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「時の地図」

フェリックス J.パルマ「時の地図」ハヤカワ文庫NV

歴史物というかタイムトラベル物。
スペイン発のベストセラー。

時は1896年。
名家の子息アンドリューは、自殺を考えていました。
かって愛した女性は娼婦でしたが、結婚を決心した矢先に切り裂きジャックに殺されてしまったのです。
8年たっても、アンドリューは立ち直れないでいました。
遊び仲間の従兄のチャールズが、アンドリューの異変に気がついて食い止めようと駆けつけます。
マリー時間旅行社のタイムトラベルのチラシを持って!
彼女を救うために、過去を変えることが出来ないかと思い立つのですが…

当時、奇想天外なタイムトラベル物が流行っていたそうで。
科学的というよりは、まやかしを含めて途方もないのですが~
そういう傾向を加味して、捻った構成になっています。
エピソードはけっこうロマンチック。
上流階級の娘クレアが未来世界の将軍に恋する話も。

2000年に自動人形に人類が滅ぼされそうになり、人類を率いて闘い、最後の決戦に臨んだという。
デレク・シャクルトン将軍は長身で筋骨たくましく、美しい緑の目が暗く鋭く品がある表情で、まさしく人類を救済するように見える頼もしい男。ところが…?

タイムマシンを扱った小説を発表して1年の新進作家H.G.ウェルズ。
貧しい生い立ち、作家となってからの苦闘が語られます。
最初の妻だった従妹と別居して、若い恋人の所に転がり込んでいたとは?
ウエルズとエレファントマンとの出会いはシリアスに。

時間旅行社を主催するギリアム・マリーは、かってウエルズに憧れ、自分が書いたへたくそな小説を読んで貰いに来た男でした。
ウエルズに冷たくあしらわれて憤慨し、ある思いつきを実行に移す…
誰も興味を持たないだろうと酷評された内容を、もし人々が信じたら?
因縁ある展開に悩むウエルズ。

ウエルズに加えて、ヘンリー・ジェイムズにブラム・ストーカーまで、タイムトラベルに関わってくるのが面白い。
上流階級で気むずかしい紳士ジェイムズ、感情的なアイルランド人のストーカー。
まだ大ヒット作を発表する前の時点で、未来からの使者が、本当に連絡を取ってくるのだ…はたして?!

めくるめくタイムパラドックス。
かいま見える未来と、未来からの手紙。
結構とぼけた展開だけど、意外な深みも見せて、面白かったですよ!

作者は1968年生まれ。
スペインの新人作家登竜門であるセビリア学芸協会文学賞をこの作品で受賞、ベストセラーに。

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