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「伏 贋作・里見八犬伝」

桜庭一樹「伏 贋作・里見八犬伝」文藝春秋

時代物ファンタジーというか。
もとの「南総里見八犬伝」も和風ファンタジーですが、その翻案というか…
一捻りもふた捻りもしてある構造です。

浜路(はまじ)は、女ながら銃を抱えた山育ちの漁師という設定。
(もとの「八犬伝」の浜路は、普通に女らしい子でした)
江戸の兄を頼って出てきましたが、男の子のような姿で、ずだ袋と銃を放さない。銃は十四、五とは思えぬ腕前なのです。
兄の道節は20歳ほどで、大柄。
浜路と組んで噂の「犬人間」を捕獲しようとしていると、あちこちで出くわし、何度か銃でしとめることに成功します。
それが瓦版で絵入りで報道されてしまい、大いに迷惑するのでしたが。

犬人間とは、一見普通の人間のように暮らしているのですが、凶暴な性格で、何をするかわからないという設定。
実は、寿命は短い。
吸血鬼か?レプリカントみたい~な存在!かな。

大人気の「八犬伝」を、馬琴がまだ書き続けている時代。
いささか出来の良くないその息子は、「贋作八犬伝」を書きつづっていました。
それが謎の瓦版屋だったのです。
かって伏姫という実在の人物がいた?といういきさつを調べつつ。

里見の地に、呪いを受けた姫が生まれました。
父親の里見義実は「すべてに伏せて生きろ」と名付けます。
伏姫は父親似の外見で、はっきりした顔立ちは綺麗なのですが、男の子同然のお転婆娘に育ちます。
弟の里見鈍色は待望の跡継ぎだが、妙に頭が大きく、身体はひ弱。
大輔は鈍色のお供で、美しい姫に憧れつつ、一部始終を見て育つのでした。

わがままな姉の伏は、弟が拾った犬を自分の物にしてしまう。
目が青く、尾が長い、白い犬。
八房と名付けます。
その犬が…

伏姫は隣国の安西へ嫁に行く話もようやく決まっていたのに、突然裏切られ、里見の地を囲まれることに。
八房に戯れの言葉をかけた義実。(これは「里見八犬伝」のままですね)

八房の妻となった伏姫は、重い衣装を捨てて犬にまたがり、銀の歯の森の奥深く入り込みます。
里見の領地には、誰も入ってはいけないと言われる不思議な森があったのです。
入れば、気が狂ってしまうと…

八犬伝にも似つかわしいイメージの奔流。
ドラマチックなストーリーが動き、こってり艶々した雰囲気で磨いて。
妙な勢いと、破綻したキャラクターが桜庭さんならでは。
なかなか面白かったです。

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コメント

週刊誌の連載で読みました。
きれぎれに読むので、あれれ?という部分もそのまま…

浜路が少女マンガのヒロインぽく生き生きと描かれていました。伏姫ははじめはお転婆でよかったのに、なんだかかわいそうな最期でしたね。
犬と人間の間に生まれた犬人間という発想はすごいです… 

marieさん、
連載でお読みでしたか!
もとの「八犬伝」も十分不思議なストーリーで、あらすじをまとめるのは難しいんですが、こっちの話はまたさらに…
浜路は元気な可愛い子でしたね。
伏姫は…凄くなっていきましたね…
犬と人間の間に生まれた犬人間!たしかにすごいかも~。
八犬伝てそういう話でないこともないんだったけど…coldsweats01

ところで「七王国」あちらではドラマ化されたようですね。
日本でも放映して欲しい~~~!
クロアチアで撮影とかで、キャストもなかなか合ってるみたいですよ。

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