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「大聖堂 果てしなき世界」

ケン・フォレット「大聖堂 果てしなき世界」ソフトバンククリエイティブ

「大聖堂」の続編。
200年後、既に大聖堂が建っている街キングズブリッジが舞台です。

騎士のサー・ジェラルドの長男で、のちに建築職人になるマーティン。
その弟で、大柄で強いが粗暴なラルフ。
この二人は、前作の登場人物の子孫に当たります。
そして、裕福な羊毛商人エドマンドの娘で、利発な美少女カリス。
土地を持たない貧民の娘グウェンダ。
この4人の子供らが森で偶然に、騎士が襲われて相手を殺す事件を目撃する所から始まります。

そのときの騎士トマスは、修道院へ。
修道院長を目指す修道士ゴドウィンは、カリスの伯母の息子。穏当にふるまっていますが、実は野心家。
修道院の内部抗争も描かれます。
女子修道院の存在が大きくなっているのも、時代の流れというか、前作とは違う興味をそそります。

グウェンダが恋するハンサムな農夫のウルフリックには、美しい婚約者がいました。
望みのない恋に思えたのですが、思いがけなくウルフリックの親が亡くなって、その土地所有を巡って危機に陥り、婚約も解消に。
当時は、当然のように息子が継げるというものでもなかったという意外な盲点が。
薄幸のグウェンダが捨て身で尽くします~一途で、けなげ。

人が集まっている市の日に、橋が落ちるという大惨事が起き、街は大混乱に。
マーティンは親には期待されない息子でしたが、橋の欠陥を見抜き、才能を発揮していきます。
カリスと想い合いますが、親方の娘に言い寄られて妊娠させたという騒ぎになり、それは濡れ衣だったのですが、ギルドに入れなくなり‥?!
臨場感があり、ドラマチックです。

橋の再建を巡って、修道院とギルドは対立。
建築職人のマーティンらは、ロンドンに半年以上滞在して、民事裁判の結果を待つことに。
橋がなければ人が集まらなくなって大きな市は寂れ、国王へ払う税金も少なくなると訴える羊毛商人のエドマンド。
エドマンドの娘カリスは、父の片腕となっていきます。

1年遅れて橋の建設はやっと始まりますが、修道院長のゴドウィンは執念深い性格で、何かと対立する面々を陥れようとするのです。
カリスはとうとう命の危機に。
魔女裁判にかけられ、魔女でない証明は難しいため、修道女になるしか生きる道が無くなってしまうのです。
失意のマーティンは、フィレンツェへ向かうことに。
カリスは女子修道院で働き、有能さを生かすようになります。

マーティンの弟ラルフは粗暴で、騎士として領主に任ぜられたものの、自業自得で裁判にかけられますが‥
人を殺しても動じないサイテーの人格が、戦場では役に立つという‥?!
悪役はかなり悪役で徹底していますが、それなりに生きていく運命が何とも。

フィレンツェはペストで滅びたようになり、マーティンは帰国します。
ところが、やがてイギリスもペストが流行り始め、キングズブリッジを猛威が襲う。
街にとどまって治療に奮戦するカリスは信頼を集め、余所の人間から聖女とも言われる存在に。
混乱する状態で、マーティンとも半ば同棲しているような生活になるのですが、事態が落ち着くと~女子修道院長としてはそれが出来なくなる皮肉。

危機は次から次へとめいっぱいで、スリル満点。中世の独特な環境が興味深いです。
登場人物は苦労も多いですが、かなり勧善懲悪的というか~収まる所に収まる結末なので、読後感はすっきり!

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