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「瑠璃玉の耳輪」

津原泰水「瑠璃玉の耳輪」河出書房新社

尾崎翠が遺した脚本を、小説に書き直した物。
後半はかなり自由に脚色してあるそう。
レトロな雰囲気が、当時の作家が書いた本物というのがみそ?

江戸川乱歩みたいと思ったら~明智小五郎が登場した時期のすぐ後に、早くも女探偵が登場!ということだったんですね、そもそも。
斬新で、色っぽく、妖しくも怪しく、摩訶不思議。
催眠術で別人格を作ったり、瑠璃玉の秘密がとんでもなかったり…
こんな事よく考える‥?!

熱海の緑洋ホテルに滞在している櫻小路伯爵一家。
息子の公博は30前の遊び人ですが、散歩に出た先で洋館の窓辺に美しい娘を見かけます。
山崎という異様な男に囲われているような…
怪しい光景をのぞき見てしまう公博。
父の伯爵は遣り手で恐れられていますが、息子には甘い。櫻小路伯爵夫人は後妻でとても美しく、少年の日の公博の憧れでした。

ホテルには、岡田明子も滞在。
岡田検事の娘で、すらっとした直線的美人で真面目な性格。東京探偵社の唐沢七郎のもとで勤める女探偵の嚆矢なのです。
公博の見た目と社交的な愛想の良さに、恋してしまうのでしたが‥?

明子は、黒いベールをかぶった女性に、奇妙な依頼をされます。
黄家の三姉妹を探し、来年の四月十五日、丸の内ホテルに揃って連れてきて欲しいというのです。
三人とも、瑠璃玉のはまった白金の耳輪を片耳にしているという。

一方、大阪は新世界署。
老刑事の田邊は、逮捕されたベテランの掏摸・石火のお龍こと龍子にある話を持ちかけます。
もう隠退しようとしていた彼女を逃がすかわり、今町を荒らしている若い女掏摸・耳輪のお瑤をつかまえる手助けをして欲しいというのです。

様々な階層の女性が登場。
それぞれ、いささか残酷な運命に翻弄されながらも、個性を発揮します。
魅惑的な美人が多いのは良いけど、女性キャラが多すぎるほどなのは、もともと女優を出演させるために、あてて書かれているからだそうで。

品のある伯爵夫人、生真面目な女探偵、あだっぽい掏摸、片眼となった女芸人・八重子、南京町の阿片窟に身を落としながらもそこで女王然とふるまう高級娼婦・マリー、異様な男の妻になるべく監禁されている美少女‥
やや女性同性愛的な雰囲気も~当時の作家のモダニズムの影響がある?
今ならどんな女優がやるでしょうね?

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