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「音もなく少女は」

ボストン・テラン「音もなく少女は」文春文庫

デビュー作「神は銃弾」が有名なボストン・テラン。
何となくしんどそう(というか暴力的?)で、読んでいませんが。
こちらも、やや作風は違うようですが~このミスなどでも評価が高い作品。
鋭い描写で、完成度高いですが~
辛い話なので、ちょっと一時中断…
他の本を読んで一息入れてから、読了しました。

イブ・レオーネは、生まれつき耳が聞こえない。
母のクラリッサは美しかったのですが、夫ロメインに虐待され、イブのこともクラリッサが悪いとされて、夫婦関係は悪化する一方でした。
ロメインは、麻薬密売の隠れ蓑に、娘を利用する有様。

娘を学校に行かせたいと悩んでいたクラリッサは、手話を使っていた知的な女性フランを見かけ、勇気を出して声を掛けます。
聾唖者の学校を両親が経営していたために、手話が出来るフラン。伯父が遺したキャンディストアを経営する自立した女性でした。
じつはナチスに聾者の恋人を殺され、自らも手術を受けさせられたという凄惨な過去があったのです‥

イブはカメラを貰い、写真家としての才能を次第に開花させていきます。
父が刑務所に入ったために、聾学校ではいじめられますが‥
最低というか危険な男共が複数出てくるために、女と子供の運命は恐ろしい試練にさらされ、絶望と怒りがこちらにもずしっと迫ってきます。
何をされるかと怖がっているとそれが起きてしまうんですが、そこで決して負けはしない女たち。

イブには、チャーリーという優しい恋人も出来ます。
混血のチャーリーは、黒人のドーア夫妻が里親となって育ててくれ、さらに引き取ったミミという女の子を、妹として可愛がっていました。
ところが、ミミの父親ロペスというのがまた・‥
フランに守られたように、ミミを守ろうとするイブ。
みんなを守ろうと父の家に出向く幼いミミの勇気。ロペスには甘い母親が、孫のミミはこんな所に来てはいけないと、返してきます。
近づかないように裁判所命令をとるのですが、それでも‥

痛切な愛と烈しい勇気の物語。
女性が立ち向かう話が好きなら、オススメです。
闘う女達、すごい迫力でしたー!

著者は、サウスブロンクスのイタリア系一家に生まれ育つ。
1999年作家デビュー。本書は第四長篇。

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