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おすすめ本

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2011年10月

「身体のいいなり」

内澤旬子「身体のいいなり」朝日新聞出版

作者は、1967年生まれのライター。
日本各地、海外諸国へ出かけてのイラストルポに定評があるそうです。
病気をきっかけに~健康を取り戻した経験を描いた本です。

じつは、子供の頃から虚弱だった著者。
アトピー性皮膚炎、胃酸過多、腰痛、謎の微熱、冷え性、むくみ、無排卵性月経などの病歴が…
いぜんは、若さと気力で押し切っていたそうです。

乳ガン手術を経て、何故か今はかってなく健康で快調!
乳ガンそのものは重いステージではなかったそうですが、病院通いは何かと大変。
部分切除の後に全体切除、そして乳房再建のあれこれ。
赤裸々な経験談を、具体的に、面白おかしく。
健康の秘訣は~必見?!

ライターで収入が不規則な貧乏暮らしで、おしゃれもしなかった若い頃。
さらに皮膚炎のために、化粧も出来なくなってしまったそう。
ところがヨガへ通うようになって、しだいにオシャレも出来るコンディションに。
今頃になって、ごく人並みのオシャレも楽しんでいるとか。

幾つかの点で、共感できます。
20代が非常に身体が弱くて、あれこれ試行錯誤しました。
その後も何度か倒れちゃって。まあ、手術とか、ここまですごい経験はしていないけど…
面白かったです。

「眺めのいいヘマ」

ジル・チャーチル「眺めのいいヘマ」創元推理文庫

タイトルは「眺めのいい部屋」のもじりですね。
大好きな映画です~。
良家の娘の結婚を巡ってという所にも、内容に共通性が。

前の作品で、ジェーンのクリスマスの催しに感心したという女性から、結婚式のプランニングを依頼されます。
こう頼まれては断れません。
有能な親友のシェリイも引きずり込んで、奮闘が始まります。
依頼者のリヴィ・サッチャーはお金持ちの娘で、親から継いだ会社を実質的に経営しているのでした。
仕事が忙しいので、会場は家の別荘を使って出来るだけ簡略に、細かいことは信頼できる人に任せたいのだという。

元は修道院だった狩猟小屋は古びてはいますが、立派な大きさ。そこはジェーンが様々な手を使って~明るく仕上げていくのです。
ブライズメイド(花嫁の付き添い)の衣装の仕上がりが遅れているのが気がかりで、お針子のミセス・クロスウェイトには現場に来て仕上げて貰うことに。
付き添いの3人は布だけは同じ素材で、デザインは各自の好みで作ってもらうというのがジェーンのアイデア。よさそうですね。

リヴィはきちんとしているけれど真面目一方で、新郎ドウェインはハンサムだがどうも金目当てのように見え、あまり似合わない相手。
親戚なども、いささか問題発言を…
結婚そのものが破談になるのではとはらはらしつつも、準備は進みますが…?
華やかなシーンもあり、会場に集まった人々の中で事件が!という王道な展開。
重すぎず、面白く読めました。

「片づけられない女のためのこんどこそ!片づける技術」

池田暁子「片づけられない女のためのこんどこそ!片づける技術」文藝春秋

最近になって、ぼちぼち~こういった本も、また読み始めていました。
わかりやすいタッチのコミックで、描かれています。
最初の散らかりっぷりが、かなりすごくて、笑えます。
ここまでなったことはないなあ…
一人暮らしで仕事が忙しかったら、どうかわからないけど?

汚部屋に住んで、何をするにも能率が上がらない生活に、うんざりしていた作者。
ある日、ショックなことがあって、一念発起。
とはいえ、なかなか難しかったのですが~~?
とっかかりのコツなど、苦手な人へ、共感のこもったアドバイスが嬉しい。
上から目線じゃないのが、良いですね。

ここまで片づけられなかった人が、実行できるのかと勇気を貰えます。
しかも、ずっと続くのは…嘘のよう?
プロのアドバイスを受けて、成果を本にして公表する!のがコツなのかも?

自分の部屋がどの程度か?というチェックもあります。
…そりゃ足の踏み場は確保してるし~汚部屋まではいかないけど…う~ん、ギリギリ?
もの多いし~散らかってて、これ以上片づけるのがなかなか…
いぜんに何度か、片づけた努力をだんだん、うっすら思い出したり。

この本のおすすめはまず、台所をやっつけること。
捨てる物の決断をしやすいそうです。
ピカピカに洗うと気分がよくなるしね。
読んだ後、ガラスのコップ類を重曹で洗いましたよ!
まだ8月だったかな…
今なら~服からやるのが良いかもね?

