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「古書の来歴」

ジェラルディン・ブルックス「古書の来歴」武田ランダムハウスジャパン

サラエボ・ハガダーという実在する古書をモデルに、その来歴を創作したスリリングな物語。

ヒロインのハンナ・ヒースは、古書の保存修復家。
中世の美しい希少本サラエボ・ハガダーが発見されたという報を聞き、まだ若手のハンナが抜擢されて現地に向かいます。
ハガダーとはユダヤ教徒が家庭で使う写本で、絵が入っているのは異例でした。

ハンナは、発見者の学芸員オズレン・カラマンと惹かれ合います。
しかし、そこはボスニア。
戦乱は一時よりはだいぶおさまってはいましたが。
オズレンは数ヶ月前に銃撃で妻を亡くし、幼い息子は生死をさまよっているという状態でした。
気まずく別れることになってしまいますが…

折しも、ハンナにも運命の大きな転換が訪れます。
ハンナは、高名な外科医である母サラが、未婚で生んだ一人娘でした。
父親は利用されただけの男かと思っていたのに、愛し合った仲で、しかも絵も知っていた有名な画家シャランスキーだったとわかったのです。ハンナが生まれる前に亡くなっていたのですが‥
自分にそっくりな親戚がいるとわかり、血縁の暖かい人々に囲まれる経験をします。

6年後、ハンナは父の名字に変え、オーストラリアで働いていました。
そこへ、新たな知らせが?

ヒロイン達が追求していく過去の事実。
ボスニアは歴史的にも、現代でも、民族や文化がぶつかり合う地点なんですね。
そのいきさつと、現代の人たちは知らない当時のもっと詳しい事情が交互に物語られます。

チトーの時代、珍しい本を戦火から守ろうと逃げる人たち。
ユダヤ狩りから生き延びた娘は、イスラム教徒の夫婦に、赤子の子守りとして助けられますが…?
さらに、さかのぼって~画師の父を見習って助手となった子が、追いはぎに襲われて奴隷に売られ、数奇な運命に…
何といきいきとしていること!
こんな事があったのかも知れない‥
あったとしか思えなくなってきますねえ。

これはベストセラーでしょう。
日本語タイトルが、やや地味かなあ。
著者はオーストラリアのシドニー出身。新聞記者として世界を飛び回ったそうです。2001年小説を発表。
2006年、2作目「March」でピューリッツァー賞を受賞。
夫もピューリッツァー賞受賞者だとか。
本書は3作目、2008年の作品。
面白かったです!!

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