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「天国旅行」

三浦しをん「天国旅行」新潮社

7作をおさめた短編集。
死をモチーフにした…というと何だけれど、そこは三浦しをんのこと。
哀しいけどかすかな救いがあったり、怖いけどユーモラスだったり、どこかほのぼのしたり、かなり好感度高いです。

「森の奥」は、自殺を考えて樹海に入り込んだ中年男。
ずるずるとロープがゆるんで木から落ちて失敗した所を若い男に発見され、まだ遊歩道のすぐ近くだと知らされる情けなさ。
成り行きでついて行くことに。
自衛隊の訓練で一人で樹海を突っ切るのだという~男の話には、半信半疑でしたが…?
ありそうな展開ですが、何となく若い男の雰囲気がそれらしい。

「星くずドライブ」は、恋人の香那が手ぶらでやって来て、着の身着のまま寝てしまう。
実は交通事故で死んでいるらしいとわかってきますが、死体はなかなか発見されない。
見た目は生きているときのままで、話は出来るのですが、他の誰にも見えない。
触ることは出来ないまま、ずっと一緒にいることに…ひぃやりとした感触を残します。

「SINK」は、金属造形を仕事にしている若者・悦也。
じつは一家心中事件の生き残りで、子供の頃の記憶を時折思い出すのです。
あの時、母親はどうしようとしていた?母の手を自分は蹴って浮かび上がったのか…
臆病な自分から離れたくて、引っ越すことにします。
何かと手助けしようとする幼なじみの悠助にひどいことを言い、好意を寄せてくれた女性・田代にも応えられないまま別れますが…
記憶を少し塗り替えようかと、ふと考えるのでした。
どうしようもなさと、過ぎる年月、一筋の光。

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