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「黒く塗れ」

宇江佐真理「黒く塗れ―髪結い伊三次捕物余話」文春文庫

人気シリーズです。
やっと所帯を持った伊三次とお文は惚れ合った仲。
かっては深川芸者の文吉という名で売れっこだったお文。
一度は隠退したのですが、今は桃太郎という名で、時々お座敷に出ています。

妊娠を隠していましたが、そろそろ隠しきれなくなり…
店に出るのもこれが最後という日に、やっかいな客に出くわします。
上司に因果を含められている様子でうつむいていた、格好も乱れた様子の侍。
絡む男という評判は立っていて、実は伊三次も知っていたのですが…
姐御肌のお文の気丈さが光ります。

天啓寺での事件。
それほど大きな寺ではないのですが、境内に金箔を施した大蓮華を備えていました。
極楽往生を願う人々に深く信心され、特にある老人が黄金の蓮華の上に座って死にたいと再三願い出て、それも結縁かと許した所、2時間後に息絶えたという。
その評判から同じことを願う人が増えていった…
何人も必ず死ぬのは妙だと噂が立ち始めます。

町奉行の永田備後守が、隠密廻り同心の緑川平八郎に探索を命じました。
本来なら寺社奉行の取り扱いなのですが、緑川の妻てやが実はこの寺に熱心に通っていました。
すぐに動くことになり、伊三次にも声がかかります。
緑川は、お文の深川芸者仲間の喜久壽と古い縁がある仲という男。
女房の寺通いはそのためと、不破は言うのです。

父親になるという実感が、すぐにはもてないでいる伊三次。
北町奉行所の同心の不破友之進と、息子の龍之介の様子を眺めたり。
お文のお腹に子が出来たことをすぐ不破には知らせず、深く考えてはいなかったのですが、他の人間が皆先に知っているのに気づいた不破は不機嫌に。
あらま。ちょっとお坊ちゃんな所があるのね。
名付け親になってくれと何気なく伊三次が言ったことで、機嫌を直したり。

関わる事件はかなり妙で、悪質ですが…
伊三次の家庭はゆったり築かれていきます。
お文には想像以上に大変な日々が続くうちに、伊三次にも父親の実感も出てくるのですね。

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