お昼寝ポーズ

110804_131407うちの猫みゅんです。

110804_131419どうなってるか、わかりますか~?
まだ暑さが残っていた頃の写真です。
古いデスクの上でいつものお昼寝…

110804_131413お手々を整理ボックスを二つ重ねた上にのっけています。
押しのけているというか~
なんでかな?
風が通るようにしてたのかしら。

110804_131348「なあにぃ?」
ごろんとひっくり返ってお腹を出して、愛嬌振りまいて。

110804_131436「やだなあ、お手々は大事なんだよ」
こうやって、頭を洗ったりね。

「ふがいない僕は空を見た」

窪美澄「ふがいない僕は空を見た」新潮社

高校生の男子が主人公。
さらに様々な人物が登場。
いきいきと描かれていて、だらしなかったり、弱みだらけだったりしますが。
とんでもないエピソードに笑ったり、ハラハラしたり。
酸いも甘いも噛み分けた大人になりたい?気分に。

「ミクマリ」「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」「2035年のオーガズム」「セイタカアワダチソウの空」「花粉・受粉」という章立て。

高校から真っ直ぐ、おれ(斉藤卓巳)はマンションの一室へ。
なにかのアニメのなんとかいう役の衣装を着ている「あんず」(仮名)に合わせて、自分もコスプレ衣装を着るんです。
高校に入ってすぐ、友達に連れて行かれたコミケでナンパされたのです。「むらさめ様」に似ているとかで…

夏休みは、私営プールの監視員のバイト中。
同じ高校の松永という女の子に告白されたばかりで、あんずと別れてから交際したいと思い、そう伝えることに。
母子家庭で、母親が助産師、自宅が助産院。時々、妊婦をさすったり手伝うこともあるのでした。
あんずは最初は別れを怒りますが、彼女の方も代理出産を依頼するためにアメリカに渡ると告げるのです。

あんずの本名は、里美。
おっとりして、昔から要領が悪いほう。
求められるままに結婚し、居場所を得て満足していたはずだったのですが。
子供は大して欲しくないのに、夫の母親に強く干渉されます。
夫は、ストーカーだったこともあるような性格とわかってくる‥

松永七菜は、友達のあくつに、ネットのコスプレ掲示板にこんなのが流れていると、交際し始めたばかりの斉藤の写真を見せられます。
じつは家庭にも問題が…
兄の優介は優秀だったのですが、大学入学後次第におかしくなり、一時行方不明に。
長野の団体の施設で、主催者らとフリーセックスに‥?

セイタカとあだ名で呼ばれていた福田良太。
コンビニでバイトをしていると、同じ団地の子供が万引きに来るのです。
母は出て行き、ぼけてしまった祖母と暮らしていました。
コンビニの先輩格で実質仕切っている田岡さんという20代後半の男性が、勉強を教えてくれて、次第に成績が上がっていきます。
良太は斉藤の友達なのですが、微妙な嫉妬も。
田岡はびっくりするほど親切なのですが、じつは…くらい性癖がありました。

男の子は、た、確かに~ふがいないかも…
悪い子じゃないんで!
いや不倫ではあったけど~よく知りもしないのに誘われるままにコスプレとは…
まあ当事者だけの問題でしょ。
ネットにのせたり、近所に写真配ったりする方が悪質。
高校生がこんな目に合うとは。外に出られなくなるのはわかるけど、これは~立ち直りましょう。ぷぷ。

斉藤クンは母親が助産師なので、妊婦の声が溢れる家庭で育ったのでした。
この母の人生も‥
苦難もあるけれど、時に理解者も出てきてくれて、救いもあります。
漢方薬局のリウ先生とか。
斉藤の担任ののっちーこと野村先生も、頼りないけど優しいし。
母親になる女達のたくましさや、生まれ出る生命の必死さが、厚みを出していますね。

生ハムのパスタとマンゴーのケーキ

110809_160929ちょっと前に食べたものですが~
アフタヌーン・ティールームのセットです。

110809_160941生ハムとほうれん草の~
グリーンクリームソースのパスタ!
彩りが綺麗でしょ♪

110809_160951紅茶はアフタヌーン・ティーだったかな…

110809_163020ハーフサイズのデザートは季節のショートケーキ。
マンゴーとパッションフルーツです。

月曜日に父が入院しました。
朝の6時に物音で起きて、ベッド脇に伸びているのを発見した所から…
長い一日でした。
入院する日って手続きとかにかかるんですよね~。
今は様子を見ながら薬を変えたりしているそうで、父もとりあえず落ちついております。

私もぐったりしちゃって…
ちょっと食欲がないんですが。
いや料理する元気がないだけで、
いただき物をつまんだりして、結局~量は食べてますけど!?
イタリアンなら食べやすいんですよね。
それともちろん、ケーキは別腹☆

「何か文句があるかしら」

マーガレット・デュマス「何か文句があるかしら」創元推理文庫

コージー系の楽しいミステリ・シリーズ一作目。
おしゃれな表紙イラストがピッタリです。

セレブな30代のアメリカ女性チャーリー。
結婚とは縁遠いと自他共に認めていたのに~イギリス滞在中に、運命の人と出会って電撃結婚!
チャーリーは自前の劇場を持つ劇団を経営していますが、大富豪の家系なので、赤字は財産で補填できるというもの。

演劇研修に行ったロンドンで出会った彼は、ジャック・フェアファックス。
長身で、ちょっと若い頃のグレゴリー・ペックに似ている彼。チャーリーの方はヘプバーンというよりはイザベラ・ロッセリー二だとか。
アメリカに渡った新婚夫婦が、とりあえず泊まることにしたホテルの部屋に、なぜか死体が…!?
結婚したと知らない劇団関係者が階上を借り切って帰国歓迎のために集まっていたので、新婚気分はお預けに。

チャーリーの叔父ハリーは、元不良の大金持ちで、既に両親のいないチャーリーのことには何かと口を出してきます。
金持ち故の悩みで、恋人と思ったら手切れ金目当てだったという悲惨な経験もあったのでした。
叔父の娘シスは、薬物などの中毒の治療に出たり入ったりしています。
今は恋人が出来て安定している時期らしかったのが、突然誘拐され…?
しかも夫のジャックは何か隠しているらしい。ハリーはすぐに調べをつけて、あてこすってくるのです。
海軍の気象学者だったというジャックの経歴が、実は…?

事態は、連続殺人事件の様相を呈してきます。
有能なアイリーンや、人のいい親友のブレンダなど、周りを囲む人々も生き生きしています。
チャーリーを守ろうとするがゆえのジャックの行動で、隠し事をされたとケンカになりつつ、事件の解決へ。
後半は、冒険ものの要素も。

大金持ちという現実離れした設定のせいか、公演しようとしている戯曲の年代というせいか、いい意味でレトロ風味な楽しさもあります。
タイトルもいいですね。
原題のSPEAK NOWってこういうニュアンスなのかしら。「文句があるならさあ、言って!」みたいな。

「本に埋もれて暮らしたい」

桜庭一樹「桜庭一樹読書日記」

読書日記も4冊目。
2009年7月からの~1年間。
相変わらず~毎日のように本屋へ行って、寝つくまで本読みまくり。

「人生の大事なシーンで、なぜかドナドナ感が」と指摘されたり。
直木賞受賞というめでたい日なのに、車に乗せられて心細そうだから?

「芸人と編集者って雰囲気がけっこう似てるぞ」と大沢先生が鋭い指摘!?
結婚パーティーでのことらしい‥
文春の編集者フリル王子は、全身コムデギャルソンで、新郎と間違えられたとか。

「思いやり長屋」と覚えていた本は、「親不孝長屋」だったとか。
「アンダルシアの腰かけ」と覚えていたのは、「肩かけ」だったとか。
人間不信に陥りそうな本を並べたり‥う~ん、読むべきか読まざるべきか?
ドリス・レッシングは読みたいかなあ。作風の幅が広すぎて、選択に迷い、失敗したかもと思うそうですが。

深田恭子の謎の風格とか(ヤッターマンのこと)肉体で存在感がある人にはコンプレックス?
小さく入っている写真も、おかしくて楽しい。
「トワイライト」のファンになっていて、熱く語るのが当然のような意外なような。
編集者達との会話で、近頃の三十男は自分のことをかわいいと思ってないか?というのが面白い。それより上だともう少し雑に育てられているが、30代は面倒くさいとか。

