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「桐島、部活やめるってよ」

朝井リョウ「桐島、部活やめるってよ」集英社

高校時代をまだ生々しく覚えている若い作家の作品。
清新なデビュー作です。

バレーボール部のキャプテン桐島が突然、休部。
そう知らされた部員達は…

桐島は、小学校の頃からバレーボールをやっていて、ひときわ真面目で熱心だったのです。
性格は悪くない。一人だけ確かに能力も上だった。言っている内容も正しい。
が…
一人で皆を叱り続けるような形になり、桐島一人が浮いてしまったのです。
それぞれの気持ちが独白体で、わかりやすく。
桐島本人のは、ありません。

菊池宏樹、小泉風助、沢島亜矢、前田涼也、宮部実果、菊池宏樹という名前での章立て。
菊池は、桐島がやめると竜汰に聞いて、「マジで?」と聞き返す。
菊池は野球部に籍があるのですが、真剣になれず、それでも試合にだけ駆り出されたりしていました。
竜汰のほうは、部活に入っていない。友宏とバスケをしたり、そのあと桐島と一緒に帰ったりはしていたのですが。

小泉は、桐島のいるバレー部で、同じリベロ。
桐島の力は誰よりも認めていましたが、いなくなれば自分が試合に出られるということでもあるのです。
葛藤しつつ、孝介や日野らと桐島が気まずくなっていくのをただ見ていた日々。

亜矢は、ブラスバンド部の部長。
クラスの華やかなメンバーからは、外れています。
クラスでも一番カッコイイ竜汰、菊池、友宏とは話す機会もないのですが、実は好きな男子がいました。

前田は、映画部。
クラスでも特に地味なオタク二人で、行動しています。
意外にも高校生映画コンクールで賞を獲り、嬉しい驚き。
中学時代は放送部で、映画が好きなかすみと親しくなったこともありました。
今はすっかりキレイになったかすみとは、つきあいもないのですが‥
お互いに、忘れてはいない。

実果は、バレーボール部の孝介の彼女。
孝介のごく普通の高校生な単純さが、好きだったのです。
母と二人で暮らしていますが、じつは子連れ同士の再婚だったのが、事故で父と異母姉がなくなり、血の繋がらない二人が残ったという状況。
高校のクラスメートは誰も知らないことですが、一番複雑な家庭です。
亡き姉のカオリがやっていたソフトボールをやっているのですが‥

スポーツをしている感覚が生き生きしてますね。
スポ-ツは苦手だし、高校では経験ないから、熱心に部活やるって実感としてはわかんないですけど。
バレーボールで食べていくわけじゃないし?という子もいたりね。
高校生の表面的な階層みたいな物、その絶対的な感じと、あつれき。
実はそういうこととは別に、静かに積み重なっていく物やきらりと光る物がある。

こういうのって…
もう無理かなあとも思いつつ、いや皆が本気で嫌って追い出しにかかったのとは違うし、それぞれに振り返ったり、惜しいと思ったり…
これでは終われないんじゃ?!と希望も残されています。

作者は1989年生まれ。岐阜県出身。
早稲田大学文化構想学部。
2009年本書で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
大学ではストリートダンス部に所属。

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