フォト

おすすめ本

« momokoさんのパーティー準備 | トップページ | クリスマスに勢揃い »

「アラミスと呼ばれた女」

宇江佐真理「アラミスと呼ばれた女」講談社文庫

幕末に、長崎で育った女性・田所柳が主人公。
通詞の娘で子供の頃から語学に興味を持ち、のちにフランス人にアラミスと呼ばれるようになるのです。

父はもとは職人でしたが、オランダのカピタンがみやげにする櫛や簪などを買いに来る店だったため、オランダ語を覚えたのが評判となります。
通詞として認められ、幕府から長崎に派遣されることに。
安政三年、お柳が10歳の時から始まります。
お柳は特にフランス語に堪能で、女だてらに通詞になるのが夢。出島に出入りできる女性は遊女のみなので、当面は無理だったのですが。

父を認めてくれていた榎本の御前の息子・榎本釜次郎(のちの武揚)と幼なじみだったという。
釜次郎が海軍伝習所に2年学んでいた間、休みには家に来る関係でした。
父を亡くしたお柳は江戸に戻り、母親と二人で生きていくために18で芸者に出ることに。
三味線が出来たので、宴会の助っ人芸者になれたのです。

宴席で釜次郎と再会し、男装で通詞となります。女性は役人にはなれなかったためですが、通詞は大いに必要とされていました。
髪を切り、父親の着物を着て、横浜の異人宿舎の一室に住み、夜となく昼となくフランス人の世話を焼く生活に。

国全体が大きくうねる時代の~波乱の運命と、一筋の恋。
海軍副総裁だった榎本が蝦夷地下賜を願い出て、開陽丸で船出するのに同行。
何と蝦夷地にまで男装で通詞として渡り、五稜郭にいた?!?
史実には残っていないそうですが…
軍事指導の教官として来日していたフランス軍人のブリュネは、本国の命に背いて釜次郎らと行動を共にするのでした。

ちらっと出てくる土方歳三を思うとちょっと、切ない。
榎本‥というと大変!ではありますが、まあ~明治まで生き延びるからいいか~などと思いながら読みました。
榎本とお柳の性格がどちらもなかなか好感持てる描き方になっているので、気分よく読めます。
五稜郭で敗れ、獄中にありながらも、次々に次代のための研究を重ねる榎本。
死罪でも当然の所を、明治政府に必要な人材として黒田清隆に味方されて救われるのでした。
そして、北海道開拓に向かう榎本武揚。

時代は変わって、お柳も家で女学校の生徒に英語を教える仕事もしたりするのでした。
血を引いてか語学に興味を持つ一人娘のお勝を育てつつ。
榎本とはほとんど会うこともなく過ぎますが、お勝の父親代わりを榎本に頼まれた側近の男性・大塚が傍にはいたのでした。
彰義隊の頭取で生き残り、五稜郭でも生き残った大塚も、何という人生でしょうか。
表紙絵は、鹿鳴館での舞踏会で。
幕臣の正装で現れた武揚と、芸者姿の仮装で踊るラストシーンですね。

« momokoさんのパーティー準備 | トップページ | クリスマスに勢揃い »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145558/50185498

この記事へのトラックバック一覧です: 「アラミスと呼ばれた女」:

« momokoさんのパーティー準備 | トップページ | クリスマスに勢揃い »

2018年7月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック