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「警視の覚悟」

デボラ・クロンビー「警視の覚悟」講談社文庫

お~面白かった!
筆が乗ってますねえ。
あれ以上の傑作はなかなか出来ないだろうと思っていたら…
はらはらさせられますが、人の個性の違い、弱さや醜さも覗かせながら、上手いこと着地させていきます。

ロンドンで一緒に暮らす警部補のジェマと、警視のダンカン・キンケイド。
かってはダンカンの部下で名パートナーだったジェマ。今は違う部署ですが、まだ結婚はしないまま同居。
ジェマの連れ子とダンカンの息子と一緒に、クリスマスに初めてダンカンの実家を訪れます。
田舎のクリスマスは雪深いが、教会のある大通りなどは絵のようにとても美しい。

ダンカンに息子がいるとわかってから、初めての訪問。
ダンカンの別れた妻に育てられていた息子のキットは、ダンカンにそっくりの顔立ちです。
良い子なんですが、13歳の思春期で、母をなくし、その前に離婚して去って行った父は実父でないと知るなど、複雑な事情がありました。

ジェマの連れ子トビーは5歳で、無邪気で元気いっぱい。
ジェマは、初めて会うダンカンの両親や妹に受けいられるかどうか?やや不安も抱えていたのですが。
両親は大歓迎してくれます。
ただダンカンの妹のジュリエットは、実は夫と上手くいっていませんでした。
しかも仕事先で、モルタルに埋められていた死体を発見してしまい、クリスマスイブは台無しに…?!
そして、ジュリエットの娘のラリーは、キットと同い年。
美少女だけど反抗期で、何やら秘密もある様子。

田園地帯を走る運河、ボートで暮らす人々、美しい雪景色。
ダンカンの両親の家は、くつろげる雰囲気で快適そう。
犬たちやポニーも出てきて、可愛い。
そしてボート生活をしていた女性との出会い。哀切な人生。
検死医の女性もまた、意外な面を持っていた…
盛りだくさんな内容です。

ダンカンの地元なので、同級生だった警部に非公式に協力して、捜査に参加することになります。
キットは感じやすいのに、またしても試練にあうのが心配になるけど、これだけ周りに思いやってくれる家族がいるのだから~大丈夫!

著者は1993年に、このシリーズの第一作目「警視の休暇」でデビュー。
このときはまだ短い薄い本で、警視は若く、やや作風の印象が違いました。ジェマも出てこなかったんじゃないかしら。
1998年に第五作「警視の死角」がマカヴィティ賞最優秀作品を受賞。
この次の作品で再び、マカヴィティ賞を受賞しているそうです。
マカヴィティ賞はミステリ愛読者の投票によるもので、好感度が高いのはわかる気がします。
アガサ賞だと原則として警察官物は対象外なので、クロンビーがマカヴィティ賞と相性が良いのも納得。

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