赤い特攻服を着ての写真撮影など、楽しそう。
白い魔物(あいふぉん)に翻弄され‥
メカ音痴なのは~共感!
しかし、アマゾンで本を買うことが出来ないとは…
しかも、皆に「そのままでいてください」といわれるのね。

これほど本を読むのは、今よりも物事をわかりたいという~気持ちがある、とか。
一つのジャンルに詳しくなるのではなく、全体のバランスを取りながら、小説という文化全般を、うっすらとよくわかりたいとか。
この作品はどうしてこういうふうに作られているのか、その意図がわかってくると、魔法が一つ使えるような気分になるそう。
へえぇ‥

個性的な編集者に、瞠目。
面白い人が多いんだなあ…
そして、とっても本を愛しているのね。
作家本人は、いずれは若い編集に怖がられるようになるのでは、という予想に戸惑ったり。太刀打ちできないぐらい本を読んでいるぐっと年上の作家ともなればね。
いつかはね。

「ジュリエット」

アン・フォーティア「ジュリエット」角川グループパブリッシング

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を巡る~歴史ミステリ。
冒険もロマンスもたっぷりです。

ヒロインのジュリー・ジェイコブスは、25歳。
シェイクスピアについて短期の講義をしながら、気楽に暮らしていました。
髪を三つ編みにして、身体の線の出ないヒッピーめいた服という~地味な格好。
奔放な双子の妹ジャニスと仲が悪く、何かと笑いものにされたりもしたので、正反対の生き方をしてきたのです。
二人はイタリアで生まれましたが、両親が亡くなって大伯母のローズに引き取られ、アメリカで育ちました。
大伯母は善意の人なのですが、物事を手際よく処理することは出来ない方。執事のウンベルトがよく世話をしてくれていました。

大伯母が亡くなり、遺産は意外にも妹のジャニスへ。
お気に入りと思われていたジュリーには、鍵がたった一つ。
イタリアに、亡き母ダイアンが遺した物があると、知らされます。
ジュリーの本名はジュリエッタ・トロメイで、なんとあのロミオとジュリエットにまつわる家の子孫だというのです。
ロミオとジュリエットの原話は、ヴェローナではなくシエナで起きた事件で、ロミオ・マレスコッティとジュリエッタ・トロメイの悲恋。
ジュリエットには妹ジアノッツァがいたという。
そして、一族に伝わる秘宝が‥?

空港で荷物を無くしたジュリーに、知り合ったばかりの女性が親切にしてくれます。
過去にはトロメイの宿敵であったというサリンベーニ家に嫁いだマダム、エヴァ・マリア。
エヴァ・マリアの名付け子で軍警察警部のアレッサンドロにも引き合わされますが、露骨に不審の目で見られてしまう。
過去に何があったのか?
母ダイアンが、熱心に調べていた事実とは‥?
なぜ、両親のことを何も教えて貰えなかったのか‥
秘密は、少しずつ解き明かされていくのです。
美しい街シエナの描写が、魅力的。
ゴシック建築の宝庫なんですね~。

しだいにアレッサンドロに惹かれていくジュリエッタ。
当初はジュリエッタを疑ったアレッサンドロの方も…
シエナの地区ごとの誇りや争い。
今に伝わる家の名前と伝統。
アレッサンドロの名付け親エヴァ・マリアの豪邸や、そこでのパーティーも見物。
双子の妹ジャニスも、イタリアに来て、けんかしつつも、調査を続けるのです。

1340年のシエナでは、トロメイ家の生き残りジュリエッタが、家族を殺した一統の領主サリンベーニに嫁がされることに。
ジュリエッタに恋した名家の若者ロミオ・マレスコッティは、パリオという競馬の試合で、聖母マリアに願いをかけます。
ところが、サリンベーニの陰謀で、トロメイ家の息子テバルトを殺した犯人にされてしまい…?

過去も現代も、危機に継ぐ危機でスリリングな展開。
後半は冒険物と言っていいですね。
どんどん読めて、面白かったです。

作者はデンマーク生まれ。2002年映画業界で働くためにアメリカに移住、エミー賞を受賞した作品制作も。現在はカナダ在住。
イタリア好きの母親と何度もイタリアへ行き、今回の小説を書くにも調査協力もして貰ったとか。

[追記]パソコンが動かなくなってしまい、更新が滞っておりました。
そのうえ、月曜日には父が入院!
そこへ至るまでも大変でした。
なんか頭も働かなくなっちゃって…下書きをしてあったものの中から、ぼちぼちアップしていきます。

