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「女王エリザベスと寵臣ウォルター・ロ-リー」

ローズマリ・サトクリフ「女王エリザベスと寵臣ウォルター・ローリー」原書房

サトクリフがこの時代を取り上げているのは、珍しいかな。
女性が主人公というのは、さらに珍しい。

ウォルター・ローリーの少年の日から始まり、幼いベス・スロックモートンとの出会い。
二人が出会う庭園の描写がありありと美しく、その時代に入り込むようです。
ベスの視点が多く、もう一人のエリザベスみたいな話です。
タイトルとはちょっと、イメージが違いますね。
原題はLady in Waitingだったかな。
侍女のことですが、夫を待つ女という意味もあるのじゃないかしら。

個性の強い男の子が海を渡ることに憧れ、長じて輝くような将となり、女王の信頼を得て、夢のままに生きようとする~勢いが感じられます。
若いエセックス伯という寵臣が同じ時期にいて、このほうが恋人だったと思われますが、ローリーも寵を張り合うように宮廷に詰めていたのですね。
本当は常に海へ出ていたい方だったのに、それはなかなか叶わない。
ローリーは、宮廷人のほとんどを全く気に留めない~傲慢な性格。
嫉妬もあって好かれてはいなかったそうですが、船乗り達には圧倒的な人気があったという。

女王の侍女であったベスとローリーが勝手に結婚したことで、二人ともいったんロンドン塔に入れられる羽目になるのですが。
貴族の結婚は君主の許可を得なければならない時代。女王はそもそも、侍女の結婚にはいい顔をしなかったそうで。
エセックス伯も結婚して不興を買い、こちらはすぐに妻を田舎に送って別居状態に。
ローリーの方は、妻と隠棲したまま5年。宮殿の出入りは禁じられていたけれど、必要な場合には使われるようになります。
やっと許されそうなときにも、勝手に妻を伴って伺候。それなりに愛妻家だったようです。

ベスの若い頃からの知り合いで友達でもあったロバート・セシルは、寵臣二人の均衡をあやつるようでもあったという。
エリザベスの没後、エセックスと連絡のあったスコットランドのジェームズが王位に就きます。
ジェームズに憎まれ、その後ローリーはほとんどをロンドン塔で過ごすことに。
待遇は途中から良くなり、海外からもローリーに会いに来る人が増えて、ちょっとしたサロンのようになるのでした。
海へ行きたいと焦がれるローリーは、やがて危険な航海に出ることに。

妻のベスの視点が多いので、心境は推測というか創作かな。
作中では触れられていませんが、未亡人になったベスは、夫の首を防腐処理して生涯持っていたという。
それほどの愛とは?という話なんですね。
このへんの時代に興味があれば、非常に面白いです。

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コメント

図書館で確かめたら、やっぱり読んでいました!
わたしのイメージではローリーって、オジサンという感じなんですが、まあ、誰でも青春時代はあるわよね~
女王に群がる寵臣たちって、ちょっとうらやましい~
美男子をとっかえひっかえとか(笑)
この時代は首を斬っちゃうからこわいですね。へたくそな首切り役人にあたると災難だったとか。エセックス伯も処刑されましたっけ?

marieさん、
読まれてました?
私はこの本知らなかったわ~。

ローリーって海の男なんですよね。
宮廷では異分子だったみたい。
エリザベスには新鮮だった様子が、映画で良く描かれてましたね。
エリザベスはみんなに愛されるようにふるまっていたみたいですね。彼女はイギリスそのものだからみんな恋する、と書かれていました。

ローリーの末路を知らなかったんですが、おじさんになるまでは生きてましたね。
次の時代には不遇だったんだけど。
若くてハンサムなエセックスは、思い上がって王になれると思っちゃったんで…
エリザベスも処刑するしかなくなったようです。

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