これまで黙秘していた犯人だけに、大ベストセラーが生まれるかも?

不安を覚えつつも刑務所に会いに行くと、真実を話すのには条件があると。
熱烈なファンレターを寄越した女達に会って、それぞれを相手とするポルノ小説を書いて欲しいというのが条件。
会いに行った女性らも、ユニークで奇天烈。
それどころか、ダリアンと同じ手口の殺人が起きて、ハリーは第一容疑者に?

かっての事件で、双子の姉を失ったストリッパーのダニエラも、真相を知りたいと、参加してきます。
クレアと微妙に反目しつつも、珍道中は続く?
好きな探偵について喋ったり。
かなりのミステリマニアなのでしょう。
ダリアンの担当弁護士の助手テレサが、ハリーが書いているヴァンパイア小説のファンとわかって、どぎまぎしたり。
ハリーの作家としての悩みも描かれ、それでも書き続ける心境が語られています。
作家として発表しているという小説も織り込まれ、これがパロディ的で達者なものです。
警官や弁護士もにぎやかに絡んできます。
予想外の展開で、洒落のめした筆致で勢いよく。

作者は、ニューヨーク市クイーンズ地区生まれ。
文学で修士号を得た後、映画、ファッション、ポルノ産業など多様な職業に。
2010年のこれがデビューながら好評で新人賞候補に。
日本でも2011年発行の本のベストとして、「このミステリーがすごい!2012版」など、あちこちのベストテンで1位に輝いています。

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コメント

際物かな……なんて思える内容なんでしけど、最後でちゃんとミステリになるんですね。連続殺人のおこるあたりはかなりエグくてびっくりしたんですけど。
一番疑問に思ったのが、司法試験てそんなに簡単に受かるの?アメリカでは…ということでした。

marieさん、
この作品自体、二流なのかも…?と最初は思うぐらいですよね。
でもまあ、達者なもので~ミステリマニアのハートもくすぐるし。

司法試験…?
どうなんでしょう~。
頭がもっの凄くいい人にとってはそれほど難しくない、とか?

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