「漂砂のうたう」

木内昇「漂砂のうたう」

直木賞受賞作ですね。
明治10年頃の根津遊郭が舞台。
侍を捨て、今は美仙楼という見世の妓夫台(ぎゆうだい)に立つ立番の仕事に就いている定九郎が主人公。
年は26ですが、この見世にはまだ半年ほど。
遣り手のおばさんには気に入られて取り入りながら、適当に仕事を流しています。
店先に男が立つ台は二つあり、客に声を掛けて見世に上がるように誘う役目。
隣の格上の台に立つのは妓夫太郎という役で、龍造という男がつとめています。

女達がひしめく街。
根津遊郭は小見世も合わせると百軒近い妓楼と、二十数軒の引手茶屋からなっていたんだそうです。
美仙楼は中程度の見世ですが、小野菊という花魁は、泥の中に咲く蓮の花のように、どこか凛としていました。
呉服屋の主人という良い馴染み客もいて、身請け話も出たのに、花魁は断ったという。その理由は真夫だという噂だけれど、それらしい男の存在は見かけない。

定九郎はもとは御家人の家柄。とはいえ、部屋住みの次男でした。
父が旧幕軍にも彰義隊にも加わらないと聞いて、悲憤した兄。
定九郎は出奔したまま、女の所を点々として家も持たず、世をすねた気分のままでしたが…
車引きの新入りが下手で仲間に罵られているのを見ると、それは何と兄…
連絡一つしなかったのをなじられても、何も言えない。

賭場を開いている山公という男は、実は長州の出。
見世のために上がりを受け取りに行く定九郎は、ある日突然、山公が消えたと聞いて驚きます。
薩摩の西郷の元へ行ったという噂でした…

何かとまとわりついてくるポン太という40男は、噺家の弟子。
少々薄気味悪いものを感じつつ、小野菊花魁に使いを頼まれて出向くことになります。
ポン太の師匠がやっている落語の牡丹灯籠を見る定九郎。
これがなかなか~いい味出してます。

遊郭の生活ぶりが、丁寧に描かれていきます。
まだ揺れ動く時代の中で、それぞれに何か屈託やこだわりを抱えた人々。
どろどろした環境にあって、潔さもあり、ささやかな矜恃もあり。
展開が見えそうで~すぐには見えないところがみそ?
少しだけ、いい空気も入ってくるような‥

水色の浴衣もラスト

110901_175003水色のぼかしの浴衣の夏姫ちゃんです。
すっかり季節はずれですが~
アップしてしまいますね。

110901_175437赤い花柄の帯に替えました。
木綿のちりめんで、リボン風の文庫結びです。
110901_175403髪を高くまとめて、ちょっと今風に。
そこへ、文那さんの登場です。
「あら~かわいいのね」
110902_171031文那さん、大人っぽいですね。
自然な肌色に、濃いめのリップで余裕の笑顔。
お姉さんぽいというか。
「そのアレンジも可愛いけど~
この帯だったら、こっちの赤い花飾りも良いかも」
110902_171139 「わあ、ありがとう~!」
夏姫ちゃんは、ちょっと妹キャラ?
…実は去年も同じような展開でした…
陶器のような肌に、黒い目がキュート☆

「ロードサイド・クロス」

ジェフリー・ディーヴァー「ロードサイド・クロス」文藝春秋

キャサリン・ダンスもの2作目。
事故死した人を悼むかのような道ばたの十字架(ロードサイド・クロス)は、殺人の予告?
誘拐された少女は、ネットで何かに関わっていた…

キャサリン・ダンスは、30代。カリフォルニア州捜査局(CBI)の捜査官で、ボディランゲージの専門家。
夫を事故でなくし、息子と娘を育てています。
保安官事務所の刑事のマイケル・オニールとは、家族ぐるみのつきあいがあり、調査で行動を共にすることも多い~良き相棒。

モンテレーに住む十代の少女タミーが拉致され、車に監禁されたまま海辺に放置されるという事件が起きました。
キャサリンは、タミーの尋問に、病院へ向かいます。
モンテレーベイ病院は、キャサリンの母イーディが看護師として働いているところ。
病院前には、安楽死に抗議するプラカードを掲げた群衆がいました。
前作の事件で火傷を負って亡くなった刑事が、じつは安楽死させられていたのです。
なんと、その件で、母イーディが逮捕されてしまう。
また少女が襲われ、こちらの事件の捜査で、キャサリンは母の元を離れなければならない…心配だけでなく後ろめたさもあったり。

ネットで様々な問題を取り上げる有名なブログ「チルトン・レポート」に、狙われた少女達が書き込んでいたことがわかります。
高校生が起こした交通事故について、運転していた男子トラヴィス・ブリガムが逮捕もされなかったことが非難されていたのです。
あることないこと書き込まれ、簡単に身元も特定できるブログ‥
家には投石され、トラヴィスは姿をくらませます。
本当に、犯人は彼なのか?

