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「リヴァトン館」

ケイト・モートン「リヴァトン館」武田ランダムハウスジャパン

ゴシックロマンス的な要素のあるミステリというか~ドラマチックなストーリー。
面白かったですよ~!

98歳になった女性グレイスは、老人ホームで暮らしていました。
過去にあった事件の映画化について、意見を求められます。
グレイスは10代で貴族の館のメイドとなり、お嬢様の侍女となって、現場にいたのでした…
母一人子一人の貧しい育ちだったのですが、意外にも後に勉強する機会を得て~学者にまでなったらしいグレイス。
最愛の息子マーカスが今は行方知れずになっていて、彼に残すためにテープを吹き込みます。
あの悲劇の真相を…

第一次大戦の頃、アシュベリー卿の館。
田舎で仲良く暮らす卿の孫ハートフォード兄妹たちデイヴィッド、ハンナ、エメリン。
メイドになったばかりのグレイスは同じ年頃の彼らに憧れて、ひそやかなゲームを見守っていました。
若い人たちがだんだん出征していき…戦争の犠牲者が多く出たことを偲ばせます。
厳格な執事や腕自慢の女性コックや先輩メイドの指導を受けながら成長するグレイス。
従僕のアルフレッドとほのかに好意を通わせますが、彼は出征し、帰ってきたときには、別人のようになっていました。

戦後、ハートフォード家では当主となったフレデリックが、工場の経営に苦しみます。
感受性の強い長女のハンナは、アメリカ人の銀行家の息子に嫁ぐことに。
グレイスは、ハンナの希望で侍女となって、婚家に同行します。下っ端のメイドよりはだいぶ出世したということでもありました。

ハンナの所へ、兄の戦友ロビー・ハンターが、最期のときに頼まれた品を手渡しに来て、何気ないつきあいが始まります。
ロビーは詩人でもありましたが、シェルショック(戦争後遺症)に悩んでいました。
ハンナの妹のエメリンはロンドンに出て、次第に奔放な娘に。
何かと口実をつけて会いに来るロビーと、ハンナはとうとう恋に落ちるのです。
そして、1924年。
ハンナの夫が選挙の地盤を継ぐためにリヴァトン館を再興しようとし、盛大なパーティを催しますが‥?

いったいどうなったのか?ぐいぐい読まされます。
メイドの目を通しての世界というのも面白いですね。
身近に接していて親身な気持ちなのだが、越えがたい違いもある。
老境になって振り返る意味や、映画化という状況も、捻りが加わっています。
痛切な物語ですが、着実な筆致で読ませ、救いもあります。

著者はオーストラリアの新人作家でこれが2006年のデビュー作。
ベストセラーになり、アマゾンのベストブック・オブ2008にも選ばれたそう。

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