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「海の底」

有川浩「海の底」角川文庫

有川さんの初期作品、自衛隊三部作の一冊。
二人の若くやんちゃな自衛官の登場から始まります。
SFというよりパニック物なので、わかりやすい。
おりしも米軍横須賀基地が春の桜祭りで開放される日。
ザリガニのような甲殻類が巨大化して人間より大きくなったのが横須賀に大量に上陸、襲いかかってくる。
怪獣というほど大きくはないが、すごい数と勢い。
桜祭りはパニックに。常識では対応できない‥

自衛隊の潜水艦は、米軍基地側にあるんだそうで。
潜水艦「きりしお」が停泊中。甲板にいるのは、海上自衛隊の夏木大和三尉と冬原春臣三尉という実習幹部。
ごつい顔で直情的な夏木と、冷静で優しげな冬原は一見対照的。
艦を乗っ取ろうとするテロが可能かどうかという模擬戦を行ったのがばれて、腕立て伏せ中でした。
上官は怒鳴りつけつつも、こういう跳ねっ返りが、危機に臨んでは役に立つと思ってもいたのです。

逃げてきた子供らを、かろうじて潜水艦に入れるだけは出来た二人の自衛官。
甲殻類にぎっしり囲まれて、身動きがとれなくなります。
自衛官としてはこれを外に漏らすことも出来ないという。自分で公表したら懲罰物なんだそうで。
子供が自分の携帯で親にかけるという形で、マスコミにリークします。
未成年者13人が取り残されたということで、騒動に。

子供らの面倒をいかに見るかという問題が、けっこう大きい。
たった一人の女の子・森生望が高三で17歳。けなげに頑張りますが、我慢するのになれている風情なのが、夏木は気になり始めます。
望に絡んでくる男子・遠藤圭介もいて、望よりは年下の中三だが、男子のリーダー的存在。
ご近所のイジメや葛藤が、非常時にも持ち込まれることに。

警察の機動隊が必死で頑張り、すぐには動けない自衛隊をいかに引っ張り出すか。
現地対策本部に、警察庁の三時間・烏丸警視正率いる派遣幕僚団が乗り込んできます。
県警本部の明石警部は、軍事オタクの掲示板をチェック。
明石は本部のリーダーになるほどの地位にはないが、実行力があるので少しずつ口を出しているうちに、おおかたを一番把握しているのは明石と、烏丸に見抜かれることに。

警察はこれほどの破壊力がある生き物に対して、対抗するほどの武器は持っていない。
自衛隊の出番なのに、こういう場面は想定外だったため?!に出動が遅れる。
例外的な災害出動ということにやっとなるのでしたが‥

日本の危機管理に問題があるという指摘は、今では洒落にならないけど‥
いや、危機管理については、みんなで勉強しましょう!
実行する権限のある人は、特にね。
そういう人を動かしましょう。

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