ネットの分析について、カリフォルニア大学の教授ジョン・ボーリングも協力することに。
キャサリンの前に、あらたな男性が登場?

調査局内部の均衡や、家族の関係、ネットの含む問題、さらにマイケルとの微妙な間柄など~様々な問題を含みながら、数日間で怒濤の展開。
どんでん返しは、いかにもディーヴァーらしく、楽しめます。
リンカーン・ライム物よりは現実的というのか、あれほど極端にスリリングではないけれど、細やかで落ちついた筆致。
面白かったです!

「桐島、部活やめるってよ」

朝井リョウ「桐島、部活やめるってよ」集英社

高校時代をまだ生々しく覚えている若い作家の作品。
清新なデビュー作です。

バレーボール部のキャプテン桐島が突然、休部。
そう知らされた部員達は…

桐島は、小学校の頃からバレーボールをやっていて、ひときわ真面目で熱心だったのです。
性格は悪くない。一人だけ確かに能力も上だった。言っている内容も正しい。
が…
一人で皆を叱り続けるような形になり、桐島一人が浮いてしまったのです。
それぞれの気持ちが独白体で、わかりやすく。
桐島本人のは、ありません。

菊池宏樹、小泉風助、沢島亜矢、前田涼也、宮部実果、菊池宏樹という名前での章立て。
菊池は、桐島がやめると竜汰に聞いて、「マジで?」と聞き返す。
菊池は野球部に籍があるのですが、真剣になれず、それでも試合にだけ駆り出されたりしていました。
竜汰のほうは、部活に入っていない。友宏とバスケをしたり、そのあと桐島と一緒に帰ったりはしていたのですが。

小泉は、桐島のいるバレー部で、同じリベロ。
桐島の力は誰よりも認めていましたが、いなくなれば自分が試合に出られるということでもあるのです。
葛藤しつつ、孝介や日野らと桐島が気まずくなっていくのをただ見ていた日々。

亜矢は、ブラスバンド部の部長。
クラスの華やかなメンバーからは、外れています。
クラスでも一番カッコイイ竜汰、菊池、友宏とは話す機会もないのですが、実は好きな男子がいました。

前田は、映画部。
クラスでも特に地味なオタク二人で、行動しています。
意外にも高校生映画コンクールで賞を獲り、嬉しい驚き。
中学時代は放送部で、映画が好きなかすみと親しくなったこともありました。
今はすっかりキレイになったかすみとは、つきあいもないのですが‥
お互いに、忘れてはいない。

実果は、バレーボール部の孝介の彼女。
孝介のごく普通の高校生な単純さが、好きだったのです。
母と二人で暮らしていますが、じつは子連れ同士の再婚だったのが、事故で父と異母姉がなくなり、血の繋がらない二人が残ったという状況。
高校のクラスメートは誰も知らないことですが、一番複雑な家庭です。
亡き姉のカオリがやっていたソフトボールをやっているのですが‥

スポーツをしている感覚が生き生きしてますね。
スポ-ツは苦手だし、高校では経験ないから、熱心に部活やるって実感としてはわかんないですけど。
バレーボールで食べていくわけじゃないし?という子もいたりね。
高校生の表面的な階層みたいな物、その絶対的な感じと、あつれき。
実はそういうこととは別に、静かに積み重なっていく物やきらりと光る物がある。

こういうのって…
もう無理かなあとも思いつつ、いや皆が本気で嫌って追い出しにかかったのとは違うし、それぞれに振り返ったり、惜しいと思ったり…
これでは終われないんじゃ?!と希望も残されています。

作者は1989年生まれ。岐阜県出身。
早稲田大学文化構想学部。
2009年本書で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
大学ではストリートダンス部に所属。

痩せたかな?

