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「乱紋」

永井路子「乱紋」文春文庫

浅井三姉妹の末娘・江(ごう)を取り上げた小説としては、初期の物ではないでしょうか。
がっちり書き込まれている割に、わかりやすい作品です。

三姉妹は18、16、14という年齢のときに、まず江の結婚話が。
年齢設定が他と違うのは、資料によるんでしょうか?
浅井長政が籠城中に生まれたのは、確かなんでしょうね。
華やかでお喋りな次姉の初が、京極家へ。
これはどちらも、浅井家の姫としては、格が低い結婚だとか。
外堀を埋められた後で、プライドの高い茶々が秀吉の側室になっていきます。

主におごうの侍女のおちかの視点から、何かと気を揉む様子が語られます。
侍女の感情は喜怒哀楽はっきりしているので、ちょっと下世話な詮索が多いけど~わかりやすくはなっています。
上の二人が華やかな美人で、江は色黒でとりたてて美形ではなく、口が重いためにあまり頭も良くないと見られていたという出だし。
姉妹にもライバル意識はあったでしょうけど、肩を寄せ合っていたわけだし、意地悪な感情だけではないのではと思うけど。侍女は血が繋がっていないから、そこだけ見るのかもね。

最初の夫とは、政略とはいえ、上手くいっていました。
さわやかな夫との平穏な暮らし。
こんな夫婦もあっただろうな~という説得力があります。
だんだん笑顔が増えていたおごうが、離別を言い渡されたときも取り乱さずに受け入れます。
けれども、その後全く無表情になったことに侍女は気づくのでした。
実は、腹が据わった賢い姫さまなのかな。

おごうの二番目の夫・秀勝は朝鮮出兵中に亡くなり、岐阜城を明け渡すことになります。
身重のおごうは大阪へ出向きますが、やはり妊娠中の茶々からは沙汰もないのでした。
茶々が無事に出産した後になって、おごうも呼ばれますが、前より綺麗になったおごうを見る秀吉の目が気に入らない様子。
まもなく、秀忠との間に縁談が。

三度目の夫になった秀忠は、17歳。
文武の修行を毎日怠らない律儀な男でした。
おちかの目には平凡と映りますが、並べたところが実はお似合い。
側室を持たなかったことでは戦国大名としては異例と有名ですが、実は浮気はしていたのよねえ…!

茶々の気の強さは意地悪くも見えますが、この時代の女性の生き方は生死に関わるわけで。
女城主として合戦していたも同然の立場だと思うと、納得がいくような。
家康のやり口はずいぶんだけど、茶々と秀頼には一大名として生き延びる道もあったわけなのに、それは拒否したわけですからね…
戦国時代の厳しさに、思い至ります。

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コメント

今、ドラマの「江」を見ています~
母のお市の方の死別した三姉妹が、それぞれ個性的でおもしろいです。
これからは茶々を中心に話が進むのでしょうか? 京極竜子があんまり絶世の美人でないのは、三姉妹を引き立てるためなのでしょうか?

marieさん、
江、見ました!
気が抜けるかと思ったけど、結構面白かったです。
名残惜しげに~お市が回想で出てきていましたね。
姉妹もだんだん年齢的な無理がなくなってきますよね。

これから茶々がぐぐっと綺麗になってきそうですね。
京極龍子は、絶世の美女なんですか?
お公家さんとのつきあいなどに才覚あった人らしいですね。
三姉妹から見れば、…おばさん…?
いや、従姉だけど

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