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「今をたよりに」

ジル・チャーチル「今をたよりに」創元推理文庫

1930年代のアメリカの田舎町ヴォールブルグが舞台のミステリ・シリーズ。
妹のリリーと兄のロバートの兄妹二人が主人公。
今から見れば、古きよき時代でもありますが~大恐慌の後の不況の時代。
シリーズ第六弾。

ナチスが政権をとった年になりました。
住んでいたドイツから急ぎ娘が連れ帰って帰国したクルツが、家に悪質なイタズラ書きをされます。赤いペンキで鉤十字…敵国人扱いということですね。
腕の良い仕立屋の老人で、アメリカ人なのですが。
憤慨するリリー。

大伯父から遺産として「グレイス&フェイヴァー・コテージ」という大邸宅を受け継いでいるロバートとリリー。
ただし、この家に10年間住んで、維持費などは遺産から出るものの、それ以外は自活する事という条件付き。条件をクリアすれば全財産を貰えるのですけどね。
数人の下宿人を置いて収入にし、他にも一時的な仕事を常に探しています。
贅沢に育った若者が大恐慌で違う環境に放り出され、悪戦苦闘しながら、色々なことを身につけ、地元に溶け込んでいく話…かな。

邸宅の植え込みの下から、人骨が発見されます。
殺人事件かと思ったら、これはとても古い物で先住民の娘らしい。
人類学に興味を持つリリー。

ロバートは街の郵便事情に問題を感じ、あるアイデアを思いつきます。
局留めになっている郵便物は、積まれているのを自分でより分けるので、他人当ての手紙を勝手に見ようと思えば見ることが出来たんですね。
ハンサムで優雅だけれど、働くことには向いていなかったロバートの頑張りが微笑ましい。
個別の棚に郵便を仕分けするようにしたら、仕事が少ない駅のポーターの収入にもなりうるなどと考えていたら、ポーターの彼が死体となって発見されるという驚愕の事態に。
人に恨まれるような人物ではなかったのに?

警察署長のハワード・ウォーカーは、事件の捜査に難儀します。
もともとは平和な田舎町。警察の仕事をほとんど一手に担っていたウォーカー。
無能な部下ラルフが辞職することを内心喜び、いぜんの事件で気に入ったロン・パーカーをよそから引き抜きます。
ウォーカー署長を尊敬する内気なロンは、この幸運が信じられない思いでいるのでした。
最初は仕事が少なかったロンが、大活躍。
インディアンとオランダ系の血を引くウォーカーの生い立ちなども触れられています。

幾つかの出来事がどう関連していくのか?
当時の人の話し方なども再現して書かれているらしく、訳文もオーソドックス。
のんびりした気分で読めます。
刺激やテンポの速さを求めたら、それはないけど。
時代色を出しながら、時の流れるままに全体を描写していくんですね。
登場人物の中でいい人悪い人がはっきり分かれるのも、あるいはレトロな感覚なのかしら?

表紙イラストもキュート。
リリーは雰囲気出ているけど~髪型は、当時の流行とは違うと思うけどね?

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