110714_212512ちょっと前のみゅんの写真です☆
夏に具合が余り良くなかった頃…
確か、病院へ連れて行く前の晩?
ちょっと痩せて~
お腹の皮がたるんでる?
110714_212404_2
翌日、
何が起きるかはまだ知らない顔。

110806_191150こちらは病院へ行った後。
直後ではないですが~
療法食を食べたがらないせいもあって、
少し痩せました。
110806_191137なんか、ぺっちゃんこな感じ?
体重はもっと落としても良いぐらいだそうなので。
今はお気に入りのと療法食と混ぜています。
110806_191120「美味しいのをもっと足して~」と
再三、ねだられますけど。
なんだかなんだいって、まあ食べてくれてます。
元気ですよ~。
毎日、楽しそうにしてます。

「五番目の女」

ヘニング・マンケル「五番目の女」創元推理文庫

スウェーデンの警察物。
クルト・ヴァランダーが主人公の人気シリーズ、6作目。
スウェーデン南端のイースタは小さな町ですが、交通の要衝に当たっているために犯罪は少なくないのです。

ヴァランダーは、父とローマ旅行に行って帰ってきたところ。
父は気むずかしく、痴呆が時折出てもいたのであまり上手くいっていなかったのですが、旅行先では楽しく過ごすことが出来ました。
父は長年ほとんど同じ絵を描き続けてきた画家で、イタリアに行くのは生涯の夢だったらしい。
その旅行に同行できた幸せを感じるヴァランダー。

帰国後、妙な事件が相次ぎます。
元自動車販売会社経営の老人エリクソンが行方不明になり、様子を見に行ったヴァランダーは、エリクソンが敷地内の壕に落ちて串刺しになっているのを発見。
周到に用意された犯罪の残酷さに、一斉捜査にかかったメンバーは青ざめます。
花屋の老人ルーンフェルトが、海外旅行に行くはずが行っていないという事件も。
孤独がちで無害そうな彼らに、何が…

犯人の側からの描写も入るので、大体犯人像はわかっているのですが、詳細はむろんわからない。
前半は、恐るべき犯人が警察の前に立ちはだかるという印象。
連続殺人であっても、サイコパスというわけではない、知性と狂気を併せ持つ犯人。意志が強く計画的。
後半、犯人に迫っていく様子がスリリングに描かれます。

父の死、その前後の家族の気持ちや、やりとりも。
娘のリンダは独り立ちしていて、なかなか連絡もくれない。
ヴァランダーは恋人のバイバと結婚を考えているのですが、両親の離婚を見ていた娘には、結婚に向いていない人間なのにと批判されてしまいます。
バイバになかなか連絡ができず、結婚したい気持ちになっているにしては、仕事優先過ぎ?おいおい、どっちなのよっていう。

治安の悪化を憂えて市民自警団を作る動きが活発化し、それも警察には頭の痛い問題となります。
マーティンソン刑事の娘が学校でいじめに遭い、父親が刑事だからという理由だったために、真面目なマーティンソンは辞職を考えるほど。
引き留められるのはあなただけと言われるヴァランダー。
事情聴取に際して、ヴァランダーの人柄が生きてきます。
情熱的で、のめり込みタイプなんですね。

シリーズ1作目では、妻に出て行かれて破綻していましたが、少し落ちついたかな。
1996年発表のシリーズ6作目、2010年8月翻訳発行。

「モンティニーの狼男爵」

佐藤亜紀「モンティニーの狼男爵」光文社文庫

佐藤亜紀さんをご紹介したことがないのに、気がついて…デビュー当時から読んでたのに。まあ、冊数はそんなに読んではいませんけど~ね。
第3回(1991年)日本ファンタジーノベル大賞「バルタザールの遍歴」を読んだときには、そのイメージの広がりと描写の精緻さにおおっと思ったものでした。
翻訳物を読むような雰囲気が楽しいですよ。

この作品は、章タイトルもしゃれています。
Ⅰ モンティニーの男爵が奥方を迎えたこと
Ⅱ 男爵が奥方の裏切りを予感すること
Ⅲ <狐>が奥方の愛を得たこと
Ⅳ <狼>がモンティニーを追放されたこと
Ⅴ 大団円。または、良い人は幸せに、悪い人は不幸せに終わったこと。
という。
ビアズリーの挿画で見たいような雰囲気です。

貴族はつらいよ、みたいな~お話。
語り手はラウール・ド・モンティニー。
マイイという湯治場の近くにある村と、同じ名前の男爵なのです。
18世紀フランスの話で、革命前…なかなか、いい雰囲気で好みですね~。

