フォト

おすすめ本

« 被写体momoko展 | トップページ | 「日曜哲学クラブ」 »

「小暮写真館」

宮部みゆき「小暮写真館」

高校一年の花菱英一は、元は写真館だった建物に一家で越してきました。
両親は一見ごく普通なのですが、どこかセンスがおかしい。
何しろ、息子を友達の呼ぶあだ名の花ちゃんと呼ぶのですから。
越してきた写真館のスタジオを改装もせずにリビングにして、看板まで出したまま。
そのために、英一はあらぬ誤解を受け、心霊写真を撮った責任を取れと言われてしまう…
妙な写真にぼんやり写っている…それは、念写だったのか?
いくつかの事件に関わり、解決していく物語です。

写真の主を訪ねて行ってみた不動産屋で、愛想のない事務員・ミス垣本に出会います。
独身だからではなく、社会人としてどうよと思われるぐらい欠けているものを感じたので、密かにミスとあだ名を付けたのでした。
ところが、駅で線路に飛び降りようとした現場を目撃してしまい、放っておけなくなる英一。
どこか壊れている年上の女性と、何気ないような縁が出来ていきますが…

身体の弱い弟のピカこと光(ひかる)は利発で、きれいな顔立ち。
親友のテンコこと店子力(たなこつとむ)がなぜか似たタイプで、そのせいか二人はすごく仲良し。
テンコは寝袋を抱えてよく泊まりに来るし、二人だけで遊んでもいる様子なのでした。
一番平凡と思っている英一。まあそうなんだけど~じつは得難い人柄の花ちゃん。微笑ましいトライアングルです。

コゲパンというあだ名の女の子も、登場。
結局はどちらの彼女になるのでもないけれど、つかず離れず協力する関係に。
仲良くなる距離感がなかなかいいですね。

実は、英一兄弟の間にはもう一人、女の子・風子がいたのですが…
一緒に生活しているかのように、両親は口にすることもありました。
しかし、もう亡くなっているのです…インフルエンザ悩症で。
家族のそれぞれが痛みを秘めて、自分を責めていた悲しみが次第に明らかになってきます。

日常的な描写の積み重ねから、少年が成長する様がじんわり伝わってきます。
前半はテンポが遅く、子供時代の感覚を丁寧に。
後半のエピソードはやや大人びてムードが変わってくるので、ゆっくり読むのにいいですね。

« 被写体momoko展 | トップページ | 「日曜哲学クラブ」 »

コメント

はじめのほうのエピソードはなかなか面白く読めたのですが、後半はちょっと重たいです。子どもが死ぬお話は悲しいですね。

ちょうどこの本を読んでいる頃、家を売ったので、不動産やさんと知り合いになったりして、その点でも興味深かったです。家にも人生みたいものがあるのかも~

marieさん、
前半は中学生活らしいのんびりした感じがありますよね。
幼い子供の事って…どうしようもない重さがありますね。
そこまでと思わないでいた後半の辛さに直面する感じ、痛いけど~成長していく感じがありましたね。

marieさんはお家を売った時期でしたか~ああ、なるほど!
家に新しく住む人、前に住んでいた人…
不動産屋さんとのおつきあいがあったりすると、また面白いかも知れませんねえ

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「小暮写真館」:

« 被写体momoko展 | トップページ | 「日曜哲学クラブ」 »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック