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「エドマンド・ゴドフリー卿殺害事件」

ディクスン・カー「エドマンド・ゴドフリー卿殺害事件」創元推理文庫

17世紀にイギリスで実際にあった事件を、ミステリの巨匠カーが推理したもの。
プロテスタント(英国国教会)とカトリックがせめぎ合う時代。
カトリックの陰謀が囁かれる中、廉潔で知られる高名な治安判事ゴドフリー卿が行方不明となり、数日後に死体で見つかったのです。

強引な捜査で、次々に容疑者が監獄にぶち込まれることに。
当時としては、珍しくないことだったらしいですが~。
なんとも癖のある登場人物が実在していたのが、面白い。

1678年。
時の王様は、チャールズ2世。
父のチャールズ1世は清教徒革命で処刑された王で、王子だった頃にはフランスに亡命していたほど。
チャールズ2世は見た目がよく、陽気で気どらず女好きで、人気があったそうです。
美人というほどではないが感じのいい王妃のことも、それなりに大事にしていて仲は良く、王妃がカトリックなので強硬な反カトリック派に攻撃された時だけは激怒したという。
王妃との間に子供がいなかったので、王弟ジェームズが後継者。
この王弟がカトリックに改宗していたために、王位継承を阻止しようとする策謀が激しくなったんですね。

反国王派のリーダー、シャフツベリー伯の強引さ。
カトリックの陰謀を暴くと名乗り出て、あることないこと喋りまくるタイタス・オーツ。
これが見るからに怪しい人物なのだが、妙なカリスマ性があり、世間を圧倒するのでした。
ジェズイット評議会で王の暗殺がもくろまれたという証言を元に、カトリック陣営の重要人物が捕まります。

そして、対立する陣営のどちらもが、敵国フランスのルイ14世から実はお金を貰っていたという妙な構造。
どう転んでもどこかで上手くいくように?裏工作が多い時代だったんですね。
17世紀の時代色がなんとも面白い。
強硬派を泳がせておいてやっつける王様に味方したくなります。

飛び交う噂、死体発見者の報、ゴドフリー卿の服装、届いた手紙、謎の発言、磨かれていた靴。
様々な証言が残っているために、縦横に推理を尽くした結論も・…ミステリとして楽しめます。
なるほど!と納得~。

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