フォト

おすすめ本

« 「ペニーフット・ホテル受難の日」 | トップページ | コーニングスレインさんの細部 »

「柚子の花咲く」

葉室麟「柚子の花咲く」朝日新聞出版

葉室さんの時代小説です。
江戸時代、藩には藩校という学校がありました。
とはいえ、予算の関係などで、数は多くありません。
村塾で15歳までは学ぶのですが、先生のなり手も少ない状態でした。

「桃栗三年、柿八年、柚は九年で花が咲く、梨の大馬鹿十八年」というのが口癖だった恩師。
筒井恭平は日坂藩の青葉堂村塾で、梶与五郎という先生に習っていました。
ふだんは川で一緒に釣りをしたり、よく遊べといわんばかりのお気楽な先生だったのですが、藩校へ上がる段になって、みっちり仕込んでくれて、春の試験で8番となります。

成長して群方となった恭平は、恩師の梶が死んだことを知らされます。
人妻を伴っていたため、その夫に女敵討ちになったという意外な話に驚愕。
折しも、洪水で川の流れが変わり、隣の藩との境界を巡って争いが起きていた時期。
梶与五郎は、その根拠となる書類を持って訴え出ようとしていたという…
これは何かある?
同じ村塾の出の穴見孫六は、藩校に行くときに4番だった仲間。
自分の知っていることからもこれは怪しいと睨み、探りに行くのですが…

孫六もまた、何者かに切られてしまう。
恭平は、鵜ノ島藩の事情を探る命を受けますが、これでは、かなり危険な任務。
鵜ノ島藩の家老・永井兵部は与五郎の実父だと知ります。
与五郎こと永井清助は若い頃には放蕩者だったため、勘当されたというのですが。かっての婚約者を連れ出したのか?

恭平は学問よりは腕に自信があり、竹を割ったような性格。
大百姓の娘で村塾でも出来が良かったおように、ほのかな想いを抱いていましたが、身分違いでかなうわけがないと思っていました。
仕事中に再会して、おようの夫から思いがけないことを言われます。
任務は危険でスリルいっぱいですが、幼なじみや村塾の子供らなどの存在が効いています。
いきいきと描けていて、一気に読めました。

« 「ペニーフット・ホテル受難の日」 | トップページ | コーニングスレインさんの細部 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「柚子の花咲く」:

« 「ペニーフット・ホテル受難の日」 | トップページ | コーニングスレインさんの細部 »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック