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「若様組まいる」

畠中恵「若様組まいる」講談社

「アイスクリン強し」が好評で、シリーズ化されるのかな?
「アイスクリン強し」は明治23年が舞台でした。
築地居留地で育った皆川真次郎が西洋菓子店をやっている話でした。

その続編ですが、時期は遡っています。
真次郎の幼なじみの長瀬ら、もとは旗本の跡取りという身分だった若様たちが、警官になるために学校に入った時期の話。
明治になって20年たっていますが、朝敵となった旧幕臣は肩身の狭い時代。

番町の旗本屋敷はそのままあるので、住む所には困らないけれど、もう録はなく、かっての家来が身を寄せているために、それを養わなければならない。
若様達には責任のない大きな体制の変化に、影響を受けているわけですね。
不景気の時代に生まれた今の若い子と、通じるものがないでもない?
父親達は明治政府の官吏にはなったが苦労して、出世も出来ないままだったので、息子達には勧めないのでした。

愛宕町に巡査教習所が出来ると聞いて、リーダー格の長瀬健吾が入学を決意、仲間達も驚きながらも行動を共にします。
合わせて8人。
わずか2ヶ月の訓練期間に、覚えることは大量。
初めての洋服である制服など、すべては与えられるのですが、寮生活で、一緒になるのは、薩摩出身の者や平民、旧幕臣でも慶喜と共に静岡に行った者など。
それぞれに複雑な反感があるのでした。
教師達も~何やら腹に一物ありげ。

幹事の有馬に目を付けられて、何かと罰則をくらって日曜にも外出できなくなる長瀬。
温厚な福田は恋人がいますが向こうの親に許されず、会うことも出来ない。仕事に就けばいくらか希望が出来るかも知れないのですが、外出もままならない状況に。

当時、ピストル強盗が頻発していて、学校でも鉄砲関係の事件が起きます。
規則に縛られ、授業内容に苦労しながら、さらに難題を突きつけられる若様組は・‥?!

反発もあるけど、しだいに協力し合うようになるのが楽しい。
歩く凶器・園山を止められるのは長瀬だけ?
じつは真次郎もそうだというが。
真次郎はちょっとしか出番ありませんが、良い所に出てきます。
無駄に強すぎてやたらに美形という~園山のキャラは、けっこう楽しい。

前作では、男っぽい方というぐらいであまり性格のはっきりしていなかった長瀬の良さが、出てきましたね。
お菓子作りの話が多い前作の方が好みで、一般的にもオススメではあるけれど~男子校ものみたいで、なかなか楽しく読めました。

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