放蕩者の父はパリへ出奔、田舎に残された母が内気な息子を守り育てていましたが、10歳の頃に母もなくなってしまいます。
ラウールは、一人で百科全書を読み上げたりして、成長していくのでした。
森の奥深くまで入って遊び、密猟者と友達つきあいをしたり。
狩猟だけは、かなり得意だったのです。

父の弟である叔父は神父ですが、オシャレで、かなり放蕩者。
1777年、至急の呼び出しでラウールがパリに行くと、縁談が整えられていました。
相手のドニーズは美人というほどではないのですが、15万リーブルの年金という大変な持参金がありました。
前の婚約が破談になったために、急遽ラウールに花婿役が回ってきたという成り行きでしたが。

すぐにドニーズをかなり好きになったラウールですが、ドニーズのほうは礼儀正しく優しいけれど、愛情というほどのものは見せない事に次第に気づかされます。
逆上したドニーズに「あなたの子供なんか欲しくない」とまで言われる始末…これには、ラウール自身も気づいていなかった、ある理由もあったのですが?

小綺麗別荘に住むブリザック夫人という中年の魅力的な女性に出会い、父や叔父とも関係があったのではと感じるラウール。
ブリザック夫人の愛人らしき美青年ギヨーム・ルナルダンに、ドニーズが恋してしまうのです…
理不尽な恋というものが突き動かす運命に~凝りまくった描写で、どこか不思議感覚がプラスされた展開。
章タイトルどおり、後味のいい結末です。

「ロザムンドの死の迷宮」

アリアナ・フランクリン「ロザムンドの死の迷宮」創元推理文庫

中世イギリス・ミステリの2冊目。
アデリアは、女ながらシチリアの大学を出た医者。
事件の調査のために、シチリア王からイギリスに派遣されました。
当時のイギリスでは女医など考えられず、魔女扱いされる危険が大きいため、サラセン人の召使いの男性を医者として、自分は通訳兼看護師としてふるまっています。

シチリア帰国をイギリス国王ヘンリーに許されず、一作目に出来た恋人との間の愛娘アリーを一人で育てているのでした。
頼りになる乳母はいるけどね。
アリーの父は、ロウリー司教。結婚はアデリアが断ったのだが、それを受け入れて去っていったことを怒っている女心。

今回の事件は、国王ヘンリー2世の愛妾ロザムンドの毒殺事件。
王妃エレアノールは王に幽閉されていたが、脱走。疑われるが、雲隠れしたまま。
ヘンリーとエレアノールは何人も子をなした仲なのですが、しだいに険悪に。王妃幽閉の理由は、下々には、はっきりしていませんでした。
仲違いの理由は~度重なる浮気のうえに、麗しのロザムンドと歌われた愛妾のせい?
しかし、ロザムンドの暮らす塔の庭を迷宮にしたというのは…ヘンリーは何を考えていたのやら。
…ロザムンドが太っていたというのは…事実??

子供達は皆、けっきょく母親の味方というのは、ヘンリーに問題もありそうですね。父である前に王だったのでしょうか?
このとき王が激昂すれば、国を二分する戦乱が起きそうな事態に。
ロウリーからの呼び出しに、複雑な心境のアデリアなのです。

傑物の王妃エレアノールが登場。華やかで楽しめます。
質素な暮らしをするアデリアからすれば、他国の王妃には違和感もあるのだが、次第に特異さも認めるようになります。
作者はヘンリーの大ファンのよう。
急逝が惜しまれます。
まだ続きが2冊あるのは、翻訳して貰えそう?!

グラタンのプレート

110628_155516グラタンのセットです。
サイズは小さめで、女性好み。
丁寧に作られています。
110628_155529海老グラタン…うふふ♪
優しいお味です。

110628_155523このパンが美味しいんですよ~。
クロワッサンとブリオッシュを合わせたみたいな。
(「パンがないならケーキを食べたらいいじゃない」とマリー・アントワネットが言ったというのは~他の女性が「パンがなければブリオッシュを食べればいいじゃない」と言ったんだそうで)
110628_155534デザートにアイスクリーム付き。
子供の頃、デパートに連れて行って貰ったことを思い出しますね。

ダイエット中には駄目なメニューですが~
こういうのが天然の精神安定剤なのよね。
110628_155617飲み物は紅茶です。
いつものレモンティー。
外食の時は、疲れを取るために大抵レモンにしてます。
紅茶そのものが美味しいときは、最初の半分はストレートでね。

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