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「銀二貫」

高田郁「銀二貫」幻冬舎時代小説文庫

みをつくし料理帖で大人気の高田郁さん。
これはシリーズ外で、江戸時代の商人達の心意気を描いた作品です。

安永七年(1777年)のある日、寒天問屋の井川屋の主・和助は仇討ちの現場に出くわします。
父親をかばう幼い男の子を見て、「仇討ちを買う」と申し出て、持ち合わせた銀二貫をいう大金を渡してしまう。
それは天満天神宮が焼け落ちたために、一帯の商売が苦しくなり、天満宮の再建に寄進するため、恩ある大店・美濃志摩屋から受け取った大事なお金だったのですが…

遺された男の子・鶴之輔は侍の子。
商人の世界でやっていけるかどうか、冬の寒天場という厳しい修行の場に出します。その後に、井川屋で丁稚の松吉として雇うことに。
天満宮を大切に思う番頭の善次郎は、このいきさつを不満に思い、心を許さない。
当時、神信心あってこその商売と思われていたそうで。
木で出来た日本家屋は、火事が起きるとひとたまりもありません。災害が怖いだけに、信心も大事だったのでしょうか。

料亭の板長だった知り合いの嘉平が、真帆屋という小さな店を出します。
料理の腕前は確かで繁盛し、寒天を使った「琥珀寒」という新作も人気になっていたのですが…
火事で、その店も焼けてしまいます。
そこのお嬢さん・真帆と、丁稚の松吉は親しくなっていたのですが…
行方を捜し続けて数年、大やけどをした娘に出会います。
おてつという違う名を名乗っていましたが、同じ火事で娘を亡くしたらしい母親と一緒に暮らしているのでした。

当時はまだ、蒸し羊羹しかなかったんですね。
寒天を生かす工夫を続ける松吉が、今の練り羊羹を開発するまで。
製法は秘密にせず、寒天の美味しさを広めようとするという。
登場人物が、なんとも生真面目で純粋。
心が洗われるよう。

銀二貫は、当時はやっていた心中物で、落としたお金と同じなんですね。
銀二貫が何度も出てくる構成になっていますが、縁は異な物というのか金は天下の回り物……(違?)
2009年6月発行。

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