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「ブギウギ」

板東眞砂子「ブギウギ」角川グループパブリッシング

変わった題材を扱かった力作です。
ホラー的なイメージのあった作家さんですが、こちらでご紹介は初めてかな。

1945年8月。
法城恭輔は、大学の心理学教室で、兵士の適性検査や戦争神経症の治療に当たっていました。
ドイツ語の通訳をするために車で迎えが来て、海軍軍人の夜須と箱根へ向かうことに。

芦ノ湖付近のいくつかの旅館に、ドイツの捕虜がまとまって暮らしている場所。これが意外に大勢いたんですね。
「大黒屋」に宿泊していたドイツ軍人で、沈没した潜水艦のネッツバント艦長が不慮の死を遂げ、殺人の疑いもあったのです。
戦争終結間近に起こる出来事と、その後の事件をじっくり描いていきます。

死体を発見したのは安西リツという~大黒屋で働いている呑気な女中さん。
歌が好きで、これが後々ブギウギになるのかな?とすぐ思わせますが、それはずーっと後の話。
結婚直後に夫は出征し、舅姑と無事を祈りながら暮らすのに飽き飽きしていたという。
ドイツ人の若い潜水艦乗りパウルに口説かれて、すっかりその気になるのですが…

戦争に倦み疲れた人々。とはいえ、すぐに終わるとはもちろんまだ知らない。
終戦で、一気に細かいことなど吹っ飛んでしまう。
確かに衝撃でしょうね。
戦時中の意外な様子や、戦後の大きな転換が、じっくりリアルに描かれています。
ドイツ人と一口に言っても~責務も性格も立場も違う。
ドイツ本国は既に降伏していたのですが、アルゼンチンに渡ろうとしていた人間らはナチスだった‥?
法城は、旧知の外国人ジャーナリストの女性オルガに、事件のことを聞かれ、共に調べ始めます。
ところが…
各国の組織が関わってきて、難問を突きつけられる法城。
怒濤の展開になります。

大黒屋の女将さんは、戦前はアメリカに行っていたこともあるという経験豊富なおばあさん。
戦後は英語を教え始めるたくましさで、リツの生んだ子を引き取ります。
ハードな読み応えですが、読後感はいいですね。

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