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「イリアス」

アレッサンドロ・バリッコ「イリアス」白水社

「海の上のピアニスト」「絹」で知られるイタリアの作家バリッコが、朗読劇のために書きあらためた「イリアス」
力強く、いきいきと描かれています。

ホメロス原作の「イリアス」を朗読すると40時間かかるので、繰り返しを削り、神々の部分を省略、人間が次々に出てきては語るという構成に。
クリュセイス、ヘレナ、アイネイアス、アキレウス、オデュッセウス、パトロクロス、ヘクトル、アガメムノン、アンドロマケ(ヘクトルの妻)などの視点から。
「イリアス」というのはギリシア人を指しているんだっけ?
もとはトロイ戦争を描いたもので、神話と混ざり合い、古代ローマ帝国の起源を示すものともなっています。

トロイの王子パリスと恋に落ちてトロイに来たものの、長く続く戦いの間、身の置き所がない思いをしているスパルタ王妃ヘレナ。
傲岸で味方にも嫌われている連合軍の盟主アガメムノンは、ヘレナの夫の兄でもあります。
トロイの神官の娘で、一度はアガメムノンの奴隷にされるが、嘆願に応じるようスパルタの面々も求めたので、ようやく返されることになるクリュセイス。
アキレウスは英雄と称えられるがアガメムノンとは折り合いが悪く、このまま戦場にいれば死ぬと予言されている…

「イリアス」は、トロイの王プリアモスが英雄アキレウスに対面して息子ヘクトルの遺体を返して貰う所までだそう。
トロイの木馬のシーンがないとは意外、それは他の作品なのね。あ、「オデュッセイア」かしら。
その辺は書き足してあるとか。
映画の「トロイ」を見ていれば、わかりやすいです。
一部には違いもありますが。

美女ヘレナが20年もトロイにいたというのは、いささか‥
それで今さらスパルタに帰っても~針のむしろでしょう。
ヘレナがスパルタ王の跡取り娘だから、財産としてもシンボルとしても奪い返さなければならなかったんでしょうが。
これはまるっきり創作なのか、当時流布していた伝説があったのか、どうなんでしょうね。

アーシュラ・K・ル・グウィンの「ラウィーニア」はこの中に出てくるアイネイアスの奥さんの視点からの話です。
トロイを脱出して放浪、やがてイタリアの地に国を築いたアイネイアスがいわばローマ帝国の祖。

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コメント

映画「トロイ」を見て思ったのですが、たしかにヘレナの立場って……
なんとまあ、20年もトロイにいたんですか! そりゃ、身の置きどころがないですねえ。それで、またスパルタに帰るとは知りませんでした。永井路子さんの「歴史をさわがせた女たち・世界編」では、一番のおさわがせ女になってました。

marieさん、
そうなんですよ~。
オデュッセウスの命乞いで助かったということですが、帰りたくもないでしょう!?
映画だとさすがに20年にはなってなかったけど。
イリアスだとまあ~ヘレナの恋は女神がパリスに与えたためだから、本人の罪じゃないんだけど。
史実も多分、そうとう違うんじゃないかな…でも全然実在しなかったっていうのも、つまんないんですよね

山岸さんの漫画では、ヘレナはその時までも美しく中身は図太くて、夫は抵抗できないっていう皮肉な話になってました。
永井さんも書いてましたっけ…確かにあれが史実なら~世界一のお騒がせ女ですよね!

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